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社内イラストレーターに聞いた「何度も読み返した漫画」5選

メディックメディア メディカルイラストレーターグループ(MIG)
公式キャラクターのミグです!

以前、イラストレーター3人に聞いた「仕事をする上で影響を受けた本」という記事を公開したところ、多くの方にアクセスいただきました。私たち自身も、お互いがどんな本に影響を受けて仕事をしているのかを知ることができて、興味深かったです。

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そこで今回は、「有名作や長篇に限らず、人生のバイブルみたいになっている漫画ってあるよね?」ということで、イラストレーター4人に「何度も読み返した漫画」を聞いてみました。

エイリアンの1冊!

総員玉砕せよ!/水木しげる

「ゲゲゲの鬼太郎」でお馴染みの水木しげる先生の戦記物です。2019年に横浜・そごう美術館で開催された展覧会「水木しげる 魂の漫画展」の物販で購入しました。
太平洋戦争の激戦地・ラバウルに出征した水木先生が、現地で味わった地獄と、感銘を受けたであろう南国の大自然が、圧倒的な筆致で描かれています。

私がこの漫画を読み返すときにつくづく恐ろしく感じるのは、戦争における「命のあまりの軽さ」です。部隊の仲間が敵砲に撃たれたり、熱病に罹ったりして死んでしまっても、嘆き悲しむことなくサラッとその場に遺体が置いていかれる描写が繰り返され、読んでいて言葉を失います。
動植物や軍艦といった背景の描き込みの精緻さに対して、人物キャラクターはシンプルに、ともすればコミカルに描かれている点も、その印象を強化させます。

2024年現在、世界のあらゆる場所で戦争が行われています。不穏なニュースを見聞きするたびにこの漫画を手に取り、「あってはならない」と強く思い返しています。

ロボの2冊!

のだめカンタービレ/二ノ宮 知子

高校時代にリアルタイムでドラマを見てハマり、大学時代に漫画を全巻揃えた思い出があります。
漫画内で描かれる音大生の生活に何度あこがれたことか…。大学生時代に、ドイツへ短期留学したのもこの本の影響がある!かもしれない。

イラストレーター目線でいうと作者の二ノ宮先生の描く”楽器を演奏する手”が非常に魅力的です。漫画全体を通して、大事な部分にこだわりをもって描かれているのが個人的にいつも参考にしている点。洗練された線や程よく抜けがある画風も大好き。

前にスカイツリータウンで行われた展覧会にて、生原画を見ることができたのもよかったなぁ〜。

入場者特典、今でもデスクに飾ってます。

どこから読んでも続きが読みたくなってしまうのですが、個人的には最終章(単行本でいうと24、25巻)は各キャラクターたちのその後が描かれていて、何度も読み返してますね。

ちなみにアニメ版も最高!

その着せ替え人形は恋をする/福田晋一

これは昨年からドハマりしてしまった漫画ですね。全人類の夢?である“オタクに優しいギャル”がでてくるラブコメ漫画です。久々に紙の本で全巻揃えてしまった。

自分の不遇な高校時代を思い出すと泣けてくるのですが(さっきから後悔ばかりの人生…)、クラスになじめなかった主人公が自分の好きなものに正直になっていくにつれて周りとも仲良くなっていく過程にぐっときます。みんな優しい世界、素晴らしい。
コスプレイヤーの活動シーンを丁寧に描写しているのも非常によい。業界について無知だったロボは普通に勉強になりました。

個人的に好きなのは各章の肝になる見開きページ。実際の漫画のストーリーと同じように、コスプレしたキャラクターに圧倒されてしまいそうになる。福田先生の描くキャラクターの目力とコマ割りの見せ方には臨場感があり、読むたびに引き込まれてしまいます。
毎回最新巻が出ると1巻から読み直していますが、8巻の学祭編が特にカタルシスを感じて好きです。

ちなみにアニメ版も最高!二期も期待!

おにくの1冊!

STOP劉備くん!/白井恵理子

三国志の登場人物をかわいらしいキャラクターにして展開される4コマギャグ漫画。1987年から掲載誌や媒体を色々と変えながら連載されていた(多分最終更新は2021年?→webコミックトム)。

父が買っていた横山光輝の三国志を幼い頃に読んで、あまりにもたくさん人が死ぬのが怖くて敬遠していたのですが、こちらはデフォルメされた絵柄だしゆるいギャグなので非常にとっつきやすいです。

また、キャラクターごとにかなり特徴的なデザインがされているので(見た目も性格も)、漢字ばかりかつ同じ姓の多いキャラクターたちを見分けやすく覚えやすいです。この漫画のおかげで、その後いろんな三国志モノを見てもなんとなく「あのキャラね」と脳内で変換できるようになりました(馬超が勢いあって好き)。

ストーリーに時系列はなく現代の時事ネタも入っているため『三国志』としての全体像はつかめませんが、有名なエピソードはフワッとわかるようになるかもしれません。

「導入はとっつきやすく」「特徴的なデザインを」というのが、何かを覚えるためには大切だというのを実感した漫画です。とにかく全体的にゆるいので、疲れた時に癒しを求めて読んでいます。

ビーバーの1冊!

ピアノの森/一色 まこと

大学生の頃にはじめて読み、それから何度も読み返している大好きな作品です。
タイトル通りピアノをテーマにした音楽漫画で、登場人物たちがピアノと共に成長していく姿が丁寧に描かれています。読むたびに温かい気持ちで胸がいっぱいになり、そして毎回べしょべしょに泣いてしまいます…。

ストーリーも絵も大好きなのですが、個人的に推したいのが漫画ならではの「演奏シーン」。モノローグや心象風景の描写が演奏を引き立てていて、漫画だからこその魅せ方に圧倒されます。
読んでいるこちらの感情も演奏に合わせて盛り上がったり、ハラハラしたり…、会場の空気まで感じられるのが本当にすごい。表現の力で読者を音楽の世界に引き込むのが、この作品の魅力のひとつだと思います。

漫画は全26巻(文庫版は全18巻)。読んだことがない方はぜひ!おすすめです!


梅雨入りが近づいて、雨の日はおでかけより自宅でゆっくり過ごそう…という時期になってきました。
みなさんも、以前読んで心に残った漫画を読み返してみてはいかがでしょうか?

皆さんのオススメ漫画もぜひ教えてください!!


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