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[記事紹介] プロダクト外でも課題解決を。4年間のPdMを経て、BizDevへの挑戦と苦悩。| 金愛理沙 (メルロジ)

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ー [#2]メルカリの物流・配送最適化に挑むために設立されたメルロジでBizDevを務める金さんに、PdMからBizDevのキャリアやメルロジの現在・今後について伺いました。

DEEP DIVEは、Medyを開発する浅香がプロダクト開発に関わる方に「デジタル化」「ユーザーインタビュー・検証」「事業ドメイン特有のハードル」等の特定テーマを軸に、自社・ご自身の領域や取り組みについて掘り下げていく企画です。

今回は、先日新たに設立されたメルカリの新子会社メルロジでBizDevを務める金さんにお話を伺いました。

新卒で入社したメルカリでPdMの経験を4年積み、現在はBizDevを務める金さんに、キャリアの推移、なぜキャリアチェンジをしたのか、PdM→BizDevというキャリアトレンド等、お話いただきました。

※本記事ではProduct ManagerをPdM, Business DevelopmentをBizDevと表記しております。


Profile

金愛理沙 (@kimchanbbq)
株式会社メルロジ Business Development

メルカリに新卒入社。プロダクトマネージャーとしてメルカリ姉妹アプリやメルカリ越境プロジェクトの立ち上げを経験。2021年7月Bizdevへ転向し、現職に至る。



新たに設立されたメルロジ

メルロジは2021年10月末に、メルカリの子会社として新たに設立されました。

2013年7月に提供を開始したメルカリは、2021年9月にはMAUが2,000万人を突破、累計出品数が20億品の規模になっています。

一方で、取引総額や利用者増大につれて、連携しているパートナー様を含め、配送網への負担が大きくなっていることも事実です。

日本全体の年間宅配便取扱個数50億個※3のうち5%から10%※4を「メルカリ」の荷物が占めるほか、コンビニ発送のうち約80%※5が「メルカリ」の出品物の発送になる

(多くの発送をメルカリが占める構図となっている)

そういった背景から、自社保有のお客様とのタッチポイントを基盤に、データやテクノロジーを使い新たな集荷物流網を築いていくのがメルロジです。

配送網を自社に置き換えたい・コストを下げたいといったような単純な話でなく、「多様な価値をつなぎ、やさしい生活を創る」というミッションを掲げ、ステークホルダー(利用者・パートナー・配送者)や環境にやさしい物流を目指し設立しました。


(メルロジが担う価値のイメージ図)


通常のECのような、事業者やメーカーが注文者に商品を届ける方式と違い、メルカリはC2Cという性質上、お客様(出品者)がお客様(購入者)に商品を届ける形となります。

そのため、配送に関する負担や手間もお客様(出品者)にかかってしまうため、配送に関連する体験に関して、付加価値をしっかり作っていくことを重視していることが特徴です。

自分自身はメルカリポスト(セルフで発送できる無人投函ボックス)の認知度向上のためのPMM(*)的な働きと、実証実験中の梱包レス発送の立ち上げを担当しています。

(*) PMM:ProductMarketingManagerのこと。 参考:メルカリにおけるPMMの事例

新卒入社直前で外資系企業のマーケターからメルカリPdMに

就活では外資系化粧品メーカーのマーケターとして内定をもらい、キャリアを開始するつもりでした。

一方で、大企業に勤める兄と姉から仕事の話を聞いていたこともあり、違った性質をもつスタートアップ・ベンチャーにも興味がありました。

そういった背景から、留学から帰ってきて卒業から新卒入社までの半年間で、実際にスタートアップで働こうと思い立ち、ブランド品オークションや越境ECを手掛けていたザワットにインターンとして入社をしました。

働いていたザワットが2017年2月にメルカリに買収されたことをきっかけに実際にメルカリに働くことになるのですが、バリュー・カルチャーの気持ち良さや一緒に働くメンバーに魅力を感じ、2017年3月という内定企業への入社直前にメルカリに新卒入社することを決めました。

当時はプロダクトマネージャーという職種について分からないことも多かったのですが、自分自身の企画やアイデアを世の中に出していくことや、将来的な事業立ち上げに興味があったので、良い意思決定だったと感じています。

