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子育て中の転職活動 知っておきたい3つのこと【Q&A編】

「育児復帰後はキャリアアップを図りたい」「子どもとの時間を確保しつつ、やりがいのある仕事をしたい」―。読者の皆さんの中には、そんな理由で転職を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。日経DUALが実施したアンケート(2015年)では、ワーママの約8割が「転職を考えたことがある」という結果が出ています。とは言え、実際に活動を始めた方からは、「身近に転職経験者がいないので不安」というお悩みも耳にします。

そこで、meetcareer(ミートキャリア)では、8月30日(金)夜、オンラインイベント「子育て中の転職活動 知っておきたい3つのこと」を開催しました。2児を育てながら2度の転職経験がある企業人事のさかえさんをゲストに迎え、meetcareer(ミートキャリア)からはワーママ転職支援のプロ、あやさんが登壇。前半は「3つのこと」をテーマにしたトークを行い、後半は参加者からの質問にお答えしました。

今回のnoteは本イベントの後半編、Q&A(質疑応答)編です。noteではイベント当日に出た質問だけでなく、事前にいただいておいた質問にも全部、お答えします! さかえさんの転職経験についての質問から、転職活動の心得、面接や企業との交渉、キャリア開発まで様々な質問がずらり。転職を考えている方、ぜひお役立てください。

前半のイベントレポートトーク本編が未読の方は、こちらからぜひご覧下さい。

■登壇者(回答者)プロフィール

さかえさん

ゲスト さかえさん twitter:さかえ@ワーママ人事
人事歴10年。リクルート、外資を経て、現在は大手メーカーの人事部で数少ない女性管理職として勤務。2017年、キャリアコンサルタント(国家資格)取得。2児の子育てをしながら、希望するライフスタイルや志向に合わせ、過去2回の転職経験がある。さらに近々、今の会社を退職することを決めており、現在もまさにお仕事探し中。

あやさん2

meetcareerキャリアカウンセラー あやさん twitter:あや@在宅派遣おばさん
大手人材派遣会社、ワーママ向け転職エージェントを経て、現在は自らの希望であったフルリモート(在宅勤務)の会社に転職し、人材派遣業に携わる。12年の人材業界在籍でワーママ転職の支援経験が豊富。meetcareer(ミートキャリア)には今年3月から参画し、マッチングやキャリアカウンセリングを手掛ける。

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<さかえさんの転職経験についての質問>

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Q1.どのくらい先の自分をイメージして活動した?

どのくらい先の自分をイメージして転職活動をした?私は「小1の壁」に向けて今のうちに準備をしたいと考えている。上の子が3歳なので、(小1まで)あと3年。3年先の自分をイメージすればいいのか、もっと先か?それとも、今の自分の感情に寄り添った方がいいのか迷っている。

A1.今の自分の気持ちに沿うことが大事
(さかえさん)私の場合、1-2年先くらいで、大して先のことは考えなかった。家族も自分も、3年後、5年後などは分からなかったから。中長期で考えるのも良いと思うが、仕事は毎日のことだから、今の自分の気持ちに沿っていないと結局続けられないのでは。5年後のために今我慢しようとか、思えないと思う。

Q2.「ママ」が強みになったことはある?

「ママ」である事が懸念材料であることがほとんどだと思うが、逆に強みとなったことはある?その強みをどう企業にアピールした?

A2.生産性が高くマルチタスク 自信を持って!
(さかえさん)正直あまり懸念材料になったという感じはない。ハンデと思う必要もないと思う。というのも私たちワーママは生産性高いし、マルチタスクに長けている、スキルフルな人材!むしろ自信を持っていいと思う。あと女性やワーママが少ない企業(toB業界等)は積極的に女性を欲しがっている。堂々と仕事経験を語り、スキルある貴重な女性人材として採ってもらいましょう! 

Q3.収入減や安定減の不安、どう払拭?

転職に当たって、一番最後まで懸念していたことは?例えば、収入減や安定減のリスクがあった場合、どう払拭した?

A3. 家族に「応援してくれるか」相談
(さかえさん)収入面に関しては「最低限いくら必要か」を割り出して生活を具体的にイメージ。「それでも自分はこの仕事をしたいのか」を自分に問い、その答えが「YES」なら、応援してくれるかを家族会議で相談することだと思う。

Q4.転職後の会社で気を付けた点は?

転職して良かったと思う?転職後の会社で気をつけていたポイントは?

