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【読書】『物語 スペインの歴史 海洋帝国の黄金時代』

それぞれ国には、それぞれ歴史があって、物語があります。

世界史という地球規模の物語をある程度学んでから、一つの国の歴史にフォーカスしてみると、世界史自体が違った形で見えてきます。

西洋の歴史を学んでいると、宗教の対立と王位継承権争いに、人々は明け暮れているように感じます。


宗教の対立は、キリスト教とイスラム教、或いはユダヤ教との対立から始まり、その後キリスト教内での分裂に発展していきます。

王位継承権争いにおいては、兄弟間での争いであったり、嫡子が幼いことによる摂政権争い、それに加えて政略結婚の繰り返しが、話を常にややこしくしています。


サッカーワールドカップで、「スペイン無敵艦隊」を日本が下したということで、大いに盛り上がりました。
「スペイン無敵艦隊」とは・・・
この本を読めば理解が深まります。

無敵艦隊がオスマン帝国に華々しく勝利を収めたのが1571年です。
日本では、織田信長が比叡山を焼き討ちした年です。

既に大航海時代が始まっていた西欧では、スペイン及びポルトガルと日本はとても深い繋がりがありました。
1543年に種子島に流れついた中国船に乗っていたのは、ポルトガル人でした。
そのポルトガル人が所持していたのが鉄砲です。
その後1549年に、日本にキリスト教を伝えた宣教師、フランシスコ・ザビエルは、スペイン人でした。


この頃の戦争は、鉄砲や大砲などの火薬を使うようになってきていたとは言え、その精度は全く低レベルなものでした。
情報についても、現在と比べると、原始的な方法しかありませんでした。



今は宇宙からの情報が瞬時に全世界に伝えることができます。
アラビア半島からペルシャ湾に突き出た国で起こっている、サッカーボールのある瞬間の位置が、数ミリ単位でどこにあるかという情報が、アジアの一番東に位置する島国に伝えられて、その国の国民の数千万人が歓喜に沸く世の中です。


世界各国は、社会主義と民主主義の対立、エネルギーの争奪戦、そして経済の覇権を競い合ってきました。
今現在も、歴史という物語の1ページといえます。

何年か後に歴史を学ぶ人が、こんな愚かな時代があったと言われない様な1ページにしたいものです。

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