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DNX Ventures 倉林陽氏が語る、”ポジティブサプライズ”で常識を打破し、病院経営のDXをSaaSで実現する「MedUp」の魅力とは?

“病院経営の非効率”をデータドリブンで解決する「MedUp」は、2021年8月31日にシリーズAで6億円の資金調達を実施いたしました。
 このたびの資金調達では、既存株主の「DNX Ventures」をリード投資家とし、新たに前田ヒロさんが率いる「ALL STAR SAAS FUND」に参画いただき、シード、プレシリーズAのリード投資家であった「モバイル・インターネットキャピタル」にも引き続き、出資をいただきました。

 このnoteでは、プレシリーズAから、MedUpの成長に並走していただいているDNX Venturesの倉林陽さんとMedUpの柳内の対談をお届けします。「なぜ、MedUpに出資を決めたのか?」「医療分野のスタートアップの可能性は?」や「経営者としての柳内は?」「MedUpで働く魅力は?」等々、ここでしか語られないBtoB SaaSのさまざまな会社を見てきた倉林さんの視点からの深いお話をいただきました。

MedUpへの出資は“事業ドリブン”ではなく、”経営者ドリブン”

---まず、倉林さんと柳内さんの出会いを教えてください。
倉林:
 僕と柳内さんの出会いは、柳内さんの前職であるモバイル・インターネットキャピタル時代ですね。同じ投資先の案件でご一緒していました。
当時、我々も思っていたんですけど、柳内さんの上司も「非常に頭がいい人です」と言われていて、本当にその通りだなと。
 そして、モバイル・インターネットキャピタルを卒業しますということで、前回のプレシリーズAの調達ラウンドでお声掛けいただきました。
 僕らとしては、もともとよく知っている人だし、”事業ドリブン”というよりは、”経営者ドリブン”で、ぜひ、出資させていただきたいというお話になりました。でも、実はMedUpは、ポジティブサプライズの連続の会社だったんですよ。

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MedUpは、「VC出身の経営者がうまくいかない」のジンクスを裏切るポジティブサプライズを生み出す

---「ポジティブサプライズ」とは、具体的にどのようなことなのでしょうか?

倉林:
 日本だけではなくて、シリコンバレーでも、「ベンチャーキャピタルから起業家になる人は、だいたいうまくいかない」と言われてるんです。経営者なので、当たり前のことですけど、企業カルチャーを作ったり、人と向き合ったりっていうことをものすごくやらなきゃいけない。プロフェッショナルファームの人材と、経営者とでは、全く異なるスキルが必要になるんです。
 海外のVC「DCM」中国の共同設立者兼ジェネラルパートナーであり、アントレプレナー&VCであるハースト・リンは、「起業家は、課題解決が”オペレーション”・”エグゼキューション”で、あるということがわかっている。しかし、VCから経営者になる人は、課題解決が全部”ストラテジー”だと思ってしまう。自分のやり方や方向性が違うじゃないか?ばかりに囚われてしまう」とVCから経営者になる人との違いをこのように話していました。
 実は、プレシリーズAで出資をさせていただいたときに、柳内さんに、これらの能力が備わっているのか、わからなかったんですね。
 ただ、気がつくと、社員も増えていくし、僕らの別の投資先のエース級社員が、転職を決めたりと順調に成長していったんです。しかも、そのエース社員は、かなり慰留もされながらも、転職時には応援される愛される人物なんです。そのような人たちが集まっている会社になっていったのを見ていて、「柳内さん、起業側もいけるのね(笑)」と。経営者としての努力をしっかりとして、結果にも結びついているのが素晴らしいと思います。

柳内:
 確かに僕も、創業時から出資をいただいているREAPRA VENTURESの諸藤さんに会うまでは、ストラテジーで勝つというイメージを持っていた記憶があります。諸藤さんから、「ストラテジーではなく、オペレーショナルエクセレンスの文化が最も強い模倣困難性で、それが根付けば勝てる。そこで、まず、自分で手を動かして、オペレーショナルエクセレンスを獲得するべき」というアドバイスをいただいたんです。
 プロフェッショナルファームの人間って、営業のようなたくさん数を打って数個だけ成功するようなオペレーションが苦手な人が多いんですよね。僕は当初はテレアポもやって、商談も数百件はしているので、その経験から、うまくマインドチェンジできていると思います。また、僕自身が、もともと、学ぶことが好きなので、オペレーションが強い人たちに会いに行って、特に0→1はストラテジーよりも絶対にオペレーションだよな、というマインドで突き進めたのは大きいですね。

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バーティカルSaaSの主戦場「ヘルスケア」のメインプレイヤーへ。

---次に事業としてのMedUpの魅力についてはどのようにみていますか?
倉林:
 もともと、グローバルの市場において、大きな展開をしているバーティカルSaaSは「ヘルスケア」分野が主戦場です。日本においては、ホリゾンタルSaaSよりも、バーティカルSaaSの存在感が大きい中で、この分野のメインプレーヤーが、まだいなかったところに、MedUpが誕生して、着実に成長してきていること。そして、このコロナ禍という大変な環境下でも、名だたる大病院の方々に受け入れていただいてるというところに、大きな可能性を感じています。

