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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#25

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • 医療AIへの期待と現状。省力化に加え安全性向上に資するには何が必要か。

  • Nature Index上位を中国研究機関が独占。国家による積極的な学術研究への投資・強化戦略が量の時代を経て質を伴う時代に入る。

  • 東京科学大学の初代理事長に大竹尚登教授。田中学長と理事長・学長による経営運営体制に。

です。


・医療AI

PwC 医療・ヘルスケア領域の生成AI「停滞傾向」 アイデア出しで期待高く 業界構造の変革チャンスも | ミクスOnline (2024.06.18)

期待は大きいがまだ普及定着には時間を要する見通し。
そもそものベース業務のデジタル化が進んでないことも要因の一つか。

「医療・ヘルスケア・医薬品・医療機器業界については、「一つはフィジカルなオペレーション伴うような業務であることに加えて、ハルシネーション(AIの幻覚)みたいなところに対し、制度面で100%担保できないと言った話もよく出ている」と指摘。「(業界として)生成AIを推進してはいるものの、試行錯誤から活用・実用化に至るまで、少し時間を要している業界だ」との見方を示した。」

ミクスOnline (2024.06.18)

富士フイルムと順天堂医院 AI技術を用いた、外来患者向け転倒リスク予測技術を共同開発 外来患者の転倒リスクを高い精度で予測することで、患者の転倒予防に貢献 (2024.06.17)

「本技術は、電子カルテや放射線部門システム、内視鏡部門システムなど院内のさまざまなシステムと連携する「CITA Clinical Finder」に集約されたデータから、年齢・特定の薬剤の処方歴など500種類以上の転倒リスクと関連性が高いと考えられる特徴量を生成し、AIに学習させて開発したもの」

「「CITA Clinical Finder」に登録されている診療データを基に各患者の転倒リスクを予測し、パーセンテージで表示します。また、予測に寄与した特徴量を、想定される転倒リスク要因として提示することが可能です。」

富士フイルム プレスリリース (2024.06.17)

咽頭画像データベース(レジストリ)が6大学病院とアイリス共同で始動 (2024.06.18)

順天堂大学医学部総合診療科学講座と岡山大学、埼玉医科大学、東邦大学、独協医科大学、日本医科大学が参画。

「咽頭画像の研究・分析を通じて、医療者間で咽頭画像に関する情報、経験や知見を「集合知」として共有し合い、データ利活用を支援するプラットフォームを構築し、咽頭画像の医学的価値の探究と、これを用いたよりよい診断治療に寄与する」

アイリス株式会社 プレスリリース (2024.06.18)

患者の「予約キャンセル」を3割削減 AIを使った“無駄を減らす病院運営”とは:AIで通院しやすさを改善 - TechTargetジャパン 医療IT (2024.06.20)

英国での2つの事例。

「天候や交通状況、仕事など患者が予約時間に受診できない要因を匿名化データとして収集し、予約キャンセルの傾向やパターンを学習したAIモデルを使って、キャンセルの発生確率を予測」

「子どもが予約をキャンセルする理由は主に2つある。1つ目は、保護者が予約リマインドのメッセージを受け取れなかったために予約を忘れてしまうこと。2つ目は、通院するための交通費を捻出できないことだ。この解決策としてAIツールは、予約をキャンセルする可能性が50%を超える患者の保護者に対してテキストのリマインドメッセージを送ったり、NHSが資金提供している交通サービスの利用を提案したりする。」

TechTargetジャパン 医療IT (2024.06.20)

がん研有明病院とGoogle AI を活用した乳がん検診の共同研究において、乳がん検診の精度と健診プロセスの効率の向上を確認 (2024.06.19)

二重読影(二人の医師による読影)の一人目をAIにした結果、乳がん検出の精度を7.6 % 向上・信頼性(評価のばらつきの少なさ)を向上・追加確認を大幅減少。

論文は
Artificial intelligence as a second reader for screening mammography

生成AIで電力消費急増 NTT、SBGが節電投資 | 共同通信 (2024.06.22)

実際のところ、生成AI関連で世界/日本の電力需要はどれくらい増加するのだろうか


・SaMD/DTx

音声データから認知機能をスクリーニングする検査機器の治験開始へ:医療機器ニュース - MONOist (2024.06.19)

「現在、軽度認知障害の検査に一般的に用いられているMoCA-Jは、専門家の問診が必要で、検査に10分以上の時間がかかる。開発中の認知機能検査プログラムは、音声データを取得するだけでスクリーニングが可能で、認知症や軽度認知障害の早期診断システムの構築に寄与することが期待される。」

MONOist (2024.06.19)

積水化学のプレスリリース(2024.06.03)は


・医療DX

手術室のすべてを記録する「AIブラックボックス」医療ミスは撲滅できるか | MIT Technology Review (2024.06.18)

