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今、近未来を思い描いたら、どんな世界になるだろう?

「ふしぎコミックス」の第三弾『SOS!ムシムシ探偵団』が発売になりました!

著者は週刊少年ジャンプで『恐竜大紀行』(1988~1989年)、『てんぎゃん -南方熊楠伝-』(1990年~1991年) を発表した岸大武郎さん。初投稿作で手塚賞準入選、二本目の作品で手塚賞入選と、手塚治虫先生に大変高く評価されてデビューされた漫画家です。

1985年から1990年にかけて発表したデビュー作を含む短編漫画5編を収録した作品集です。

ムシムシ

表題作「SOS!ムシムシ探偵団」の世界では、ほとんどの昆虫が絶滅し子供たちにとってカブトムシは幻のいきもの。小学校の部活はコンピュータ部が幅を利かせていて、主人公のいるムシムシ探偵団は取る虫が減るままに廃部を迫られてしまいます。あまりのくやしさに、カブトムシをつかまえる約束をしてしまい…。

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物語のなかで描かれる近未来は、なんと1997年!大分前に通り過ぎていた~!
自然が失われ、小学校の教室には整然とコンピュータが並んでいて、この漫画が発表になった1987年の当時、描かれた未来の姿が興味深いです。
さいわい2021年の今、カブトムシは絶滅していませんが、ここから10年後の未来はどうでしょうか。昆虫が絶滅ということはなくても、生態系は大きく変化しているかも…。

時代の変化の中で、子どもたちが失われゆくものとそれでも守りたいものと出会い、向き合う姿を描いたこの作品を、現代の子供が10年後に起こりうる未来の物語として読んでも、おかしくないのかもしれません。

『SOS!ムシムシ探偵団』には他に第29回手塚賞入選作「水平線にとどくまで」、「方舟」、単行本初収録となり雑誌掲載時のカラーページをそのまま収録する「あいつ」、「21世紀の流れ星」、巻末に著者によるあとがきを収録します。

ふしぎコミックは、メディアパルで発売代行させていただいている久志本出版さんが、自分たちが子供時代に楽しんだ良質な児童向けマンガを今の子供たちにも届けたい!と立ち上げたコミックレーベルです。
『昭和40年男』WEBサイトの昭和50年男向け「S50ニュース!」に久志本社長のインタビューがありまして、なぜ児童向けコミックレーベルを立ち上げようと思ったのかが良く伝わるので是非読んでみていただきたいです。

こちらで『SOS!ムシムシ探偵団』の立ち読みもできます。

この本以外にも、かつて読んだ物語の「近未来」の時代を越えていくことも珍しくなくなってきました。今、近未来を描いた物語って、どんなものがあるんだろう。どんな未来の想像がひろがっているんだろう? 
最近あまり出会っていないような気がするので、探してみたくなりました。おすすめあれば是非教えてください!

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