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【映画】『罪の声』〜小説も面白かったが、映画も良かった〜

塩田武士(著)『罪の声』が発売されたのは、2016年ということなので、私が読んだのは多分、6年ほど前のことだと思います。この小説は、1984年に発生した「グリコ森永事件」をモチーフにした物語です。1984年といえば私は19歳で、大阪市内に勤めていたので、身近な事件としてとても印象に残っています。

現実に発生した事件を元にしたフィクションという意味では、時代小説を読んでいるような感覚でもあります。
そしてその事件の犯人は、誰一人として捕まっておらず、未解決のままなのです。実際に犯人グループとその家族にどんなドラマがあったのか、誰にも分かりません。関わった人たちは、今も何処かで生活をしている筈です。もしかすると、何も無かったように、普通に亡くなっているかもしれません。
生きていれば、この小説を読んでいるんだろうと考えると、なんか不気味な気持ちになりました。


この小説が、2020年に映画化がされたのは知っていたのですが、ずっと観る機会がありませんでした。気にはなっていましたが、漸く先日、Amazonプライムビデオで観る事ができました。
小説を読んでいるので、ストーリーは知っている訳ですが、そういう映画の見方も面白いものです。同じ映画を何度も観るようなことと、多少似ています。
逆に、映画を観てから小説を読むというパターンもあります。本当に面白い作品というのは、所謂ネタバレ後でも楽しめるものです。

もしかすると犯人グループは、何度もこの映画を観ているかもしれません。
裏取り引きがあったのではないかという噂もあり、笑いながら観ているかもしれません。果たしてどんな気持ちで観ているんだろうと、正に想像力を掻き立てられる作品です。


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