医学生よ、何も考えずに部活に入るな。

医学生の定番、部活に関する話題です。
学年の大半が部活に所属しているのは、どこの大学の医学部にも共通することではないでしょうか。

もちろん部活に入ることに意味がないと言いたいわけではありません。
かく言う私も運動系の部活に所属しているので、部活に入るメリットを存分に理解しています。

しかし、

「周りのみんなが入っているから」
「縦のつながりが欲しいから」

このように、なんとなく部活に入ろうとしたり、所属したりしていないでしょうか。

そうであれば、やめた方がいいと私が感じる理由を述べていきたいと思います。

1.多くの時間を費やすことになるから

当然ですが、部活は多くの時間を費やします。

私の所属している部活は週3回、1回3時間練習を行います。
単純計算をすると、6年間で約2600時間部活に費やしていることになります。
(もちろんオフが存在するので実際はもうすこし少ないですが。)

医学部のカリキュラムは非常に密なので、このような多くの時間はかなり貴重です。

2600時間あれば何ができるでしょうか。


例えば、お金を稼ぐ。
時給1000円のアルバイトをすると、260万円を稼ぐことができます。

例えば、知識を身に付ける。
本を一冊読み終えるのに6.5時間かかるとすると、400冊の本を読むことができます。

例えば、英語を話せるようになる。
一般的に英語を話せるようになるまでに3000時間かかり、高校卒業までに約1000時間英語に触れていると言われているので、残りの2000時間を埋めることができます。

もちろんここに挙げたのは全て一例です。
2600時間もあれば、あなたの好きなことに時間を使うことができます。

2.お金がかかるから

医学生の部活は、大抵お金がかかります。

その理由として、部活の後のご飯(通称部飯)や、飲み会が多いことが挙げられます。
また、上級生が下級生のために多めに支払う制度を採用している部活が多いので、上級生はよりお金がかかります。

さらに、大会等での遠征費用がかかります。
医学生にとって最大の大会、通称東医大・西医大は遠方の都道府県で開催されることがあるので、交通費がかかります。
また競技によっては日程が長く、宿泊費もかかります。

このようなお金を稼ぐために、医学生はアルバイトをしている人が多いです。
その結果、勉強等他に費やす時間が失われ、最悪留年するという結果に陥ります。

私見ですが、医学生はこの部活+アルバイトに学生生活を費やしている人が多い印象です。
医学生が画一的に見えるのはそのせいかもしれません。

3.縦のつながりは必須ではないから

勧誘の際、よく言われるのが「縦のつながりを作った方が良い」です。

これに対する私の意見は、

①部活に入らなくても縦のつながりは作れる
②そもそも縦のつながりは必要ない

です。

①に関して、
そもそも医学部というのは縦社会かつ狭い世界であり、わざわざ部活に入らなくても勝手に先輩や後輩の話が耳に入ります。

また、本当に縦のつながりが必要だと思えば、友達の先輩・後輩と仲良くなる、実習等で一緒になった際声をかける、SNSで声をかける等、手段はいくらでもあります。

②に関して、
先輩から過去問をもらわなければ進級に影響すると言われますが、現代ではほとんどの大学が過去問の保存にクラウドを利用しているので、同級生に聞けば簡単にゲットできます。
また、学年LINEも作られるので、大抵の情報はそこに流れてきます。

結論、学年に2、3人ほど話せる人がいて、きちんと勉強さえすれば、なんら不自由のない学生生活を送ることができます。

4.医学生以外のつながりを作ろう

つながりに関してですが、
私は学内でのつながりよりも、学外(学部外、大学外)につながりを作ることをオススメします。

一般的に、医学生の世界は非常に狭いです。
その理由として、医療系のキャンパスが他学部とは別、医学生は医療系の学生向けの部活に入りがち、ということが挙げられます。

しかし、医師は将来様々な患者と関わります
患者からの評判が良くなければ仕事がもらえません。医師はほとんど接客業なのです。

社会に出る前に、様々な人と関わる機会を作ることをオススメします。

  • 他学部との授業(一般教養)

  • アルバイト

  • ボランティア

  • 趣味の活動

学生のうちは何でもチャレンジできます。
ぜひ外の世界に目を向けてみてください。

5.部活に入るメリットとは?

少し話がそれましたが、部活に所属するべきか今一度考え直してほしい理由を述べました。

ここからは、私が部活に所属して感じたメリットを述べていきます。

①密度の濃い思い出が作れる

部活はほぼ毎回出席しなければならず、練習もとてもハードです。
そのようなキツい時間を部員と共に乗り越えると、結束力が高まり、かけがえのない仲間を手に入れることができます。
また、遠征の際に観光をしたり、練習以外でレクリエーションをしたり、楽しい思い出もたくさんできます。
このような密度の濃い経験ができるのはとても貴重だと思います。

②社会性を身に付けることができる

アルバイトに家庭教師といった個人の裁量が大きい職種を選ぶことが多い医学生にとって、部活は社会性を身に付ける場として機能します。
下級生の時は、先輩との関わり方を身に付けることができます。
また上級生になると、後輩指導を経験できます。
さらに、幹部学年になると部活の運営にも携わることになります。
このような経験は、社会に出た際に必ず役立ちます。

③成長できる

本気で部活に打ち込むと、必ず壁にぶつかることがあります。
思ったように上達しない、部員と上手くいかない等です。
そのようなスランプを乗り越えると、問題解決能力が身につきます。
さらに、目標を成し遂げることで成功体験を獲得することができます。
このような経験を通して人間として成長することができます。

終わりに

今回は医学生の定番、部活に関して述べました。

先に挙げたように、部活に入ることに関してはメリット・デメリットがあり、結局は個人に委ねられます。

私が伝えたいことは、何も考えずに部活に入るのではなく、自分で考えて選択してほしいということです。

せっかくの学生生活なので、自分で考え、より良いものにしてください。
存分に楽しめるよう、応援しています。

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