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【実施報告・アンケート結果】2022/03/18(金)勉強会

3月18日(金)に開催された第2回勉強会についてご報告します!

 ■勉強会について

<概要>
イベント名:第2回 医師と患者さんのコミュニケーションに関する勉強会
実施日時:2022年3月18日(金)19:00-21:00
講師:松本光史先生(兵庫県立がんセンター 腫瘍内科 科長)
参加者:医学生(11名)、患者さん、ご遺族・ご家族(5名)
運営:医学生スタッフ(6名)

<プログラム>
19:00〜 導入・松本先生によるレクチャー、質疑応答
20:00〜 グループワーク(参加者によるディスカッション、内容の共有)
20:45~ 松本先生からのフィードバック
21:00頃 終了
21:10~ 懇親会(自由参加)

<勉強会の内容>
冒頭、本勉強会の発起人である運営の遠藤(金沢大学)より、ご挨拶と勉強会の趣旨やルールに関する説明をお伝えしました。(勉強会の開催の根本になった思いや詳しい開催への思いについては、こちらをご参照ください。)

続いて、講師の松本先生より、「セカンドオピニオンでの経験をもとに考える、がん診療での患者さんと医療者の信頼関係/コミュニケーション」について、レクチャーをしていただきました。「そもそもセカンドオピニオンとは?」に始まった本レクチャーでは、松本先生自身のご経験に基づくセカンドオピニオンの実際や、SPIKES・SHAREといった医療現場における実践的なコミュニケーション技術にいたるまで、初学者にも分かりやすくご解説いただきました。レクチャー後には参加学生より時間いっぱいまで多くの質問が寄せられ、質疑応答含め、我々運営チームにとっても大変実りのある時間となりました。

レクチャー後には、参加学生と患者さんのご遺族・ご家族を交えたグループディスカッションが行われました。グループディスカッションでは、セカンドオピニオンに関する仮想の事例について「あなた(参加学生)が医師だったら患者さんにどう声をかけるか?」を学生間で話し合い、その内容についてご遺族・ご家族の方からフィードバックを頂きました。前回に引き続き、グループディスカッションでは患者さんのご家族より生の声を伺うことができ、講義では学べない多くの気付きを与えていただきました。

今回の勉強会でも、全国の大学から集まっていただいた医学生と、様々な背景を持つ患者さんご家族との間で、リアルで濃密な意見交換が行われました。前回の勉強会に引き続きご参加いただいた学生が多く見られたのも嬉しい限りです。 

■学生のアンケート結果

参加した11名の学生のうち、8名からご回答をいただきました。

学年

図1


松本先生のレクチャーを受けて新たに気づいたこと、今まで知らなかったこと(抜粋)

● セカンドオピニオン自体についての理解が不足していたので、概要を知ることができ勉強になった。
● 「まごころの我流より心のこもっていない型の方がベター」というお話はぐさっと来ました。系統講義であつかったSPIKESやSHAREなどについてもあらためて勉強し直してみようと思います。
● セカンドオピニオンの定義、cold readingなどのスキルや傾聴トレーニングの具体的なとっかかりを知ることができた。

グループディスカッションの感想

図2

全ての回答者から「良かった」又は「まあまあ良かった」との回答を頂きました。

グループディスカッションの感想(良かった理由)(抜粋)
● 患者さんやそのご家族側のお気持ちを聞くことができたから。また、着眼点や重要点に関して、適宜学生に問いを投げかけてくださり、自分自身の考えを深めることもできたから。
● ファシリテーターの方が笑顔で回してくださり、安心して意見を言うことが出来たからです。
● これだけ患者さんやご家族と濃密にお話する機会は得難いので大変いい機会をいただきました。

患者さんとのコミュニケーションへの関心は高まったか?

図3

全員が患者さんとのコミュニケーションへの関心が高まったと回答しました!

■松本先生への質問とご回答

参加後アンケート内で「松本先生に追加で伺いたいことがあれば記入してください」との項目に記入して頂いた内容について、松本先生よりご回答を頂きましたのでこの場で共有いたします。

Q.SPIKESやSHAREについて成書をあたるようにというお話でしたが、おすすめなどがあれば知りたかったです。

A.ご質問ありがとうございます。本ですが、以下はどうでしょうか。
1) 『真実を伝える―コミュニケーション技術と精神的援助の指針』
2)『がん医療におけるコミュニケーション・スキル―悪い知らせをどう伝えるか』
3)『続・がん医療におけるコミュニケーション・スキル』

■患者さんから学生へのメッセージ

勉強会終了後、参加された患者さん・ご遺族・ご家族にも事後アンケートにご回答いただきました。そのアンケートの中で当勉強会に参加した学生へのメッセージを頂戴しましたので、ご紹介いたします。お忙しい中で、コメントやメッセージをくださり、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

1)「医師と患者の間のコミュニケーション・ギャップ」は、完全に解消することはできませんが、それでも少し縮めるだけでお互いの幸福度が大きく改善することがあります。私自身の事業の中核概念である「納得の医療を創る」ための最重要の要素でもありまして、医学生の皆さんが、ここに注目されて自主的に大学横断でこれだけの活動をされているのを知り、大変驚いたと共に、感銘を受けました
がんに限らず、「こんなコミュニケーション・ギャップが存在していたのを、ちょっと変えるとこんなことが起きる」というようなネタはいくつもありますので、これからも継続的にサポートさせていただけたら嬉しいです

2)患者さんとのコミュニケーションは臨床医にとっては基本中の基本ですし、技術として学ぶことができるものです。でも、治療薬や手技と違ってきちんと学ばないままでも表向きはどうにかなってしまうものでもあります。そんな医師に対して、患者さんや家族さんたちはきっと言うに言えない言葉を飲み込んで我慢しているのかもしれない…。逆にコミュニケーションのスキルとしていろんな引き出しをたくさん持っていると、医師自身も厳しい診療の場面で追い詰められなくなる、自分自身を守れるという側面もあると思っています。皆さんは学生のうちからコミュニケーションの大切さに気づいて学ぼうとしていて、本当に素晴らしいですし、臨床現場へ出る前にそういった機会があることが羨ましく感じます。これからさらに裾野を広げていってもらいたいなと思います。皆さんがコミュニケーションの大切さを知っている医師として活躍する未来を楽しみにしています。

3)これから医療に携わる方々が、このように誠実に考える姿勢は素晴らしいと思います。結論に落とし込むより、一人一人が感じたことを流さないことが力になるように思いました。
参加の機会をいただき、ありがとうございました。

いただいたメッセージは以上になります。改めまして、コメントをくださりありがとうございました。運営スタッフとしても、次回以降の勉強会を開催する大きなモチベーションになります!
今後も定期的に勉強会を続けて参りますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。