見出し画像

【実施報告とアンケート結果】2023/2/20(月)交流会

第2回交流会についてご報告します!

■交流会について

<開催の趣旨>

当団体では、今までとくに医療職の立場から、患者さんと医療者間のコミュニケーションについての勉強会を行ってきました。その中で、「患者さんの声にもっと焦点を当てて聞きたい」というご意見が多く寄せられたことから、患者さん・ご遺族・ご家族と対話できる場として、本交流会を開催するに至りました。
具体的には、「医療系の学生に患者さんの思いや背景を知ってもらうこと」を目的とし、参加者ができるだけ気軽に、でも真剣に対話に参加できるよう、小人数で1時間程度のプログラムとしております。

<概要>

イベント名:第2回 医療者と患者さんのコミュニケーションを考える交流会
実施日時:2023年2月20日(月)20:00-21:00
ゲスト:宿野部 武志さん(一般社団法人 ピーペック 代表理事)
参加者:医学科・薬学科学生(5名)
運営:学生スタッフ(4名)

<プログラム>

20:00〜 導入・参加者の自己紹介
20:10〜 宿野部さんによる話題提供
20:30~ 意見交換・懇親会
21:00  終了

<勉強会の内容・実施報告>

冒頭、運営より挨拶、交流会のルールに関する説明、会の趣旨についてお伝えしました。
発起人である遠藤(金沢大学)が、当団体を立ち上げるに至った経緯については、以下をご参照ください。

続いて、ゲストの宿野部 武志さんより、『透析を通じて感じた医療者とのコミュニケーションについて』をテーマに、話題提供をしていただきました。
宿野部さんは、一般社団法人 ピーペックの代表理事として、また透析を受ける当事者として、病気を持つ方が「病気があっても大丈夫」と言える社会にしていくことを目指して幅広く活動されています。ピーペックの事業につきましては、以下を是非御覧ください。

宿野部さんは18歳で慢性腎不全により透析導入となり、その後腎臓がんにより左腎臓を摘出されております。そのご経験を元に、患者がどのような心理状態にあり、医療者とのコミュニケーションのズレにどのような背景があるのかについてお話しいただきました。
宿野部さんの「自身の命をつなぐ透析の時間と、生きがいとしての仕事の時間のバランスをどう取るか」という気持ちについて、医療者にどのように伝えるか、また医療者はどうすれば患者の気持ちを汲み取れるかという両者の視点から語ってくださり、参加した皆さんも考えさせられたのではないでしょうか。

話題提供の後には、宿野部さんと自由に会話できる交流・懇親会を実施しました。
交流会の中では、患者が大事にしている価値観を、医療者が見落としてしまうことがあるのはなぜかという、まさにコミュニケーションギャップの点について数多くの質問が挙げられました。今この瞬間に情熱を注ぐことがある患者にとって、透析を1時間延長することがどのような意味を持つのか、宿野部さんの声を聞くことができた瞬間だったかと思います。
また、「18歳で透析導入となったとき、どのように向き合っていったのか」という問いかけに、宿野部さんから「怖くて調べることができなかった」との返答がありました。
医療者は、未成年の患者とどのように治療方針を決めていくべきなのか。また患者側には、「相談したいことがあるが、モンスターペイシェントと思われたくない」といった複雑な気持ちがあるかもしれないなど、気付かされることが数多くありました。信頼関係の構築という点において、参加者全員で理解を深めることができたように思います。

第1回に引き続き、ご参加いただいた皆様の活発な議論のお陰で、非常に有意義な会となりました。
引き続き、患者さんの思いを聞くことができる場をつくっていく予定ですので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

改めまして、宿野部 武志さん、貴重な交流の機会をありがとうございました。

■実施後アンケート結果

<参加学生の学年>

<宿野部さんの話題提供に対する感想>

  • 実際の例を交えながら、コミュニケーションエラーについてお話しいただき、非常にわかりやすかったです。

  • 透析患者さんの生活状況や透析に対する考えを具体的に知ることができて勉強になりました。

  • 宿野部さんご自身の経験も医療者に考えてほしいことも詳しく知ることができた。

  • ちょうど良い時間の中で、ゲストの背景や疾患について、そして患者サイドの問いかけもありまとまっていてわかりやすかった。

<交流会に対する感想>

  • 質問の機会があったのがよかったです。

  • 他の方の質問から、医師とのコミュニケーションを取る大切さや難しさを再考することができた。

  • 参加者の色んな質問に快く答えて下さってありがたかった。

  • レクチャーから更に深い話を聞くことができ、他の参加者の視点や考えを聞く時間でもあり有意義でした!

■ゲストの宿野部さんから学生へのメッセージ

参加された学生の皆様からの感想を受けて、ゲストの宿野部さんからメッセージを頂戴しました。是非ご覧ください。

皆さまの大変熱心な姿勢に、未来の医療への明るい希望を見た気持ちになりました。私も病気をもつ立場から微力ながら共に医療を創っていきたいと思います。
病気をもつ方と接する際には、『病気with〇〇さん」という視点だけではなく、『〇〇さんwith病気』という視点も持って関わっていただけたら嬉しいです。ありがとうございました!

■最後に

次回以降もイベント開催を予定しておりますので、是非お気軽にご参加ください!
またよろしければ、是非Twitter(@medstudent_comm)のフォローや記事へのいいね、シェアなどして頂ければ幸いです。