見出し画像

毎日の暮らしに取り入れたいマインドフルネス意識【禅僧ティク・ナット・ハンの9つの教え】

ほとんどの人は、避けられない状況や難しい対人関係に出会うと、呼吸さえできないような激しい感情を、体験するのです。

「どうしてまた○○が起きたの?」と、

つい怒ったり悲しんだりしてしまいます。

しかし、本当に何かが起きるたびに、激しい感情を経験しなければいけませんか?

今日の記事では、平和運動を何十年も行ってきた禅僧、ティク・ナット・ハンの教えているマインドフルネス意識で、落ち着いた毎日、簡単に取り入れられる方法9つを紹介していきます。

画像1

この記事はティク・ナット・ハン著の『Peace is Every Step: The Path of Mindfulness in Everyday Life』(本の紹介は記事の最後の部分になります)を参考にしました。困難な時期に使えるマインドフルネス瞑想より、直接的に意識してこなせて行けるスピリチュアルな真実です。

**この記事はブログYutaka-spirit.comで公開したもので、読みやすさを求める場合、Yutaka-spirit.comを見てください。

#1. 無意識のパターンから抜け出す方法を見つけること

私たちは、より良い未来を望み、夢を実現するために全力を尽くして人生を歩んでいます。そして時には、その過程で健康を損ねたり、知らず知らずのうちに周りの人を不幸にしてしまうこともあります。

つまり、私たちは「やる」「達成する」という名のもとに、多くの犠牲を払っているのです。ティク・ナット・ハンは、必要なものはすべて自分の中にあると考えて、より良いものがやってくるのを待つべきではないと教えています。

その代わりに、座って夕日を楽しんだり、公園を散歩したり、朝、心をこめて朝食を食べるなど、小さなことに意識を向けて、旅を楽しむべきだと教えています。

これは、今の大切さを満喫するということですね。

未来への希望に執着すると、今この瞬間にエネルギーと能力を集中させることはできません。

私たちは希望を使って、将来何か良いことが起こると信じ、平和にたどり着けると信じている時、この瞬間から目をそらしてしまうのです。

希望を持たないようにして、今この瞬間に完全に身を置くことができれば、一つ一つの瞬間は喜びにあふれたものに気づくことができます。

#2. 一日の始まりをスムーズにする方法を学ぶ

 朝、目が覚めて最初に思うことは何でしょうか?すぐに手元にある携帯に触ろうとしていませんか?

少しの焦りとストレスを感じて通知を確認し、その日にしなければならないことを頭の中でリハーサルし始めますますよね。

これだから、一日が始まる前に終わってしまうのです。時間が経つにつれ、私たちはこのサイクルを何度も繰り返すことになります。習慣化されると、毎日は退屈で刺激のないものになってしまいます。

ここで、ティク・ナット・ハンは、「笑顔で目覚め、身の回りの生活の豊かさを体験しなさい」と教えているのです。

目覚めたときに笑顔をするように、どうすればよいのでしょうか?ベッドの横に元気になる言葉を飾ったり、綺麗なお花を置いたりするのは、心を軽くするのではありませんか?

笑顔があれば、一日をやさしく、出来事を受け入れられるように過ごすことができます。

画像2

#3. 不安な心を落ち着かせるためにシンプルなテクニックを使う

些細なことでも考えすぎてしまうとどうなるでしょうか。優柔不断になり、可能性の低い結果に注目し、間違った選択を正当化するために言い訳を探し始めます。

そこでティク・ナット・ハンは、意識的な呼吸法を実践することを勧めています。息を吸ったり吐いたりしながら、自分自身に「イン」「アウト」と言い聞かせるのです。

この方法は、ゆっくりとしたペースで、心を呼吸に集中させることができます。

意識的な呼吸法によると、息を吸って吐いているときには思考が停止します。なぜなら、「イン」と「アウト」という言葉は思考ではなく、呼吸に集中するための言葉に過ぎないからです。つまり、これは心を落ち着かせるマントラなのです。

この呼吸法を数分間続けると、かなりリフレッシュされます。自分を取り戻し、今この瞬間にある美しいものが見えるようになるのです。

過去は過ぎ去り、未来はまだ来ていない、今はすべてです。

#4. 気晴らしを上手に使う 

私たちは、気が散るものに満ちた世界に住んでいます。その中で最も多いのが、いつも持ち歩いているスマホです。

最近の研究によると、人は1日に平均50〜75回スマートフォンをチェックしているそうです。

かなりがっかりさせられる数字ですよね。

スマホを捨てるわけにはいかないし、どうすればよいでしょうか?実は、気を散らさずに、意識してスマホを使うことはできます。

携帯電話からの通知を受け取るたびに、3秒(電話の場合は3回の呼び出し音)待ってから反応し、その時間を使って自分が何をしているのかを意識するのです。そうすると、自動的な反応をするよりも、意識して行動をこなすことができるようになります。

次に電話が鳴ったら、その場に留まり、意識して息を吸い、微笑みかけて、唱えてみましょう:「聞いているよ、この素晴らしい音が、私を本当の自分に戻してくれる」。

3回目の電話が鳴ったら、呼吸と微笑みの練習を続けながら、ゆっくりとボタンを押しましょう。

あなたはあなた自身のマスターです。

画像3

#5. 感情という川

その場の雰囲気に流されて、感情や負の感情に任せて行動してしまうような場面はたくさんあります。思いやりのない発言に過剰に反応して、傷つくようなことを言ってしまったことは誰にでもあるでしょう。

このような反応は自動的に起こるもので、コントロールするのは難しいです。ティク・ナット・ハンは、感情から自由を得るために、感情のことを川だと捉えて説明しています。

感情の川には、一滴一滴の水が異なる感情であり、それぞれの感情が他のすべての感情に依存して存在しています。自分の感情という川を観察するには、その隣に座って、それぞれの感情が表面に現れ、流れて、消えていくのを見つめていけばよいのです。

#6. 正しい質問をすること 

どんな問題でも、根本的な原因を見つけて解決策を探るのが一番のアプローチです。ティク・ナット・ハンは、正しくない質問をして理由を探るのは私たちを不幸にする大きな要因だと言っています。

私たちは、欠点や不完全な部分を探し、すべてを修正する必要があると考える習慣を身につけています。しかし、その逆の質問をしてみたらどうでしょう?

