心理的安全性(5)ブレーンストーミングのお作法

アウトプットを出すための「場を作る魔法のルール」ということで、良く知られているものでは、

「KJ法」、「SixHat」などツールを使ったものなどが挙げられます。

「KJ法」は思ったことを付箋に張り出して、整理していくやり方です。これは、職場などでも実践したことがあったり、無意識に「付箋に書いて張り出してみて!」と同じような手法を使われている方も多いのではないでしょうか?

他にも「会議のルール」を模造紙(ポスター)に書き出して貼ってあったりすることも良くありますよね。

私が現場でアウトプットのお手伝いをするときには「ブレインストーミング」を採用することが多いです。

長いので「ブレスト」という方も多いです。言葉は聞いたことがあったり、実際「使ってるよ」という方も少なくありません。しかし、「ブレストのルール」について確認してみると、「なんとなく」やっている人のなんと多い事か、と感じてしまいます。

正しいブレストをやったことがある、または、経験しているひとは、決して多くはないです。むしろ、ブレストに良い印象を持たない人がかなりいるということです。(伺がうと、「強制的に意見を言わされた」「思いっきり意見を否定された」など)これはとても残念なことです。

ブレストは、広告代理店の副社長であったオズボーン氏が考え出したといわれる「創造性開発」手法で、さかのぼると1940年前後のことらしいです。まさに現場で生まれた手法といえます。

ブレストは四つのルールから成り立ちます。(現場における私なりの解説例です。。。)

「批判厳禁」 相手の意見を否定しないということです。正式には、その場で決めようとしないという意味ですが、参加者には、「否定されないんだ」というのが一番刺さるようなので、このようにご案内をすることが多いです。あとは、「他者の意見に、必ず反応してください!」と付け加えています。まさに「安全性」の確保ですね。

「自由奔放」 奇抜な発想も受け入れるということですが、「いい意味で無責任でお願いします!」とご案内します。最も避けなければならないのは、「いい発想が個人の判断で世に出てこないこと」だということを確認しています。(自分で善し悪しを判断しない。かならず発想を世に出してみる)こちらも「反応してください!」と伝えます。「その発想はなかった」、「それは盲点だった」とかの反応例もご紹介します。

「質より量」 とにかく出してみるということですが、「ハードルを上げないでくださいね!」とお伝えすることが多いです。自分の発想をについて、自分で蓋をしないということですね。

「便乗歓迎」 私が一番好きで、これがブレストの醍醐味だと思っています。いつもなら失礼に当たる(?)人の意見の乗っかりを良しとするのです。「乗っかってくれてありがとう!」くらいの気持ちで進めましょう!とお伝えしています。

実際ブレストを進めていると、相手がいて自分の意見に前向きな反応をしてくれることは、ある意味衝撃的だそうです。(参加者の皆さんから良く出てくる言葉)これは、普段、承認をしてもらうことが少ないということの裏返しでしょうか?

そして、このブレストのルールの浸透を図るために、「直前にルールを再確認する」というのが効果的なんだといつも感じています。

時間を区切って実行したり(長時間は難しい、30分以内で集中するのがベスト)意見をホワイトボードなどに「見える化」するのもいいですね。

(つづく)


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