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自分のスキルは?子育て後のキャリアは?~第1回メドフィット会員交流会~

11月19日(金)にメドフィット会員限定の交流会を行いました。これまで超音波検査セミナーなどの「セミナー」が中心でしたが、今回は「交流会」をメインに打ち出して開催を致しました。
平日の夜というハードルが高い会にも関わらず沢山の臨床検査技師さん達にご参加をいただきました。当日の様子をレポートにしてお届けしますので最後までお読みいただけると幸いです。

尚、今回のイベントはメドフィットのセミナーにもご協力をいただいている臨床検査技師の服部博明氏と佐藤浩太郎氏にイベントのテーマについてご自身のお考えを話していただき、そのあとにご参加されている皆さんからお話をうかがいました。

登壇者

服部博明
超音波検査士(消化器)の資格を保有しており、鳥取県初のフリーランス技師として活躍中。

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佐藤浩太郎
山形県の総合病院に在職中。キャリアを検査センターからスタートし、病理検査に携わる。その後臨床の場にキャリアを移し、輸血を数年間担当した。現在は生理検査をメインにキャリアを積んでいる。

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本イベントのテーマ

・自分のスキルがどれくらいかを知る方法について
・子育てがひと段落ついたあとのキャリア構築について

テーマ①「自分のスキルがどれくらいかを知る方法について」

服部氏:
質問者がどの検査を指しているかによって話が変わってくると思いますが、エコー検査が得意なのでそのお話をします。エコーが出来るようになっても「本当に自分がエコーが出来ているのか?」という不安を抱えている方は多いと思います。ひとり職場以外なら先輩などから教えてもらえますが、クリニックにはそういう環境がないところがほとんどです。
精度管理の方法として、超音波検査学会が行っているサーベイや各都道府県の技師会が行うサーベイに参加してみるのもひとつの手法です。
しかし、お金がかかってしまうという問題が発生します。お金をかけない方法としては他院の紹介状などに添付されているレポートを見るという手段もあります。他の技師の所見を見て「自分は所見を拾えていなかった」「あの人はこういう風に書いているが私ならこのように所見を書くな」などの発見が必ずあります。
一番は資格をとることをおすすめしています。「超音波検査士」という資格をとれればスキルが担保されていると言えると思いますというのが私の回答になります。

佐藤氏:
私は生理検査部門に配属をされて3年が経ちました。服部さんが言うように生理検査はSOP(標準業務作業書)が作りづらいと思っています。
私が一番最初に目指したのはマニュアルに沿って検査が出来ること(正常映像が撮れること)でした。そこからなにが正常なのか?なにが正常じゃないのか?それがわからないとどうしようもないからです。分かるようになるためには誰よりも積極的に検査数を多く行いました。
次に覚えることに注力をしました。ちなみに覚えるには「体で覚える」「頭で覚える」の2つがあると思いますが、これがどちらかに偏ってしまうとよくないので両方できるように努力をしました。

テーマ➁「子育て後のキャリアについて」

服部氏:
私は視覚異常というハンディキャップがあります。そのため他の検査に携わるということが難しかったので学生時代からキャリア戦略を考えていました。しかし、この方は私と違ってライフステージを優先されてきて、今悩まれているのだと思います。
私の身近な技師にも同じような方がいたのでその方のお話をさせていただきます。その方は元々、検尿や一般検査・血液検査をメインにキャリアを積んでこられました。通常業務を行いながら超音波検査の研修に来て1年後には健診のエコーをとれるようになっていました。
子育て後のキャリアの方でもしっかりと職場と相談をして、自分が興味があって極めたい分野のことを話をすることで出来るようになったという方もいるので子育て後でもキャリアアップは可能だと私は思います。

佐藤氏:
40代であればプレイヤー・マネジメントのキャリアの選択肢があると思います。前者は先ほど服部さんがお話をされていたようなやり方が考えられます。しかし、後者はノンテクニカルスキルが重要になるが臨床現場ではノンテクニカルスキルを身につける機会はあまりないです。ノンテクニカルスキルを臨床現場で身につけるためには自部署が困っていることを見つけて「どうしたらもっと上手く現場が回る?」を考えて提案することで身につけられると思います。

交流会のハイライト

今回の交流会に専業主婦を長くされていた方がご参加いただいておりました。(しかも、その方は弊社の廣井が担当して現場復帰された方でした!)その方のお話がご参加された方達にとても共感されていたので書きたいと思います。

『私は家庭を優先していたので臨床現場から長く離れており、去年の夏に臨床復帰するまで約10年ほどブランクがありました。現在は生理検査機能室で心電図と超音波検査に携わっています。実は私はブランクができる前に超音波検査士の資格を取得していました。
それを武器に担当の廣井さんに現在の職場を紹介をしてもらいました。
今は頸動脈・腹部・甲状腺に携わっており、先週からは心臓エコーを習得するために勉強をしています。職場の雰囲気によると思いますが、「やりたい!」というアピールを諦めずにすればチャンスは巡ってくると私は考えています。私は先ほど家庭に入る前に超音波検査士の資格を取ったとお話しましたが、検査部門に配属をされたりと環境は決して良くなかったです。しかし、他の皆さんと同じように私もエコーに携わり、超音波検査士の資格を取得したいと思っていたのでまずは学会に入り、勉強会にも参加しました。あと自分のところでは勉強できないと思ったので、知り合いや実習病院でお世話になった先生などのつてを頼りました。具体的にお話をすると土日を潰してでもアルバイトに行っている先輩とか実習病院でお世話になった技師さんにくっついていって学ばせていただきました。
私が働いていた病院では超音波検査の推薦医が居なかったので探すこともしました。またそれも知り合いの先輩にお願いをして、大学病院を紹介してもらいました。自分が居る環境では難しいかったので外の環境で必要なヒト・情報・経験をなんとかかき集めて念願だった超音波検査士を取得することが出来ました。
生理検査室ではなく、心電図・検体検査と中途半端にしか携われない環境でしたが、それがむしろ人脈を広げるキッカケになりました。今でこそ心臓エコーを勉強させてもらえる環境に恵まれましたが今までは本当に無かったので「やりたい!」とアピールすることと行動することの大事さを実感しました。』

イベントに参加された方の感想

・人と人との繋がりが、視野を広げ、経験やスキルをあげるには、必要なんだと改めて学びました。
・とても為になりました。また今回のようなイベント企画お願いします。
・スキルアップのためには綿密に考えて行動していくことが大切だと思いました。

最後に

今回のイベントで印象に残った言葉があります。

「中途半端な環境だったのが逆に人脈を広げるキッカケになった」

転職相談を受けていると『学べる環境に移りたい』という方が多いです。
しかし、学べる環境(求人)は現実的にはとても少ないです。お話をしていただいた方は「環境が無いのであれば環境を作る」ということを体現されて超音波検査士の資格を取得されました。このお話は『環境に恵まれていない』と思っている方にとって参考になると思います。この方のお話をもっと詳しくうかがうために次回イベントに登壇者として依頼したところ、快く承諾をいただきました。是非、お楽しみにしてください。また今回ご都合が合わずにご参加できなかった方もいらっしゃると思います。
近いうちに交流会を企画を進めてまいりますので、是非お気軽にご参加いただけますと幸いです。

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