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不安はどこにある?

空を見上げてその青さに吸い込まれそうになる感覚を
幸せだと思えたからまだわたしは大丈夫だと、確かめた。

不安なとき、ネガティブな情報を集めてしまうのはなぜだろう。
不安なときにすることは、不安を具体的にしてあげて、分かりやすい対処法を用意してあげること。

それなのに、なんとなく自分の不安が本当なのかをたしかめようとして、さらに不安に襲われてしまった。不安なんて目に見えないし、幻かもしれないのに。
わたしには、それらがたしかに存在するものに思えた。

不安。きっとこいつとは永遠に戦っていく運命なのだと思う。
誰もが不安になることがあるのだと思う。どんなに成功して見える人だって。
不安をうまく利用して準備をできれば一番いいけれど、不安に襲われて何もできなくなってしまうことは悲しい。
不安が今を見えなくさせる。今が、目の前を過ぎてゆく。知らないうちに自分から逃げてゆく。

スマホからネガティブな情報を集めていた手を止めて、今を見つめようとふと思い立った。散らかっていた部屋を片付けて、溜まっていた洗い物を綺麗に洗ってから、外の空気を吸いに行った。
空を見上げた。久しぶりに空を見たような気がした。空は、生きていることが美しいことを思い出させてくれる。ふと幸せだと思えた自分に安心した。自分が手元に戻ってくるような、そんな気がして。
不安が実態のないちっぽけなものに思えたんだ。

不安に苛まれて今を捨ててしまいたくはない。
将来は誰にもわからないから、今を誠実に積み重ねることしかできない。
けれども今を生きることが怖い。だから一生懸命過去や未来を分析してみてたりする。
けれどもそんなことをしている間にすぐに人生は終わってしまう気もする。

過去や未来に分散していた気持ちを、今に集中させたとたん、道が拓けていく。そんな気持ちがするの。
今、涼しい風が吹き抜けること、心地よい眠気を感じられること、静かな夜にかすかに聞こえる虫の声を美しいと思えること、全部無視してしまっていたんだ。今はこんなにも生き生きと変化に満ちていることに全然気づいていなかった。

今を生きるって難しいね。過去や未来ばかりを考えてしまうんだもの。
人間って不器用で弱くってとても愛おしい。不安とか頭の中で作り上げて心を痛めるなんて。なんだか笑えてきたりする。

不安を感じてしまうことはきっとやめられない。
不安が浮かんできたときは、その不安に対して今できることを考えればいい。今できることを積み重ねていく以外にできることはない。そう考えればある意味気楽かもしれない。