夢を叶えるためには言葉と行動
息子Mozuは小学生の時、NHKで放送されていたコマ撮りアニメ「ひつじのショーン」が大好きでした。
当時わたしも好きで良く見ており、家族で映画を見に行ったこともありましたね。
中学生になると、任天堂のDSを使って、コマ撮り撮影をして遊んだりしてましたが、いつしか、「ひつじのショーンを作ってるイギリスのアードマンアニメーションに入って、コマ撮りアニメを作ってみたい!」という夢になっていったようです🌈
実はわたしが高校生の時、当時は8mmフィルムでしたが、コマ撮りアニメを作って上映会をやったりしてました。
紙に絵を描いてコマ撮りしたり、人間を少しずつ動かす人間コマ撮りをしたり、また8mmの小さいフィルム1コマ1コマに傷をつけるカリグラフなど、楽しい思い出です。
その作品たちをDVDに落としてあったので、息子が小学生の時たまに見せてたりしてたんですが、これをメチャメチャ喜んで見てくれて。
そういう影響が、少なからずあったのかとは思います。
美術系の高校に進学した息子は、映像メディア科でしたが、コマ撮りアニメについては、特に詳しくは教えてもらえる時間はなく、ほぼ独学でした。
でも、わたしの時代とは違って、今はYouTubeという無料で何でも教えてくれる先生が、たくさんいるのが凄いですよね。
息子が高校2年生の時、YouTubeで作り方を覚えて初めて作ったのが、「故障中」という3分のコマ撮りアニメ。
「丸くん」というロボットが本屋さんに入ろうとすると、自動ドアが故障中で入ろうとすると閉まって、離れると開く。
色々トライしてなんとかドアが開いて入れるようにはなったけど、今度は出ようとすると、空いてるはずのドアが閉まっていて激突。
という他愛のないストーリーなんですが、セットのジオラマがとにかく良くできてるし、コマ撮りの動きが絶妙!
左上に「8:00」という数字が出ているのですが、これはNHKで「ひつじのショーン」が始まる前の8時から流れるという設定らしい(笑)
初めてみた時の感想は、「凄いの作っちまったな!」。
息子には、「セットもよくできてるし、コマ撮りのタイミングがバッチリだな!やっぱお前は天才だ!」と、ここでも褒めまくり。
聞くと、一人でセット作りと撮影、編集で1年くらいかかったとか・・・。
で、この初めて作ったコマ撮りアニメの作品ですが、
なんと!
アジア最大の短編映画祭Digicon6の国内Youth部門で、最優秀賞を受賞!
「何か賞もらえるといいね〜」くらいの気持ちで出してみたコンテストだったのですが、いきなりグランプリをもらえるとは正直驚きました。
この時、彼の中では「アードマンで働く」という夢に、一歩近づけた!感じだったかもしれません。
息子のTwitterは、「自分の部屋」のジオラマ投稿がバズった関係で、確かフォロワーが2万人くらいになってたかな。
そのパワーを活かさない手はないので、わたしは
「Twitterのプロフに、自分の夢とか思いを入れといたほうがいいぞ」
とアドバイス。
息子はすぐに、
「ひつじのショーンが好きです。アードマンで働くのが夢です」
と入れました。
そしたらですね、アードマンの国内代理店をしてる会社の方が息子のTwitterを見つけてくれて、「ひつじのショーン好きな凄い高校生がいる!」と驚いて、イギリスのアードマンに息子のTwitterを紹介したらしいんです。
これって凄くないですか!?
