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F1 2021 アブダビGP: 最後に笑ったのは

Formula 1ことF1は今の日本では昔ほどの人気は無いかもしれません。ホンダは2021年シーズン限りでF1からの脱退を表明し、日本と直接的な繋がりがあるのはアルファタウリ所属の角田選手のみになってしまいました。
だからこそ、2021年、22回にも及ぶレースの最終戦最終ラップまでもつれ込んだレッドブル所属のフェルスタッペン選手とメルセデスAMG所属のハミルトン選手の優勝決定戦は、今後長きに渡ってF1ファンの記憶に残り続けるでしょう。

ホンダが現シーズン限りでF1からの脱退を表明した2021年、F1ではメルセデスが盤石のパフォーマンスを見せており、通算7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトン選手の走りは非常に安定していました。
そんな中唯一ハミルトンと獲得ポイント数で競っていたのがレッドブル・ホンダ所属のマックス・フェルスタッペン選手。両者ともに完走する際には高い確率で1位を獲れるドライバーです。
両者の競り合いはシーズン後半から更に白熱し、トラック上では接触ギリギリを責める攻防が展開されました。イタリアGPでは両者接触でリタイア、抗争は過激さを増していきます。獲得ポイント数は21戦を終えた段階で369.5で並び、最終戦のアブダビGPでの勝者がシーズン優勝を勝ち取る運びとなりました。

迎えた最終戦、ホンダにとっても最後のレースとなります。予選ではフェルスタッペンが勝利しポールポジションを獲得、ハミルトンが2位に就きました。
レースは1週目から激しい攻防となります。ハミルトンが良いスタートを切ってリードし、更にフェルスタッペンとの接触を避けるためコース外を走り、リードを大きく広げます。追いかけるレッドブルとフェルスタッペンはハミルトンと異なるピットストップ戦略を展開。もう一人のドライバー、ペレスを長く走らせ、ピットストップ後のハミルトンを封じ込めます。その隙にピットストップを終わらせたフェルスタッペンが差を詰めていきます。
53週目に事件が起き、ウィリアムズ所属のラティフィがクラッシュ、セーフティカーが投入されます。その際にフェルスタッペンはもう一度ピットストップに入り、タイヤを最速のソフトタイヤに履き替えます。セーフティカーの走行中は追い抜き禁止ですが、順位の変動が無ければ前の車との差を詰めることは可能です。
セーフティカーは57週目に終了、最終ラップである58週のみレースが再開されました。新しいタイヤに変更したフェルスタッペンはレース再開直後の5番コーナーでハミルトンをオーバーテイク、その後も反撃を見せるハミルトンを抑え、最後には1秒以上の差をつけて優勝しました。
これによってフェルスタッペンは自身初のF1シーズン優勝、ホンダからもF1参入第4期における最初で最後のチャンピオン輩出となりました。

ホンダは公式にはF1を離脱しましたが、今でもレッドブルのパワーユニットに技術支援を行っており、レース成績も非常に良い結果を残しています。2023年5月、ホンダは2026年からアストンマーチンにパワーユニットを供給し、F1に再び参入することを発表しました。かなり先の話にはなりますが、願わくば2021年シーズンのような魅力的でエキサイティングな競争を起こして欲しいと思います。

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