完全匿名化して個別の事故検証には一切用いず、ビッグデータとして医療安全研究・システム開発にのみ用いるような法を伴う建付けでも出来ない限り、どうやっても導入は限定的に。

Webサービス「メディカルほねチェック」の実証実験を杉並区の一部医療機関で開始 ~骨密度検査を受けたい方と受診可能な医療機関をマッチング~ | 旭化成ファーマ (2024.06.18)

杉並区内の3施設で10月31日まで。1回6600円。

iSurgery破綻直後のタイミングで新たな骨密度検査DX(アクセス向上)サービス。(AIでは無い)

医療・ヘルスケア領域の生成AIエコシステムプロジェクトを開始 〜生成AIで業務効率化/診断制度向上など医師の働き方を支援〜 | 株式会社アルム (2024.06.21)

医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を活用した
・質の高い医療データの生成AIへの提供
・生成AIの出力に対するモニタリング
・是正データの提供・生成AIによる診療支援・保健行政支援を通じて、医療・介護現場に安心・安全・簡便な利用環境の提供
に取り組む。

経済産業省「令和6年度医療機関におけるPHR利活用推進等に向けた実証調査事業」に採択 ~harmoが手稲渓仁会病院及び京大病院医療安全管理部協力のもと、実証調査事業を開始~ | シミックホールディングス (2024.06.21)

「医療機関におけるPHRを活用した薬剤師管理業務DXによる安全性/効率化の実証を目指す」

「PHRサービス(harmoおくすり手帳)を介して電子カルテに患者のPHRを転記し、薬剤師の管理業務をDX化して安全性と効率性の向上を実証する」

シミックホールディングス プレスリリース(2024.06.21)


・医療VR/XR

空間の立体映像化で手術の精密性向上 「Apple Vision Pro」による最先端医療DX | Medical Tribune (2024.06.20)

杉本真樹先生インタビュー。

「術前の患者への情報提供および同意形成の過程でApple Vision Proを用い、手術計画を視覚的に説明することで、治療に対する満足度の向上や不安の軽減効果が期待できる」

「Apple Vision Proを利用して模擬的に他の医師による手術を追体験することは技術の向上に有用」

Medical Tribune (2024.06.20)


・遠隔医療

コンパクトで持ち運び可能なリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH TV Pro 300」を日本で新発売 | ウィーメック (2024.06.18)

発売記念特別価格キャンペーン
「デバイス費 メーカー希望小売価格250万円(税抜)のところ69万円(税抜)でご提供 ※5年契約の場合」

ああTeladocって1台こんなにするんだ…
(導入のみ。運用費用は約125万円/年~)


・スリープテック

RKB毎日放送株式会社と株式会社ACCELStarsが資本業務提携を締結 (2024.06.19)

スリープテックとマスメディアの提携。
RKBが「睡眠健康領域での事業化の推進」をするというのは興味深い。


・サプライチェーン

ドローンで噴火湾を一っ飛び 室蘭~森町で医療機器を輸送する実証実験 陸路約2時間が最短30分に | HTB北海道ニュース (2024.06.20)

竹山と伊藤忠。片道2時間(陸路)を30分に。


・大学・研究

「社会課題への対応に挑戦」、東京科学大の初代理事長に選出された東工大・大竹尚登教授 : 読売新聞オンライン (2024.06.19)

科学大は総長でなく理事長・学長体制に。
学長候補は医科歯科大学の田中学長。

適切な濃度の水素ガス吸入が、新生児手術における「麻酔薬による脳障害」を防止する新戦略に—都健康長寿医療センター研究所 | GemMed (2024.06.20)

「研究チームでは、「水素分子には抗酸化作用と抗炎症作用があり、その作用メカニズムには『タンパク質リン酸化の制御』がある」「適切な濃度の水素ガス吸入により、麻酔による毒性から幼若神経を保護できる」と分析し、今後「水素ガス吸入が、手術中の新生児の脳を保護するための新たな治療戦略として期待できる」とコメント」

GemMed (2024.06.20)

医療機器の整備で558億円の支援必要 - CBnewsマネジメント (2024.06.19)

どうしてこの状況が放置されているのか疑問。文科省の問題なのか厚労省の問題なのか。

「18年からの5年間で施設や設備に必要な財源を自施設で確保できたのは全42大学病院のうち、わずか4大学。」

CBnewsマネジメント (2024.06.19)

日本医療研究開発機構(AMED)事業に、アルケアと国立成育医療研究センターの検証研究が採択 (2024.06.20)

「新生児からのインピーダンス法を用いた非侵襲性簡易スキンバリア機能医療機器開発の検証研究」

・アトピー性皮膚炎の診断根拠の構築や皮膚疾患の発生リスクを見極め、アトピー発症の可能性のある新生児を抽出
・ステロイド外用薬による副作用を予測することで、治療のリスク管理を実現

