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第97話 菊と桜と蓮の花



 けーことの謎解きが、いよいよ研究者レベルになってきた。

 例えば令和という音は、0と8で表せる。色即是空そのものであり、永遠と刹那を繰り返す勾玉もまた0と8を表していて、それはまたツインレイで言えば“RAY(光線)の和合”とも解釈できる。

 また行く先々でしょっちゅう現れる「松」の字のシンクロは、ものの教えによると「ミロクの世」、アセンションした世界のことだと言われているし、前に見た富士山の、赤と白の龍にまつわる夢の中でも庭に松が生えていた。

 さらに、剣の音を鶴(つる)亀(ぎ)と分解できることがわかると“かごめ歌での統合”まで視野に入れなければならなくなる等、とにかく時間と閃きが必要だった。

 毎日増え続ける膨大な情報量から「これだ」と思う正解を探っていくのはなかなかの業(わざ)で、それこそ「かごめかごめ」とぐるぐる回る目隠し遊びの真ん中に放り出され、そんな当時のけーこと私を振り返ってみても、今でも本当によくやったと思っている。


 そんな中で、次の行き先が決定した。

 このころには、二人でちゃんと話し合ったことなど一度もないのにしっかりと役割分担ができていて、ざっくりけーこが候補地を拾ってから、それを聞いた私が依り代になって、空っぽの状態で判断する。
 ところがこの日は朝からずっと、その行き先探しに難航していた。けーこが「蓮」のワードまで見つけていても、目ぼしい行き先が見つからない。手分けをしながら地図を眺めていたその時、彼女が「あっ!」と突然叫んだ。

「盲点だった!今日、蓮は目的地までの最初のヒントだ。まずはお寺だ!」

 初詣で訪れた、私たちの家から一番近いそのお寺は言われてみれば、確かに名前に蓮が入っていた。そこで、そのお寺の前のコンビニの駐車場まで行って飲み物を買うついでに、その時もう一度意識を合わせて調べてみようということになった。

 蓮のお寺に導かれ、けーこが次に拾ったのは「菊」だった。神奈川を中心に、関東のあちこちに数多く存在する白山神社の中からたった一か所を探し当てるのは、これまた大変なことだった。


 相模原市内にある、白山姫(はくさんひめ)神社。謎多き菊理姫(ククリヒメ)、括りの女神をお迎えしている神社である。

 階段を登って鳥居を潜る(くぐる)と、何の植物の種なのか、高い場所から細かい粒がパラパラと降っていて、ちょっとだけ結婚式のライスシャワーのようだと思った。

 この菊理姫、神話の中では日本書紀にしか登場しない神様で、黄泉の国までイザナミを追いかけていったイザナギに対し、最後に“何か”を一言伝えることで、彼を説得させたとの記述があるのみ。
 一番重要な、いったい何を語ってイザナギのことを納得させたのかということは、結局何もわかっていない。

 けーこの額にパチンと種が当たる。

「ねぇ思い切り当たったー。ひどくない?」と言った彼女に対して、おそらく穏和な女性の声が返ってくると思いきや、聞けば笑いながらそれに応えたのは男神(おがみ)の声だということだった。

「お前たち、思ったよりも早かったな。よくここだとわかった。これからが本格的な門出だよ。」

 今から門出?嘘でしょうと思いながらもお賽銭を入れようとすると、賽銭箱の手前に一体誰が摘んだのか、取ってからまだそんなに時間が経っていないサクラソウが数本、綺麗に列を揃えて並んでいた。

「こんな門出の花向けある?」

 さすがにびっくりして辺りを探してみたけれど、サクラソウなどどこにも咲いている感じはしなかった。 
 手を合わせる前から話しかけてくるあたり、私たちってよほど歓迎されているのねと思いながら向かいの道まで探してみても、とうとうその小さく可憐なピンク色を見つけることはできなかった。




written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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そして例えば、日本という国名には別名がいくつもあって、大和とかはわかるけど、「扶桑」ってもはや何?

また例えば、富士山の山頂も実は八つに分かれてて、最高峰が「剣ヶ峰(けんがみね)」って!よりによってツルギだよ!!

もうね、うちら一体どこまで調べて繋ぎ合わせていかなきゃいけないの??ってなってた。

今回のタイトルである菊と桜も日本の国家そのものだけど、今日の話から繋がる通り、菊理姫と咲耶姫(桜姫)。もっと言うと、不死のククリと富士のサクラ。

(BUMPは藤くん!藤原鎌足は私とけーこの祖先!!)

木花咲耶姫には赤ちゃん(生者)をお祝いする神事があって、一方菊理姫が守る白山を模したものが、死者がおでこにつける三角。(故人が無事に、白山の菊理姫の元から天国へと上がれますように)。

そして、実は富士山に関連して、「松」もここで登場していました!
→57話 記録と記憶

あーもう、パンクするー!
(とはいえこの57話の意味が、だいぶ色々見えてきたでしょ笑)

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←今までのお話はこちら

→第98話はこちら

こんなバナーあったよね笑
今でもベースは一緒だよ↓

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