令和のEvolve『ドラゴンボール ザ ブレイカーズ』がめちゃくちゃ面白い
2022年も残り3ヵ月を切った頃、様々な意味で衝撃的な非対称対戦ゲームがリリースされた……その名も『ドラゴンボール ザ ブレイカーズ』だ。
今は亡きEvolveの精神的後継作品
『ドラゴンボール ザ ブレイカーズ』(以下ブレイカーズ)は1対7の鬼ごっこゲームだ。
レイダー(鬼)はサバイバー(生存者)を皆殺しにすることを目的とし、サバイバーはレイダーから逃げつつ鍵(キー)を集め、タイムマシンを起動することで脱出することを目的としている。
ここまで聞くと、同じく非対称対戦ゲームとして有名なタイトル『Dead by Daylight』(以下DbD)を想起するが、DbDとブレイカーズでは致命的に違う箇所が1つある。
サバイバー(生存者)がレイダー(鬼)を倒すことができるのだ。
サバイバーはマップ中に散らばるチェンジパワーと呼ばれるアイテムを集めることで変身し、一時的に超戦士の力をその身に宿すことができる。
本作におけるサバイバーは、通常の鬼ごっこと違い鬼に逆襲することもできる。
もちろん、同数の戦いであればレイダーの方が力の差で圧倒できるし、サバイバーの変身時間も限られており、下剋上は容易にはできない。
だが、レイダーがもたもたしていると、大量のチェンジパワーを集めたサバイバーが束となって襲い掛かり、文字通り袋叩きにされる。
そういった狩るもの、狩られるものの立場が常に流動していくところはDbDというよりもEvolveに近い。
個性的なレイダー
レイダーも易々とサバイバーに狩られない為に、マップに点在する民間人やサバイバーを襲い、エネルギーを吸収することで進化を狙っていくことになる。
進化することでより強力な必殺技を使用できるようになり、効率的かつ迅速にサバイバーを始末することができるようになる。
発売時点で使用可能なレイダーはセル・フリーザ・ブウの3体のみだが、いずれも違った強みがあり、また今後のアップデートでレイダーが追加されていくことも明言されており期待できる。
……と、ここまでが一般的なこのゲームの説明であり、ここからは何故このゲームがめちゃくちゃ面白いのかを解説していこう。
レイダーを囲んで棒で叩く、原始的で野蛮な面白さ
先ほど、変身によるサバイバーの下剋上要素があると書いたが、これが非常に面白い。
このゲームには格闘攻撃を受けた際にかなり長い拘束時間が発生するのだが、拘束中に無敵時間のようなものは一切ない。
そのため、数で勝るサバイバーが3,4人で同時に殴りかかることで、ほぼほぼハメ技に近いことができる。
力で勝るレイダーといえど、一切反撃できずに集中砲火を受けるとものの数十秒で体力が削りきられてしまう。
一応、サバイバー側には変身にクールダウンがあり、連続した変身はできないようにはなっているのだが、クールダウンを解消するアイテム(※1)を使用することにより連続での変身が可能となる。
そうなると一転、狩るもの、狩られるものの立場は逆転し、レイダーには逃げに徹して変身時間が終わるのを待つほかなくなる。
この鬼ごっこの鬼をどつきまわす快感は他のゲームでは味わえないブレイカーズ独特の楽しみと言えるだろう。
ぶっ飛んだスキル群とTier1『クリリンの靴』
上述のサバイバーによる下剋上を後押しするのがサバイバーが使用できるスキルだ。
サバイバーはガチャ(※2)やショップの購入で入手したスキルを最大4つまでセットして使用できるのだが、その多くがぶっ飛んだ性能をしている。
この記事ではその中でも特に強力とされる2つのスキルを紹介する。
まず、最初に紹介するのが『サイヤ人ポッドリモコン』。
サイヤ人ポッドリモコンは使用することで1人用のポッドを呼び出すことができるのだが、なんとこのポッド、乗り込むことでマップ上の任意の場所まで瞬間的に移動できる。
今まさに、レイダーが目の前に迫っているという状況ですら、乗り込めさえすればマップの反対側まで移動し振り切れるのだから、鬼ごっこを根幹から否定していると言っても過言ではない。