A4.早々に成果を出すこと
(さかえさん)大変なこともあったけど、総論ではYES(経験の幅が広がったし、企業を見る目も肥えた)。入社後気をつけていたのは、早々に成果を出すこと。採って良かったと思ってもらえるよう、特に最初3ヶ月は強く意識していた。(でも、正直うまくいったことばかりではなく反省もありますが、汗)

<転職活動の心得についての質問>

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Q5.子育て中の転職活動 時間の使い方のコツは?

仕事や育児をしながら転職活動をするための時間の使い方のコツを聞きたい。

A5.「通勤時間に終わらせる」など時間を区切る
(さかえさん)
コツ1:履歴書、職務経歴書はとりあえず仕上げ、エージェントに見てもらってブラッシュアップ。完璧なものを仕上げようと思うと、いつまでも完成しない。えいやっで構わないので、まずは一度仕上げて送る。
コツ2 :求人探しはネットサーフィンの時間が延々とかかりがちなので、通勤時間など「この時間で終わらせる」と決める。電車を降りるまでに応募するかどうか決めるなど、時間を区切る。

Q6.転職活動を短期化するには?

転職活動をできるだけ短期化するにはどうすればいい?

A6. 使えるものは全て使う気持ちで!
(あやさん)「何のために転職するか」「転職するための自分の軸、優先順位」をハッキリさせること。自分の希望は洗いざらし出し、そこから今回の転職で絶対叶えたいこと、捨ててもいいことを取捨選択する。次にエージェントにいくつか登録する。相性の良いコンサルタントを見つけると◎。SNS利用や「仕事を探している、〇〇がやりたい」と周りの知人・友人に言うこともぜひ!自分ひとりだけの転職活動は時間もリーチする範囲も限られてしまうので、使えるものは全て使う気持ちで!

Q7. ワーママ転職で企業に確認すべき!という点は?

入社後のミスマッチを防ぐために、ワーママ転職で「これだけは企業に確認しておくべき!」という点を知りたい。

A7. 複数のママ社員に話を聞かせてもらう
(あやさん)条件通知書やオファーレターを見て、口頭で聞いた内容と同じか確認する。残業なしと聞いたのに30時間分のみなし残業手当が入っているとか、試用期間3カ月と聞いたのに6か月と書いてあるとか、そんな食い違いがないか確かめて。あと、社員に話を聞く機会を作ってもらうと良い。

(さかえさん)社員、特にワーママから話を聞くのは絶対したほうがいい。ポイントは複数名会うこと。また同じくらいの役職の人ならざっくばらんに話してもらえるとは思うけど、自分から積極的に聞き出す努力を。例えば私の現職は在宅勤務はあっても時短の人は使えない。これは聞かないと分からない。

<選考面接や企業との交渉についての質問>

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Q8. 提示された月給が低い。交渉してもいい?

選考中の会社から提示された月給が希望より低い。一次面接で下限額~希望額を伝え、二次面接では希望額を伝えたが、先方から提示されたのは下限額だった。これは交渉しても良いもの?「メールで送ったら定型文でお断り文が来るだけ」とネットで読んだので、交渉するなら口頭でと考えているが、どういう言い回しが良い?

A8.メールでもいい。正直に気持ちを伝えて。
(さかえさん)口頭の方が良いが、弱気になって言いたいことが言えないくらいならメールでも良い。選考への悪影響は無い。誠実に書けば、誠実に返してくれる。定型文で書くと、定型文で返ってくると思う。

(あやさん)提示された金額で我慢して入社した時のほうがリスク。「最初は低く見積もって言ってしまいましたが…」と正直に自分の気持ちを伝えたらいいと思う。エージェントを使っているなら言ってもらえばいいし、自分からメールをしてもいい。遠慮しない、諦めないで。

Q9.「〇年後どんなキャリアを?」の質問に困る

選考面接で聞かれる「3年後、5年後、どういう風にキャリアを積みたい?」の質問にどう答えたら良いか分からない。1社に長く勤めたことがなく、また子どもができてからの生活は働き方の予測が不可能なことが多いので…。

A9. 長く働きたいことをアピール、逆質問もお勧め
(あやさん)1社で長く働いたことがないのを逆手にとって「正直分かりません。御社で新しい景色を見たいと思っています」と、長く働きたいことをアピールしては?「新しい景色って何?」と聞かれたら、面接官に逆質問してもいいかも。「何年くらいで役職に就かれましたか?」「どんな変化がありましたか?」と。

(さかえさん)管理職/専門職志向どちらか、またどのくらいの成長スピードで考えているのか知りたいのかも。受かるために嘘つくのは良くないからよく考えて。

Q10.「育児中」「時短」のハンデをどうカバー?