当時のことは、こちらの記事でも触れていただいています。


ァッションカテゴリの担当と越境ECへの挑戦

入社してから、基本的には0→1で立ち上げるプロジェクトとファッションカテゴリに携わることが多かったと思います。

新卒である1年目(2017年)はグループ会社ソウゾウで、メルカリ メゾンズという査定機能付きのブランド品専用フリマアプリの立ち上げに従事。

2年目(2018年)はメルカリで、ファッションカテゴリのGMV(*)をグロースさせるチームでPMMや、アプリにおける購入・出品体験の改善でサービスグロースを担うPdMの役割を担当しました。

(*) GMV = Gross Merchandise Value, 流通取引総高のこと。

この頃から、一通り機能を0からリリースしていくことにも慣れてきたので、新たな挑戦をしたいと考えるようになりました。

上記の背景から、3年目(2019年)は越境ECを立ち上げるプロジェクトに参画しています。

もちろんPdMのような開発マネジメントもありましたが、従来のメルカリと違う性質の取引が生まれるため、リーガル・コンプライアンスの調整、Buyeeさんというパートナーとの調整など、BizDevやPjM(=プロジェクトマネージャー)的な役割も多く担当しました。

(2019年11月に開始したメルカリの越境販売機能)

4年目(2020年)には越境ECのプロジェクトが一旦落ち着いたため、再度ファッションカテゴリのGMVをグロースさせる役割になりました。開発・パートナーとの提携等、様々な切り口から取り組むことが出来たのかなと思っています。

コーディネートから商品を探せる機能などをアプリ内に入れるなど、新たな取り組みを模索していきました。

こちらのプロジェクトでは、途中からマネージャーも兼任することになったのですが、成功だけでなく多くの挫折を味わい、今回のBizDevへのキャリアチェンジを考えたきっかけにもなっています。

5年目でのBizDevへのキャリアチェンジ

4年目にマネージャーになった際に、マネージャーとして求められる期待値とミッションであるGMVをグロースさせる期待値の両立に、自分がうまく対応できないのではないかという思いがありました。

振り返ってみると、お世話になったマネージャーや憧れていたマネージャーは、価値のある仕事を自ら生み出せる方だったように感じます。

一方で、自分は全く役割が担えなかったと思っています。

担当していたファッションカテゴリは、メルカリの中でも3~4割を占める影響力が大きいカテゴリです。

そういった巨大なカテゴリにも関わらず、ファッションアイテムを買う体験が良くないことは社内でも頻繁に声があがっていました。

たとえば

  • お店での購入はテイストごとに分かれているが、メルカリは雑多にリスティングされてしまっている

  • サイズやフィッティングが想像できない

  • SKU(*)の概念がないため、同一商品から色違いやサイズ違いを探せない

など、多数の課題を抱えています。

(*)SKU = Stock Keeping Unit, 小売に置いて在庫管理をする際に、最小の品目数として計算する単位のこと。同一商品であっても、色・サイズ・材質・値段等が違えば、別のSKUとなる。

担当していた頃は、連日連夜どうしたら良い体験を提供し、結果としてGMVを伸ばすことができるかを考えていました。結果として、幾つかの機能リリースによりGMVを微増できたものの、最後まで抜本的にお客様体験が生まれ変わる施策を世の中に出すことはできませんでした。

当時は焦っていたこともあり気づくことができなかったのですが、振り返ってみたりフィードバックをもらったりする中で、プロダクトのみで解決できるソリューションを探していたということが大きな要因だったのではないかと思い至るようになりました。

メルカリ自体、既に7年間をかけて開発・改善を繰り返している状態でしたし、インターネットでの購入体験を考えると、返品や物流などサービス外にも多くの体験が染み出しています。

その中で自分は、今あるアセット × 社内リソースでできそうなことに、視点が閉じてしまっていたのかなと思います。

こういった挫折や反省から

  • ソリューションの幅を社外・機能以外まで広げて社会実装できる

  • 自分で価値ある仕事を生み出す

ことが重要だと思い、BizDevといった職種にキャリアを広げることを考えるようになりました。

BizDevとしての3ヶ月 - 発見や苦悩

初めてのことだったので、はじめは不安も多くありました。

メルカリ以外の会社の事例は知らなかったですし、社内で機能開発を中心に取り組んでいたため、BizDevとしてどう振る舞うべきなのかを迷っていまし
た。

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