不可逆あれこれ7 「愛情のサンクコスト」
失ったもの、戻れない時、離れていった何か。
金曜の夜は未練たらしくそんなものを振り返っていきたいと思います。
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「愛情のサンクコスト」
サンクコスト=すでに使われてしまったコスト。回収できないコスト。
通常、例えば投資を続けるか、プロジェクトを継続するか、等の判断の場面でサンクコストについては判断の材料にはしないということになっている。
でも、気分的にはどうしても影響されてしまう。
これだけ使ったんだから、犠牲を払ったんだから、取り戻したい。
そんな気持ちで続けてしまう。やめられない。
そんな、人間の心理。
同様に、愛情も、相手にすでにかけてしまったものを取り戻そうとしてしまうことがある。
何かで読んだ出どころ不明の理論では、人は自分が尽くした分だけ、相手を大切に思うようになるとのこと。
強調したいのは、相手が自分に尽くしてくれた分ではなくて、自分が尽くした分に連動して思いが強くなる傾向があるというところ。
これだと、明らかに独りよがりの執着が生まれる仕組みになってしまっている。
取り戻せるはずもない、返してもらう義理もない愛情や貢物を、せっせと渡し続けて、いつかなぜ返してくれないんだ、と嘆くことになる。
サンクコストの考え方と同じで、回収できないものは判断の材料にするべきではないのに、こんなに愛したんだから愛してくれるはず、と諦めきれない。
恋愛において、相手が返してくれる愛ではなくて、誰かを一生懸命愛すること、大切にすること、わかりあおう、歩み寄ろうとすることが出来たこと、そんな風にできた自分こそが価値である、と思えるといいんだけど。
与えてしまったもの、失ったものについつい意識が向いてしまう。
悲しい人間の性質。
そんな切なさを、噛み締めてみたりします。
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