何が間違っているかより、何が間違っていないのかと問いかけ、そこからはじめてみましょう。

#7. 詰まるところを探す

人生に何か悪いことが起こるとき、必ず自分の中に「詰まり」ができます。

これらの詰まりは非常に繊細なので、発見されずに残ります。時間が経つにつれてきつく、強くなっていくことがあります。

瞑想をしていると、抑圧された思考や感情が湧いてき、詰まりの一部を発見することがあります。

それらに気づくことで、きっぱりと解き放つチャンスを得ることができます。

次のような質問を自分に投げかけてみましょう。

なぜ私はこのような反応をしたのか?
なぜ、この人に否定的な感情を抱くのだろう?
なぜ、私は同じ破壊的なパターンを繰り返しているのだろう?

自分の考えや感情を避けるのではなく、マインドフルネスの力を使ってそれらを変化させることを学ぶことができます。

詰まりができたときにそれを解かなければ、それはますます強くなっていきます。

私たちの意識ー理性的な心は、怒り、恐れ、後悔などの否定的な感情が自分自身や社会にとって完全に受け入れられるものではないことを知っているので、それらを抑制する方法を見つけます。

しかし、私たちの内なる意識は、破壊的なイメージ、感情、思考、言葉、行動として現れる方法を常に探しています。

無意識の内なる意識に対処する方法は、まず、それらに意識する方法を見つけることです。

画像4

#8. 大地ともう一度繋がる

私たちの多くは、コンクリートなどでできたアパートという小さな箱に住んでいます。

思いっきり動けないので、体は動きがないために緊張してしまいます。

肺の中は汚染された空気でいっぱいです。そして、テレビやパソコンによる五感の刺激が押し寄せられ、リラックスするような状態はなかなかつくれません。

ティク・ナット・ハンは、マインドフルな生活に不可欠なのは、母なる大地とのつながりを取り戻すことだと教えています。

都会の外に出て、自然の中で時間を過ごすことが不可欠です。地球の栄養となる要素ともう一度繫がれば、癒しのプロセスは自ずと始まります。

自然は私たちの母です。彼女から切り離された生活をしているからこそ、私たちは病気になってしまうのです。

#9. インタービーイング(Interbeing)を実践する

瞑想の練習を深めていくと、常識や論理を超えたある種の真実に気づくようになります。

周りのすべてのもの、たとえ命のないものでも、内なるつながりを感じるようになります。

ティク・ナット・ハンはこれを「インタービーイング」と呼んでいます。分離の壁がなくなり、すべてがひとつであることがわかる意識状態のことです。

あなたが詩人であれば、目の前の紙の中に、雲が浮かんでいることがはっきりとわかるでしょう。雲がなければ雨が降らず、雨が降らなければ木が育たず、木がなければ紙ができません。

紙が存在するためには、雲が必要不可欠なのです。

雲がなければ、紙は存在しません。

つまり、雲と紙は相互に存在していると言えます。

*Interbeingという言葉はまだ辞書には載っていませんが、接頭語のinter-と名詞のbeingを組み合わせれば、inter-beingという新しい言葉になります。

私たちは、人生の何かを良い方向に変えるために意識的な選択をすることができると信じており、この本はその方法を教えてくれます。

画像5

未来に対する期待vs今を生きる

禅仏教の教えには、静かな何かがあります。願望をたくさん打ち上げているし打ち上げていく私の世界にとって、それは小さな刺激のようです。

願望を見つめて、つい今を生きるという大切さを失いそうなとき、ティク・ナット・ハンの教えは目覚めのベルのように、朝を知らせてくれます。

3年前の私は、未来に対する思いは強かったです。願望を実現するためにビジョンボードを書いたり、ノートをつけたり、アファメーションを書いて唱えたり。。。

でも、何をしても足りませんでした。ブラックホールのように、私の心は今を見ることが辛くて、自分のことさえ見失ったのです。

願望実現の奴隷になり、もっともっと欲しくなっていました。

嬉しいときは眠れなかったし、不安のときも眠れませんでした。

その時初めて聖人が言うー「喜怒哀楽は、心を揺れる」の意味がわかったのです。

そんなときに、瞑想と出会いました。

瞑想を深めていくと波動にすごく敏感になるのです。ネガティブな感情や興奮などは波動を乱れてしまい、自分の心を乱れてしまうものだと理解しました。

瞑想のあとは、ぼーっとして座り、静けさの音を聞くのが好きです。体が重くなり、頭が真っ白で軽くなるのです。時間は呼吸とともに流れていくだけです。

「私と思う意識は、この体を持って生きているんだ」ーこれはとても純粋な意識です。

意識は念、世界を作ったパワーを動かします。

あなたの心は静かな池であれば少しだけの風でも動くのです。これは、純粋な念のパワー。

今を体験するというのは体の感覚に戻って任せること。何がほしいのか何になりたいかを、手放すこと。

今の瞬間を満喫していれば自然に波動は純粋になっていきます。少しだけの力で音楽を奏でることができるようになります。未来への意識を打ち上げて手放す。そして、今の時を生きよう。

この記事はブログYutaka-spirit.comで公開したものです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?