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スマホ時代の編集者が意識すること 紙からWeb、なにが変わった?

執筆:編集2Gマネージャー原田

「20年以上編集者やってまーす」なんて前回書いてしまったので、これからのWebライティングについて語ってみます。なお、今回書くことは、どちらかというと紙からWebに主戦場を移した人向けの話です。

ではまず結論から。

スマホ時代の編集者は「スマホで読むときどうすれば気持ちいいか」を追求していくべき。

もう少し言うと、「おもしろい原稿」を書き上げることは大事ですが、読了率の向上のすべてを“それ”に託すのではなく、「おもしろい原稿」の戦闘力を最大限高める工夫をしようということです。

昔はみんなやっていた

紙の編集者はほぼ例外なく手書きのラフ(レイアウト)を引いていたと思います。皆さん1Pもしくは見開きで情報をどう見せるかを考えていましたよね。

「ここに見出しバーン、メインビジュアルはぶち抜きで、この情報は段組みにミニコラム置いて…、うーん、かっこいい。これなら読者に伝わるはず」こんなふうにページ構成を考えていたはずです。

書いてた…。こんなん書いてたなあ……。そのページ内で情報を最大限伝えるためにいろんなレイアウトをデザイナーと試行錯誤していました。
※僕は紙の経験そんなに長くないですが。

漠然とした視覚的不安を解消する

いま、Webで記事を書く場合はそういうことはしなくなりましたよね。ライター仕事ですごく乱暴な場合「原稿と画像渡すからあとお願い」だったりしませんか。

スマホコンテンツに「ファーストビュー」という言葉があるのは、紙面と違って全体が見えない構造になっているからです。

読み進めるために、もしくはボタンを押させるなどの目的を達成するためには「最初の見えづら」がとても重要になります。

でも伝えたいことのボリュームが大きければ、「そのつぎの見えづら」も大事になります。Web時代の編集者はその連続性をもっと突き詰めて考える必要があります。

たとえば僕が読み物系のWebページを見て最初に思うことは「これ、どれくらいの長さなんだろう」ということです。そういう「先が見えない不安」を気づかせないよう、デザインや構成、写真の挟み方はとても重要になってきます。

評論家/「PLANETS」編集長である宇野常寛氏のメディア「遅いインターネット」では記事の左下にリアルタイムで読了率が表示されます。同メディアは比較的骨太の記事満載ですが、こういう工夫があるのはいいですね。

改行ひとつで見え方は変わる

テキストでやれる工夫のひとつが改行であり、一文の長さの調整なのだと思います。媒体や内容にあわせて最適な切り方をしてあげれば、スルスルとスクロールさせ、読ませていくことができるはず。

そしてスマホのコンテンツは基本的に下方向にしか進めないという制限があります。でも同時に、横や斜めに目移りしにくいというメリットでもあると認識できるといいですね。

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最適な形は媒体や企画によって変わってくると思います。基礎はあるけどテンプレはない。だからこそ、原稿をサイトに載せるときはつねに、どう見せたらいいかを意識していかないといけないのかなと思います。

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