その後息子は、卒業製作で2作品目のコマ撮りアニメ「マルとマリ」を作り、こちらも大好評で、NHKや海外のテレビでも紹介されました。
高校3年生も終わりに近づいてきた1月、ついにアードマンから「30分だけだけど見学に来る?」とオファーが!😆
わたしが「ち、ちょっと待って!30分のためにイギリスか〜!」と呆れていたら、息子はためらわずに「オレ行く!」✨
ただ、オファーはあったものの、そこからの調整がメールのやりとりを何度も重ねて、とにかく時間がかかるかかる・・・
友達はみんな進路が決まってるのに、息子は何も決まらないまま、3月の卒業を迎えることに。
なんだかんだで、やっと日程が決まって日本を出発したのが5月。
息子にとっては初めて海外、しかも一人旅でした ✈️
アードマンでスタジオを見学させてもらい、持っていった自分のミニチュアやキャラクターと一緒に夢のコラボ🎊
当初は30分ほどという話でしたが、結局1時間超。
夢を叶えるためには、「言葉」にすることと「行動」がホント大事❣️👍
日本に帰ってきても「夢のような1時間だった!」と興奮状態は続いて、息子の「アードマンで働きたい!」という思いはさらに募っていきました。
が、、、
色々調べたものの、実際どうやったらアードマンで働けるのやらさっぱりわからず。
イギリスで知り合った人にメールを出したりもしてましたが、とにかく返信が遅く・・・
無駄に時間が過ぎてくばかりで、少々焦ってきていた、そんな頃でした。
イギリスのアードマンとは関係ないプロダクションの方から、1通のメッセージが入ります。
「私たちは来年に公開されるウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメーション映画を製作していますが、ウェス監督がMOZU様の作品に大変感銘を受けており、ぜひとも私たちの製作に参加していただけたらと思いメッセージを送らせていただきました。」
あの、アカデミー賞にノミネートされたこともあるウェス・アンダーソン監督が!!(汗)
し、しかもまたイギリス・・・^^;
そして、ここでもMozuは「オレはいくよ!」と、イギリスへ一人旅立ったのでした✈️
英語は話せなくても、ボディランゲージで何とかなる!と言ってたんですが、周りの方も優しく接してくれて、とにかく楽しくできたと。
しかしですね、、、、
友達はとっくに進学が決まってそれぞれの道に進んでいるのに、息子は何一つ決まってない状態。
そんな中での挑戦でもあったわけです。
よく聞かれるんですよ、親としてはどんな気持ちだったのか?
わたしたちの考えは簡単で、当初から、大学に行かなければならない、という考えは全くなく、息子が進みたい方向へ行けるように応援する、だけでした。
ただ、正直言いますと、英語もほとんど話せない19歳の日本人が、いきなり世界から集まってきてるプロ集団の中でどうなるのか・・・という心配はありましたね。
でも、親の心配をよそに、2週間後帰ってきた息子の表情は、まるで別人のように輝いて大人の顔になってたんですよ。
かわいい子には旅をさせろ、はホントですね〜✨
そして翌年、日本でもロードショー公開されたその映画が「犬が島」
エンドロールに息子の名前を見つけたときは家族で感動〜😭
テレビ番組でも取り上げていただきました。
わずかな間に2回イギリスに行き、大勢のプロの中で仕事を手伝った息子が見つけたもの。
それは、これからの進むべき道でした。
「こっちの会社で働いてたら、自分の好きなようにはできない。であれば、自分の好きな作品を作って世界で勝負したい。」
結局、息子は高校を卒業後、海外で働くのではなく、国内で起業する道を選んだのです。
「自分が作りたい作品で、たくさんの人に喜んでもらう。」を実現させるために。
息子を見てて思うのは、自己肯定感が高いと、ピンチや逆境に強くなるな〜ということ。
そのためにも、子どもの時から、認めて、褒めてあげることが大事。
現在は、「ちいさなひみつの世界」というミニチュアの展示会の全国ツアー、CM制作や企業とのコラボ、またTBSテレビ「情熱大陸」の取材を受けたりしながら、なんとか3期目をがんばってます。
と、ここまで読まれた方は、ちょっと出来過ぎのストーリーのように思われるかもしれませんよね。
ご安心ください(笑)
高校生の時も、起業したての時も、「ま、まじか!?」と思うような出来事、トラブルがいくつもありました。
でも、そこでわたしが一貫して揺るがなかったこと。
それは息子を「信じる」こと。
どんな時も「お前なら大丈夫!」って言い続けてきました。
この辺りのことは、別の機会に詳しくお伝えしていこうと思います。
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