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第28話 緑の人
↓ひとりで苦しまなくていいよ。
あときっと、来てくれたら軽くなる。↓
⭐︎⭐︎⭐︎
緑の人
洗面所の鏡の前は、私にとって「繋がり」のいい場所のひとつ。
奈良から帰宅して数日、喉の奥の小骨のようにずっと引っかかっていたタケミカヅチの剣のことを、もう一度きちんと思い浮かべる。
今度こそはっきりと玉石社のオオナムチにお返しすることを意識すると、鏡の自分と一瞬はっきり見つめあってから深く目を閉じて集中する。
「鹿島のタケミカヅチ様より預かりました剣、玉木山の玉石社におわしますオオナムチ様…オオクニヌシ様にお返しいたします。」
再び体内から剣を引き抜くと、両手に掲げて天に差し出す。
使者としてやってきたのはどうやら玉木山の鴉天狗。
なるほどそうか、あそこは修験道の聖地でもあったのか。確かに熊野古道を擁する紀伊半島は、修験道の開祖、役小角(エンノオズヌ)修行の地だと聞いたことがある。往時は山伏たちも歴史の裏舞台で多く活躍していたことだろう。そういうことなら鴉天狗が来てくれたというのはどうやら間違いではないらしい。
「よろしくお願いいたします。」
物いわぬ鴉天狗に剣を託すと、気づいた時にはすでに空中に飛び立っていたのだが、「お役目ご苦労」とでもいうかのように、ポーンと何かを落として寄越した。
金色の、バレーボールくらいの大きさの球体。
「ありがとうございます。」
これが何を意味しているのか、あの剣がなんだったのか、お礼を言うこと自体果たして合っているものなのか。
ひとつ終わったと思ったらまた謎が返ってくるなんとなくお決まりみたいなパターンで、この球体のこともまったくわからなかったが、私の変な癖も相まって、直感的に子宮にしまう。
まあ、剣が持ち主に戻ったということなのであればよかったってことだよね。
そう思ってお腹をさする。
そのまま顔をあげて鏡の前の自分に向かいあった時、和歌山で見かけた赤いキャミソールの人の存在が脳裏をよぎった。
「あっ………ああーっ!!」
何故だかこのタイミングで、すべてが理解できた。
密かに、“年齢不明性別不明おじさん系お母さん”と名づけていたその人の正体が、大天使ラファエルだということに気がついた。
ラファエルにはどちらかというと、「あなたの学びのためになるならどんな姿で現れることも厭わない」といった気質があるように感じられる。
ミカエルがイメージ商売の型を大切に守る花形マジシャンなら、ラファエルには言ってしまえば、浮浪者でも老婆でも演じる道化師のような性質がある。
今、私が置かれた立場が家族という他者のために自己犠牲を払って生きる存在で、なり振り構わず偽物の男性性を発動させて自分の命を生きていないということを、つまり私自身が「おじさん系お母さん」になってしまっていることを、ラファエルが繰り返し教えに来てくれていたということなのだ。
気がついて、ぽろんぽろんと涙が落ちる。
天ノ川でも思っていたが、いつからか私自身、この世界に迎合して生きるために、男になってただ毎日を「こなす」ことを優先してきてしまっていた。
…みんなそうやって生きているよ…
…みんなと同じレールから外れたら、生きていくことできないよ…
ずっとずっと、そんな見えない呪縛に絡め取られて生きてきたんだ。必死に本当の自分じゃないものになろうと……自分以外の何者かになろうとして生きてきたんだ。
ハイヤーセルフと一緒に不動さんを精査することともうひとつ、本当の自分の本心に正直になるということも、ここにきて促されている。
自分に正直だなんて、どこか後ろめたい感じがして心の奥がガタガタいってる。だけどもう、戻らないってしっかり決めよう。
ラファエルが教えてくれたこと、無駄にしないようにしっかり拾って決意しよう。
鏡の端に、エメラルドグリーンの光がひとつ、瞬いた。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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あとあれだね、ミカは戦隊モノのセンター。
ラファさんは、合法カジノのディーラー。
あきらがラファ気質なんだよ。
ババ抜きとか人狼とか、何も考えていないフリして脳内計算フル稼働でヒツジの皮着て一人勝ち笑
わたしミカエル:
「え?ババ抜き?ゲームなんだから気楽にやって楽しきゃよくない?」
ラファエルなあきら:
「え?ババ抜き?ゲームなんだから頭使って勝たなきゃ意味なくない?」
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