科学技術大国「中国」が上位独占、インドも急伸…Natureの研究ランキング。日本の存在感は?|BUSINESS INSIDER (2024.06.20)

量が増えれば次第に質も伴ってくる。国力が研究力も牽引。

Nature Index


・スタートアップ・起業

グルーポン創業者の「医療AI企業」が上場、時価総額1兆円に | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.06.19)

「がん治療に重点を置いた企業としてスタートした同社は、2300人の従業員を抱え、がん患者の腫瘍サンプルをシーケンスし、機械学習で訓練された人工知能(AI)モデルで分析することで、より正確な診断と個別化された治療を決定する支援を行っている。」

「テンプスAIが株式市場で長期的に成功を収められるかどうかは、早期に収益分岐点に到達できるかどうかにかかっている。」

Forbes JAPAN 公式サイト (2024.06.19)


・マーケティング・企業

富士フイルム、エジプト政府と医療画像解析・診断トレーニングプログラムのMOU(日本、エジプト) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ (2024.06.17)

教育トレーニングはとても大事。
買っても使いこなせないなら買いたくても買えない。

ローカルから誕生!未来を変える宇宙仕様の「医療と食」 | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.06.22)

空気圧駆動式小型人工呼吸器「MICRO VENT V3」。
メドテックではなくスペーステックとして開発を推進したアイデアは非常に興味深い。

日本の頑固な劣勢がAI技術の発展に影響―中国メディア | Record China (2024.06.22)

容赦ないが納得。
「頑固な劣勢」って面白い表現。

・ものづくり神話

「文化的にもハードウエアを重視しソフトウエアを軽視する傾向があり、AIアルゴリズムやソフトウエアの研究開発への投資が不十分」
「日本の教育、研究システムがデータサイエンスやコンピューターサイエンスよりも伝統的な工学・技術教育に重点を置いてきた結果、人材も不足」

Record China (2024.06.22)

・石橋を叩いて渡らない

「日本はビッグデータの収集と活用に比較的慎重」
「日本の厳しいプライバシー規制はデータ収集を困難にしており、日本企業はプライバシー規制に抵触することを恐れて、ユーザーデータの取り扱いに対して保守的なアプローチをとらざるを得ない現状」

Record China (2024.06.22)

・投資環境の弱さ

「日本のベンチャーキャピタル市場は比較的保守的で、投資家は新興企業よりも既存企業を好む」
「日本の新興企業は主に製造業、小売業、サービス業といった伝統的な産業に集中」

Record China (2024.06.22)


・行政・規制

香川大の子宮頸部内視鏡検査、「不適」 計画を疑問視、先進医療 | MEDIFAXweb (2024.06.19)

審査内容の詳細については下記。資料1-2がUCEの評価について。厳しい意見。
第162回先進医療技術審査部会資料(厚生労働省)

元PMDA職員の製薬会社社員が脱サラして立ち上げた「みんなが使えるIRB」活動1年で得た手応えと課題 | AnswersNew (2024.06.20)

「Centriol-ONE」。興味深い試み。

「最も大きいのは、受託する臨床試験の数を増やしたいというニーズ」

「IRB事務局の手間や委員の負担を減らすためにIRB審査を院外に出したいというニーズも」

AnswersNew (2024.06.20)

課題は「理想のIRB」と一括審査の大規模化。


・イベント

【岡山大学】岡山大学医学部主催DXセミナー「医学研究における人工知能の応用」〔6/21,金〕 (2024.06.16)

川上英良教授(千葉大学大学院医学研究院人工知能(AI)医学)による講演。
会場は岡山大学鹿田会館講堂(対面のみ)

手術支援ロボを市民が体感 鳥取大付属病院が初の施設開放「とりだいフェス」 (2024.06.17)

hinotori体験。

とりだいフェス2024の概要は

内閣府「第7回日本医療研究開発大賞」の公募について | 株式会社三菱総合研究所 (2024.6.14)

昨年度から「スタートアップ枠」新設。昨年は大臣表彰1件・奨励賞5件。ジャパンメディカルデバイスやアイ・ブレインサイエンスなど医療機器も。

令和6年度 海外向け医療機器開発支援事業 海外の医療機器市場の獲得を目指す中小企業を募集! 今年度インドネシアの医療機関等を訪問します | 東京都 (2024.06.19)

10名募集。〆切7/31。

【医療・ヘルスケアスタートアップ向けプログラム】 MedTech Actuator Origin Japan 2024 | イベント情報 - ジェトロ

大阪とシンガポールでのピッチ大会を含む短期集中プログラム。15〜20チーム募集。応募締切7/8。

【森ノ宮医療大学】最先端医療を体験!「中学生サマーセミナー」を開催~臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師・鍼灸師・言語聴覚士の仕事を知ろう!~ (2024.06.19)

臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、鍼灸師、言語聴覚士の5つの職種のうち一つを体験。
7/26開催。申込締切は7/22(定員あり)。

詳細は


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