展示会 2024-#8 ものづくりワールド
noteにするのがちょっと遅くなりましたが、6月といえば学生時代から都合が付けば参加しているこの展示会。
機械系の学生で自分でボール盤・旋盤・放電加工機などで機械加工していた時代から、各種機械要素、3DCAD/CAM、3Dプリンタなどの情報を仕入れに参加していました。
二十数年前は設計製造ソリューション展・機械要素技術展・3Dバーチャルリアリティ展の3つのみの構成だったと記憶していますが、コロナ禍での縮小期を除きどんどん拡大している超大型展示会です。今回は東京ビッグサイトの東展示棟・南展示棟の全ホールを専有しています。
(備忘録を見ると2022年はかなり寂しかったけど2023年には拡大復活。)
たくさんありすぎて全ては追えてませんが、いくつかトピックスを。
・各国・自治体ブース
ものづくり系では中国・台湾の勢いが衰えず、少し歩くと中国ゾーン、またその先に中国ゾーンといった感じです。あとタイとベトナムも。
韓国はソウル・華城・釜山・テジョンの自治体に分かれての出展でした。
国内の各自治体からの出展ブースも更に増えている印象です。過去のものづくりワールドであまり見た印象が無く目を引いたところでは、鹿児島・和歌山・石川など。特に鹿児島と和歌山は製造業のイメージがあまり無くて新鮮な感じです。
目を引いたのが福井・鯖江のブース。出展物・企業よりもブースのデザインが洗練されていて目を引きました。どこのデザイン事務所に頼んだのか聞いておけばよかったと後で思いました。
・archelis
相変わらず盛況です。久しぶりに藤澤社長(今は代表取締役CTO)にお会いできました。設計の天沼さんには毎回お会いできてましたがセールスエンジニアの北山さんにお会いするのは今回が初めて。お互い顔はよく知ってましたが… ようやくチームNットーのブーブー旋風鬼担当コンプです。
ブースの隅で天沼さんに現在開発中の新製品技術をこっそり見せてもらいましたが…素晴らしい製品になりそうです。乞うご期待!
・AMI×日清紡ホールディングス
AMIの超聴診器(心音図検査装置AMI‐SSS01シリーズ)が展示されていたのでお話を伺ったのですが、この装置のセンサから外装まで、日清紡マイクロデバイス社を始めとした日清紡グループの各社で担当されているそうです。AMIとは資本提携関係もあり、迅速な製品実現における医療スタートアップ×大手製造業グループ提携の好例と感じました。
・サプライチェーンリスクの可視化サービス
製造業DX展で興味深かったのはSpectee社のSpectee SCR。
「SNS・気象データ・地政学リスク情報など様々な情報をもとにインシデント発生によるサプライヤー周辺で起こる危機をリアルタイムで覚知。製品への影響や納期の遅れ等を迅速に把握」するサービスです。(Webサイトより)
サプライヤーの工場の事故だけでなく、周辺道路や鉄道などのトラブルの情報もネットから拾い上げ、部材供給が止まるリスクをリアルタイムに通知してくれる機能があります。個人的には笹原和俊先生のご研究に近いイメージが。
昨今、医療機器でも製品だけでなく部材についてもサプライヤー・サプライチェーンのレジリエンスの重要性が謳われているところで、非常に関心があるDXソリューションです。
「リスク検知だけでなくリスクに対応して代替のサプライヤー候補を提示してくれる機能などはどうか?」と伺ったところ、いくつか同様のご要望は受けているが現在はまだ難しいとのこと。でもたぶん近い将来そういうサービスも出てくるのでしょうね。
・充実の3Dプリンタ・切削加工機
今回はあまり超大型3Dプリンタは自分の目には止まらず、定番のMarkforged、formlabsが多数。
formlabs
自分はかつて研究室にForm 2を導入していましたがいまやラインナップはForm 3+、Form 3B+、Form 3L、Form4、Form 4Bとどんどん進化。
前回・前々回でも見てましたが、今回はSLS(粉体焼結)方式のFuseを中心にお話を。プリントサンプルもたくさん貰いました。もう3Dプリンタは単なる試作用でなく小ロットの最終部品を直接作る時代に完全に移行した感があります。
今、居住マンションの管理組合副理事長をやってますが、修繕用にもう手に入らないプラ成形部品を手配しようとすると新規金型+2000個ロットでのお話になってしまいお手上げでしたが、3Dプリンタでどうにかしてもらうのが現実的になってきました。
Roland MODELA MDX-50
そしてこちらも懐かしいRoland MODELA MDX-50。こちらも研究室で愛用。切削は安いし速いし精度いいしでなんだかんだ便利です。あまり変わってないですがそれだけ十分な機能性能を提供しているのかなと。
SILCOM シリコム
あと興味を持ったのはホッティポリマーの100%シリコンゴム3DプリンタSILCOM。
動画デモが流れていましたが、関節包モデルをジョンソン・エンド・ジョンソンに納めているとか。
・MISUMI economy
昔愛用していたMISUMI。最近はmeviyが中心のイメージですが、今回目に止まったのはMISUMI economy。定番商品の廉価版ですが恐ろしく安い。
最近使ってないので知らなかったですが、いつからラインナップされたのでしょう?昨年くらい?
・igusに低価格な多関節協働ロボット
滑り軸受やリニアガイド「ドライリン」など可動部用エンプラ製品でおなじみのigusにロボットが。低コスト協働ロボットReBeL。
プレスリリースを見ると昨年末に日本に導入されたばかりのようです。約120万は安い。
実際に動いているところを見ると部品・組立精度というよりは本体の軽さ故か少し精度面で不安がありそうな動き(すぐ揺れそう)ですが、軽さ・安さ・非金属のメリットとのトレードオフとしては十分にいいロボットでは。
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