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小説『秘密の花園』

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秘密の花園 改訂版 第二話

秘密の花園 改訂版 第二話

 化け物がいる。トリはそう思った。身体を少しも動かすことができずに、鳩の姿をした老人の鋭く鈍い視線を浴びたあとには意識さえ遠のいていくように感じた。
 グッと力を入れ握りしめたトリの手のひらから血が滴り落ちていく。爪は尖り、肉に食い込み、それはまるで目の前にいる老人の羽の生えた皺だらけの手と同じように見えた。
 トリは手紙を握りしめたまま身動きが取れなくなり、その場に立ち尽くしていた。身体は次第に

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秘密の花園 改訂版 第一話 

秘密の花園 改訂版 第一話 

 満月の夜。
 少女は艶のあるチーク材で作られた机の引き出しの中から、一通の手紙を取り出した。黄ばんだ色をしたその手紙は月の明かりに照らされ、より一層不気味さを増している。

 宛先に書かれている住所に見覚えはなく、少女は不安に思いながらも出かける準備をした。

 「宵町月乃一丁目?」

 しばらくすると黒い雲が月を覆い、雨が降り出してきた。
 少女は傘も持たずに、宛先の住所を調べるため郵便局へと

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