一見ハンデに感じられる「育児との両立」や「時短勤務」において、それをカバーできると採用担当に感じさせるアピールの仕方は?

A10.「効率よく」「判断が速い」強みとして話す
(あやさん)「育児との両立」や「時短勤務」をハンデと捉えないことが大事だけど、なぜ自分がハンデと感じてしまうか考えてみる。時短、突発的な休み、残業ができない等をハンデだと感じるのだとしたら、全て「時間」に起因している。だとすれば、効率よく生産性を上げる働き方ができていれば、問題ではなくなるはず!それを強みとして話す。
例えば、「突発的に休む場合に備え、自分の業務を全て可視化し共有した」「復帰後も同じノルマを達成しながら時短で働いている」「物事の取捨選択ができる」「判断が速い」「無駄のない仕事ができる」等、具体例を交えながら話してみて。

<キャリア開発についての質問>

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Q11.バックオフィス経験で収入を上げるには?

バックオフィスの経験がある。いつか収入をアップさせたいと思っているが、今後どんな転職をすればいい?

A11. 何か1つ得意分野を持てば強みに
(あやさん)「人数が少ない会社で何でも屋さんだった」=「スキルが少ない」と思われがちだけど、実は重宝される。経理をやる人、人事労務をやる人はいるけど、バックオフィス全体を俯瞰して見られる人が居ないという会社もある。分からないことがあったときに自分で調べて形にするという仕事を今やってるなら、それはすごい強みだと思う。今後バックオフィス業務の中で何か1つ得意分野を持てば、「バックオフィス全体も見られるし、〇〇もできるから年収いくら欲しい」と言えるようになる。

Q12.経理や総務経験なしでバックオフィス職は?

経理や総務の経験がない場合、バックオフィスの求人を見つけるのは難しい?

A12. 業務を走らせながら身に着けた経験をアピール
(あやさん)例えば小さい会社の場合、一般事務と言いつつ、総務、経理、人事労務、営業事務の全部をやっていることもある。その場合は例え補助的であっても、バックオフィス全般の経験ありと言える。
逆に人事労務だけ、営業だけ、営業事務だけの経験しかないけど、バックオフィス全般の仕事にチャレンジしたい場合、“業務を走らせながら身に着けた経験”をアピールすると良い。例えば、営業事務→バックオフィス全般をやりたい場合。「営業事務として、各営業部のマネージャーや他部署と連携を取りながら、実績の集計、請求・支払管理、社員の勤怠管理、残業時間の締めなど幅広くやっていました。社内の連携を取るべき人を見つけ、自分で調べながら業務を進め、スムーズに進めるための仕組みづくりもしていました」のようにアピールする。

Q13.職種を変えるには、経験が不足している…

転職で職種を変えるにしても、年齢(30代後半)に対して経験値が不足していると感じる。業種を変えて同じ職種の方が条件に合う求人は多い?

A13. 同業界で職種を変えて転職するのも手
(あやさん)もちろん、同じ職種で業種・業界違いのほうが選考は進みやすい。企業側もその人に自社でどんなことを任せられるかイメージがつきやすいため。ただ、もしどうしても職種を変えたいのなら、これまでの経験と新しくチャレンジしたい職種の中で似ている業務をうまく見せる。職種は変えても同業種・業界での転職をするのもあり。


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イベントご参加の皆様、たくさんの良いご質問、ありがとうございました。
質問タイムでは、さかえさんやあやさんの回答・アドバイスを受け、参加者がチャットで感想を書き込んでくださったり、その場で追加質問をいただいたりしました。まさに今転職活動中の方や、同じような悩みを持つ方からの質問は、参考になりますよね。

終了後、参加者からは「ワーママであることに対してあまり卑屈にならず、自分の生き方や働き方を意識していくのが大切だと知りました」「転職に軸を持つことは分かっていたものの、なぜそれが軸なのか?の深掘りが足りなかった自分に気がつきました」などの感想をいただきました。
読者の方も、感想や「こんなテーマで話が聞きたい」というリクエストをnoteのコメントやtwitterでいただけると、参考になります!

前半のイベントレポート編はこちら。

最後にmeetcareer(ミートキャリア)のご紹介です。

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