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マーケティング職種向け: 採用する側から見た「次につなげたくなる履歴書」と「次に残らない履歴書」

 ここしばらく濃密にマーケティング界隈の人材採用に関わっていて、おおよそ100-150本/月の“マーケティング関連職”の募集に関する履歴書やBizReachの登録内容を見ています。

 たくさん見ると、見えてくるものがあったりします。そこで、採用する側から見た、採用につながる書類やつながらない書類についてツイートをしてみたら、それなりに反応がありました。

 また投稿を続けていると、よくある転職希望者向けのTips集のような内容とは違うものになってると気づいたので、投稿内容を一箇所にまとめてみました。※140文字の制限もないので、少し記述を追加しています。

採用側としてもちゃんとしたマーケティング人材を獲得するため、どういうふうに履歴書やBizReachなどに書いてほしいかを伝えておくのは重要だと思います。

  1. 勤めてる会社でMVPとったとか、最年少○○になったとか、そういう話は「ふ〜ん、それで?」としか読まれないので、書き連ねてもあまり意味がない。ちなみにデジタル関連の広告会社の人に多い記述です。

  2. 資格界隈。マーケティング界隈にも民間の検定資格などがたくさんあり、「転職には資格があったほうがいいですか?」と聞かれることがありますし、履歴書にそれを沢山書いてる人もいます。しかし基本的にはマーケティングは資格職ではないので、「この資格持ってる人だから採ろう」とはなりません

  3. 書類上見られるのは、「何をしてきたか」という“実績”以上に、「何ができる人なのか?」です。つまり“実績”についても、そこから“スキル”を読み取ってもらえるような書き方でないといけません。ポータブルスキルはなんなのか、それが読み取れない履歴書は読む方もしんどいのです。

  4. 広告会社の営業職の履歴書によく見られる、“○○をプロデュース”という言葉。正直読む側は「プロデュースって何?何ができるの?」ってなります。業界用語みたいなものなので。できるだけ具体的な“スキル”をイメージさせないと広告会社の営業職というのは履歴書上は次のステップに進みにくいです。

  5. これもよく見かけますが、「○○という業務に関わる」という書き方だと、その○○でどういう役割を果たしていたかがわかりません。「○○という業務(orプロジェクト)において、●●という役割(立場)で△△△を担った」というように、役割と何をしたかを書きましょう

  6. 先述の1.に関連して。デジタル広告関連だけでなくSaaS界隈やベンチャー界隈も含めて、“最年少○○になった”というのを誇らしげに書いてる履歴書をよく見ますが、採用する側はその会社の規模も加味して、“最年少で〜”の意味合い・価値を読み取ります。つまりそういうことです。「最年少」であるかどうかは採用する側には特に重要な情報ではないのです。

  7. たまに自分の経歴をめちゃくちゃ長文で書いてくる人いますが、読みにくいだけでなく、そもそもパラグラフライティングされてない場合が多く、「あ、この人は論理的思考が苦手かも」と見破られることもあるので気をつけましょう

  8. 転職歴が異業種に渡る人は、なぜそれぞれの会社に転職したのかがわかるように書かれてるか書かれてないかの差は大きいです。書かれてない場合、「この人何がしたいのかな?」「軸ブレし続けてるな」「すぐ辞めそうだな」とか思われがちです。前向きな転職でキャリアアップしてると伝えないと

  9. 関連して。高学歴や過去にいい会社の勤務歴があるのに、印象的にそれらにフィットしない(=「なぜこの経歴でこの会社?」「なんでこのぐらいの年収しか稼げてないの?」と思われてしまう)企業への就職や転職があると訝しがられることがあります、都落ち?何かしでかした?と。これは非常に損なので、転職事由をキチッと書いておいたほうが吉

  10. 「予算○○億円を担当」という記述もよく見ますが、それをどう使ったとか、その予算がどのように決まったのかとか、その予算で何を実現・成果を出したのかが全くわからないので、全く意味のない記述にしか読めません。むしろ、担当した額しか書いてないので仕事できなさそうな印象与えます。

  11. 真似してそのまま書く人が増えると困るので具体的には書きませんが、 マーケティングと言っても幅が広いので、中でもどの分野のスキルがあるのかの記述や、数字で書かれた実績は環境が変われば同じように行かないので実は書類上は重視されなかったりします。それよりもその人の思考や施策の組立て方がわかる記述を読み取れるようになってると良いと思います。

  12. これも具体的に書くわけにはいかないのですが、 採用する側にとって採用するメリットがあるのかがわかりやすいだけでなく、(もしかするとそれ以上に重要かもしれないのが)採用する側にとって、この人物のキャリア形成に何が提供できるかをイメージできる記述です。 採用する側とされる側、双方がWin-Winになれるかどうか。

採用側は「どういった人物か」を知りたいわけですが、それは単なる「スペック」ではないので、例えば“実績”を数字で表現したものを書き連ねるだけでは足りません。なので履歴書etcが単なる“スペック表”ではなく、採用する側・される側の双方にとって、有用な“コミュニケーションツール”として使われるようになればよいと思います。そのため、ここに書いたことが参考になれば幸いです。

とりあえず以上。
思いついたら追記していく予定です。


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