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第14回5月放送後記事~ひよっこ話 大学生が考える「赤ちゃん」のこと~

5月8日は「母の日」でした。「母の日」は、自分の母親に感謝の気持ちを伝える日です。「産んでくれて、育ててくれてありがとう」と言うことも大切ですが、自分を産むためにどのくらいの期間がかかったのか、どのような痛みに何時間耐えて産まれたのか、お金はいくらかかったのか、どんな人や制度のサポートを受けたのか知っていますか? 妊娠出産にどのような苦労があったのか知って、「ありがとう」を言う方が感謝の気持ちが伝わるかもしれません。
私たちと一緒に意外と知らない妊娠出産について学んでみませんか? 5月放送の振り返りです! テーマは「ひよっこ話~大学生が考える赤ちゃんのこと~」です!
出演は、パーソナリテイのゆきと、うるしーひなこの3人です。

1、大学生はどう考えている? 不妊治療や男性版育休

大学生の私たちにとって、不妊治療というのは身近な問題ではないように感じます。しかし、意外なことに不妊治療について学んだ学生メンバーは「自分も不妊治療を受ける可能性はある」と言います。その理由は、20代は仕事や趣味など自分のために時間を使いたい、子供を産むなら30代以降と考えているからです。一般に、「妊孕性(にんようせい)」と言われる妊娠のしやすさは、加齢とともに下がっていく傾向があると言います。
私もそうなのですが、若いうちは子育てより他に打ち込みたいことがあると考えている人は少なくないようです。ただ、もし子供を欲しいと思った時に後悔はしたくないなとも思います。ライフプランを考える際、年齢によって自然に妊娠する確率、不妊治療を受けて妊娠する確率、ともに低下する傾向にあることをきちんと理解した上で自分にとってよりよい選択をしたいですね。

<加齢と妊孕率>

「一般社団法人日本生殖医学会」


「日本産婦人科学会 ARTデータブック2019」

次に、10月から施行される”パパ育休制度”について話し合いました。3人とも、取得したい、あるいはパートナーに取得して欲しいと考えており、分割取得が可能になる点などを評価しているようです。うるしーは、「親戚の父親が育休を取得し、子供が産まれた時から育児に参加していたのを見て、それが目標になった。パートナーに一度育児を頼んでしまうとそのまま任せきりになってしまうのではないか」と言います。
一方、新制度に100%満足しているわけではなく、産前にも育休がとれるようにして欲しいという意見も上がりました。これに対しては、「産むのは女性。男性が産前に育休をとっても役に立たないのでは」という意見もあります。しかし、ひなこは「男性だけでなく、まだ子供を産んだ経験がない人がいきなり出産の場に付き添えば慌てるし、役立つことは難しい。男性が産前も育休を取得することで妊娠から出産までの過程に寄り添い、心の準備をすることができるのでは」と、男性側にもメリットがあると考えました。

2、周囲にできることは? 職場と家庭

ひなこは母親に「出産は棺桶に半分足突っ込んでるようなもの」と言われたことがあるそうです。女性にとって出産はキャリアにも影響を与えますし、それ以上に命の危険もあります。仕事と育児をどう両立していくのか、女性の身体的・精神的サポートをどうしていくのか、パートナー間での理解は不可欠です。また、うるしーは、「同僚の育休を応援したいという気持ちはあっても、仕事が大変だとその余裕がなくなってしまうかもしれない。自分が配慮をする側にも受ける側にもなる可能性があることを知り、周囲でサポートしていくことが大切」と、妊娠出産は夫婦間だけの問題だけではなく、職場での理解も重要だと感じているようです。

3、出産にかかる時間と費用

赤ちゃんを産むための期間や出費について、具体的にイメージするのは意外に難しいかもしれません。妊娠から出産までにかかる期間は約40週。ゆきは、6,7か月くらいまではあまりお腹が出ないことに驚いていました。確かに、妊婦さんと言えばお腹が大きく前にせり出している様子を思い浮かべますよね。また、陣痛が開始してから分娩までにかかる時間は初産の方で10~12時間、経産婦で4~6時間が目安とされています。これにはかなり個人差があるようですが、多くのお母さんは長時間激痛に耐えて子供を出産していることがわかります。
次に、妊娠出産を費用の面から考えました。出産にかかる費用は平均約50万円。内訳は以下の通りです。

公益社団法人国民健康保険中央会「出産費用平成28年度」

もちろん、出産育児一時金など、様々な支援や補助金制度もありますが、この他にも定期健診やマタニティ用品、ベビー用品など、様々な場面でまとまったお金が必要になります。しかし、高額な費用に対しては「それだけ覚悟が必要だということ」という前向きな意見が上がりました。
また、「大学でも、妊娠出産に関する講義があれば」という声もありました。高校までは妊娠出産に関して、赤ちゃんが出来る仕組みなどについて教えてもらうことはありましたが、不妊治療や育休などの制度面や、金銭的な面については触れられませんでした。また、当事者意識が芽生えるころには習った内容を忘れてしまう可能性もあります。一方、大学ではそのような講義自体がなく、現実的な側面から妊娠出産について学び、考える機会を自分で作っていく必要があります。ライフプランを考える上でも重要な妊娠出産ですが、具体的にイメージするのは難しいです。コストや制度を知ることで、どれほどの覚悟が必要なのか、どのくらい多くの人のサポートがあって赤ちゃんが誕生するのか実感することができるのではないでしょうか。

4、おわりに

5月放送「大学生が考える赤ちゃんのこと」いかがだったでしょうか? 知らなかった、知ってよかったと感じたことはあったでしょうか?
私の親世代まででしょうか、「女は子供を産んで一人前」「子供を産むことが親孝行」といった子供を産むのが当たり前とされた時代がありました。また、「男は仕事、女は子育て」と性別によって役割が固定されていました。今日では、そのような風潮は薄れ、結婚するか、子供を産むか、誰が子育てをするかは個人の自由という考え方が台頭しつつあります。個人的には、この傾向はとてもいいことだと思っています。どのような家族のあり方が幸せかは人によって異なり、普遍的で他人に押し付けられるものではないと考えるからです。一方で、その分自分の頭で一つ一つの選択肢のメリットやリスクをしっかりと検討する必要性も感じます。今回の放送が少しでも妊娠出産の選択を考えるきっかけや材料になっていれば幸いです。

5、SNS展開

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