 アメリカを見ると、バーティカルSaaSで大きな市場を展開している分野は限られていて、「建設」や「ヘルスケア」、「金融」のみです。日本のSaaSスタートアップ企業で見ると、ヘルスケアの分野でのビッグプレイヤーがまだ誕生していないため、この分野はぜひ、追いかけたいと思っていました。
 先ほど、柳内さんの人としての魅力に投資したとお話ししましたが、MedUpの事業領域である、病院経営は本流ですよね。また、柳内さんは、前職から、ヘルスケアの業界に携われていて、ストーリーもお持ちなので、ファウンダーマーケティングフィットがしっかりとできている経営者というのも大きいですね。
 残念なことに、コロナ禍という環境では、MedUpのお客様である病院が大変な状況に陥っています。そんな状況下でも、MedUpは、しっかりと受注をしていただいていますよね。本質的には、コロナ患者が増えている中で、さらに”効率化”ということが、病院に求められていて、先生たちが働きやすいプラットフォームにしていくことが求められています。コロナ禍で、病院が抱えるペインが顕在化したという側面があり、MedUpがより求められてくるような状況になっていると思います。

柳内:
 起業する際に、大きなインパクトを起こすのであれば、「ヘルスケア」や「建設」などを、まずは注目するのですが、僕自身、前職で医療分野への投資経験があったこともそうですが、親族に医療従事者がいることや自分自身が生命科学系の大学院で研究をしていたこともあり、医療の分野がフィットしていたと思います。

倉林:
 バーティカルSaaSって面白くて、SaaSだけではない事業展開をする”フェーズ2”があるんですよね。MedUpが病院経営のDXで、市場を拡大した後に、蓄積したデータで、どういうビジネスを展開していくかというのも楽しみですよね。

柳内:
 そうですね、病院のデータを豊富に持っているというのは、業界の中でも、相当珍しいと思います。まずは、foro CRM事業でマーケットリーダーになり、病院経営のDXで市場を拡大していくのが先決ですが、長期的にはデータを集めていくことで見つかるビジョンもあって、こんな新しい事業もできるんだろうなという可能性も生まれてくると思います。

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“社会”や”貢献”に想いを馳せる人が機会を得られる

---働く場所としてのMedUpの魅力はどのようなところにあると思いますか?

倉林:
 MedUpって、今この時点で、日本の病院経営をお手伝いするというのは、大きな魅力ですよね。みんながやりたがるだろうな、というプロジェクトだと思うんです。特に”社会”や”貢献”というキーワードに思いを馳せる方が集まるんだろうなと。MedUpに関しては、キラキラしている素敵な経営陣が、やっている会社というイメージがあります。
 柳内さんは、一人一人の多分社員と向き合ってアドバイスして、というタイプの経営者なんじゃないかなと思っています。僕が取締役会でお会いする社員の方も、本当にすごく穏やかで、優しそうで、熱意があって、という方が多い印象です。
 MedUpをご紹介した方々で、ご入社はされなかった方でも、みんなMedUpおよび柳内さんにポジティブっていうのが、面白いですね。

柳内:
 確かに、ご紹介いただいて、結果的に他の会社に入社された方からも、仕事上のご相談を受けてたりしますね(笑)。
 僕は、バーティカルSaaSとホリゾンタルSaaSでは、組織の作り方が違うんだろうなと思っていて、MedUpは、それに合わせられた経営スタイルにしています。
バーティカルSaaSって、そこそこ複雑なもので、CEOがトップダウンで決めて、というのはできません。だから、優秀なマネージャーやリーダーが育ってくれないといけないので、いかに権限委譲をして育てるか、という視点になっているから、今の経営スタイルになっているんだと思います。現場で普段、お客様に接しているマネージャーやリーダーたちが、自律的にどんどんビジョンを達成していってくれる状態を目指したいですね。

倉林:
そういう意味では、自分の実力を高めたい人であれば、面白いし、機会があるのかもしれませんね。

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MedUpで、働く仲間を募集しています!

 MedUpは、創業から、VCのみなさまや病院関係者のみなさまと一緒に歩み続け、着実に成長を続けてきました。現在展開中のプロダクト「foro CRM」は、PMFを終え、病院経営のDX推進と持続可能な病院経営の実現に向けて、新たなフェーズに入りました。このたびのシリーズAの資金調達を経て、さらに大きなチャレンジに挑んでいきます。
 MedUpでは、ヘルスケア領域におけるバーティカルSaaSのビッグプレイヤーへの成長に向けて、人材採用を積極的に行っています。多くのBtoB SaaS企業や経営者と深く関わってきたVCの視点から、「ポジティブサプライズの連続」と評されるMedUpで、一緒に挑戦をしたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひ、お気軽にご連絡ください。

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