開発もこのスキルの凶悪さを認識しているようで、βテスト時代から2度のナーフを受けている(※3)。
次に、紹介したいのが現在サバイバースキルTier1と名高い『クリリンの靴』だ。
名前だけ聞くとふざけているようにしか思えないが、効果の方も大概ふざけている。
なんとこのスキル「約5秒のスタンを与える遠隔攻撃(クールダウン30秒)」なのだ。
鬼ごっこにおけるチェイス中に5秒というのは致命的で、レイダーがこのスキルを食らうとほぼほぼ間違いなくサバイバーを逃がすことになる。
しかもそれが遠隔で、30秒ごとに使えるのだから堪ったものではない。
もちろん、戦闘中のレイダーに当てればほぼ確実に次の攻撃に繋げることができ、逃走・戦闘の両方の面で最強レベルのスキルなのだ。
上述のスキル以外にも、レイダーより早い速度で移動できるバイク(※4)など、強スキルが多数あり、それらがサバイバーの生存を大いに後押ししている。
レイダーでヒール役を演じる楽しみ
という訳で、ここまで散々サバイバー側の強みばかりを紹介してきたが、実際のゲームにおける勝率ではレイダーもサバイバーも五分五分に近い。
まだまだ製品版が発売されたばかりであり、ここから環境が煮詰まることでどう変わっていくかは想像できないが、少なくとも現状ではかなりバランスのとれた非対称対戦ゲームであることは間違いない。
レイダー側も、序盤にサバイバーを1人か2人ほど脱落させれば、サバイバー側に相当厳しい選択を突きつけることができ、うまく虐殺できた時には脳汁が溢れ出るほどの快感を得ることができる。
やはり強者となって弱者を嬲ることほど楽しいことはないのだ。
時には、上述の如く、サバイバーに袋叩きにされることもあるが、そういう時でもレイダーにはヒール役に徹するという楽しみ方がある。
このゲーム、レイダーのエモートがやたらと豊富なのだ。
野良でプレイしていても、形態変化の度にエモートをしてくれるレイダーも少なくないし、時には命乞いのようなエモートをしてくるレイダーもいる。
非対称対戦ゲームである以前に、ドラゴンボールのキャラゲーであることもあり、こういった楽しみ方ができるのもブレイカーズならではだろう。
皆もやろう、ブレイカーズ
このゲームが手放しで称賛できる神ゲーかというとそうではない点も多い。
通信周りに問題が多く、頻繁にエラーで切断されるほか、ラグによって無からダメージを食らうこともある。
バランスが良いとは言っても一部壊れとしか思えない性能をした必殺技やスキル(※5)があることも否めない。
だが、荒削りな部分があることを認めつつも、総じて今後が期待できる良ゲーであり、筆者個人としては2022年最も熱いゲームだと思っている。
価格も2000円と良心的であり、もしこの記事を読んで興味を持ったのであれば是非購入してプレイして欲しい。
注釈
(※1) クールダウンドリンク。1つにつき、クールダウンが約40%解消される。何故か変身中にも使用でき、変身中に使用すると変身が解けた直後にクールダウンが終わるというバグのような挙動をする。一応これでもβテストの頃よりはかなり弱体化された。
(※2) このゲームのスキルはショップで購入できる一部を除いて、ほとんどはガチャで入手することになる。有料ゲームであるにもかかわらずソシャゲと同様のガチャを実装していることには批判の声も多く、Steamで低評価レビューが多いことの原因となっている。
(※3) 初期の頃はクールダウンが90秒で現在よりも使用時間が短かったのだが、現在はクールダウンが倍の180秒になり、使用時間も長く、そこそこ強いスキル程度の扱いを受けている。
(※4) ホイポイカプセル(一輪バイク)。スキルレベルが上がるまではブルマでないと使用できないという縛りがあり、サービス開始時にサバイバーをブルマ一色にした張本人。初期状態で所持しており、ガチャが不要なのもあって正直これが一番強いスキルなんじゃないかと筆者は思っている。
(※5) だいたい魔人ブウのせい。
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