MLを書いてみた結果4(終)
関連note
書きたいBLの話をします
MLを書いてみた結果1
MLを書いてみた結果2
MLを書いてみた結果3
ML試し書き4
こんにちは目箒です。
このMLを書いてみたシリーズも4回目! そしてこれが多分最終回です。
さて、前回までは、発端→出会い→ターニングポイントを見てきました。今回はくっつくところです。まあ最終回ですしね。
メリークリスマス
中堂はケーキを前にため息を吐いていた。小田桐はまだ帰って来ない。
(いや、でも小田桐くん帰ってくるから……待っていればちゃんと帰ってくるから……)
十二月二十四日。午後六時三十分。この前のこれくらい待ってから「食べて帰ります」という連絡を受けたが、今日は違う。小田桐の方から、「今日は絶対うちで食べますから、待っていてください」と言い渡されているのだ。
絶対と言った。彼が言うならそうだろう。小田桐は変なところで律儀だ。先に言ったことを破ることはほとんどない。
小田桐の律儀さに対して全幅の信頼を置いている中堂。可愛いじゃないか。
基本的にこの人、尽くす男なんだろうな……ってここまで書いて思いました。好きな人に尽くしちゃうんでしょ……。ただし「尽くしてます」って絶対態度に出さないんだよ……。
なので小田桐も尽くされてるって全然思ってないし、なんなら自分が尽くしてるって思ってそうですけどこれは中堂の自業自得なので仕方ないね。
ということでこの前のお夕飯よろしく可愛くため息なんて吐きながらダーリンの帰りを待っているわけです。
超楽しみにしてた中堂
小田桐が帰ってくる。そう考えると、朝からずっとそわそわが止まらなくて、中堂は気が付くと外出していた。駅前のケーキ屋に行って、行列に並び、ショーケースに飾られていたケーキをホールで購入した。
「ご予約のお受け取りですか?」
コックコートを着た店員がにこやかに尋ねる。
「いいえ、この小さいの一個下さい」
店員は拍子抜けしたようだった。芸能界にいそうな美形が、クリスマスケーキの予約もしていないなんて! とでも言いたげな顔だ。中堂がにこっと笑って見せると、店員はこくこくと頷いてケーキを取り出した。
恋の力って偉大だろ……? ハイパー傲慢女王様系男もクリスマスのケーキ屋に並ばせるんだぜ……?
そして中堂は自分の顔の良さをよーーーーーーくわかっているので、にこってすればそれ以上追求されないこともわかっています。
そのケーキを目の前にして、中堂は頬杖を突いている。フライドチキンも買った。シャンパンも買った。後は小田桐が帰ってくるだけだ。
(残業かな……)
インフルエンザの流行る時期だ。処方も増えるだろう。忙しいのかもしれない。
スマホをいじったりしながら待ち続けている。十九時五分。玄関から鍵の開く音がした。はっと顔を上げる。小田桐が帰って来たのだ。そうでなければ泥棒だ。
そう、この男フライドチキンまで買ってるんですよ。ハイパー浮かれモードです。
いやでも好きな人から「クリスマス一緒に過ごしましょう」って言われたらそりゃ浮かれるよね。
それにしても「小田桐じゃなきゃ泥棒」ってこれわざわざ言う必要ない気がしてきた。削ろう。
衛生観念
「お、遅くなりました……」
「全くです……なんですか、それ」
中堂は、小田桐が持っている、小さいながらもしっかりとした作りの紙袋を指した。銀の箔押しで店名が記されている。菓子店……ではなさそうだ。「わ、美味しそう。ありがとうございます」
「いえ、それは良いんですけど、随分半端な時間ではありませんか?」
「ちょっと、二駅向こうに行ってました」
「なんで?」
「手を洗ってうがいしてきて良いでしょうか?」
「はあ」
小田桐はコートを掛けて荷物を置くと、慌ただしく洗面所に駆け込んだ。本当に何だろう、この紙袋。二駅行ってたって、まさかこれのせいか?
別にナントカ警察をやる気は一切ないんですが、私どうしても「衛生観念のない医療職」って言うのがちょっと無理なんですよね……。クリスマスとかインフル真っ盛りじゃん。
ということで無理矢理にでも手洗いうがいに行かせます。
そして紙袋の中身なんてペアアクセに決まってるんですけど、自分のことに鈍感な中堂さんはそんなこと気付きません。
天邪鬼中堂
「お待たせしました。座って座って」
中堂を座らせると、小田桐も紙袋を持って椅子に座った。
「ちょっと目をつぶっててください」
「何でですか。君、さっきから何も説明が」
「後で全部説明しますから」
中堂が仏頂面で目を開けたままにしているのを見て、小田桐は諦めたように紙袋から小さな箱を二つ、取り出した。どう見てもアクセサリーボックスで、中堂は度肝を抜かれる。何でそんなものを。
「それ、くれるんですか?」
「はい、あげます」
箱の蓋が開いた。シンプルな金属プレートに、小さな石がはまっている。そんなネックレスが、二つ。シルバーとピンクゴールドだ。
「俺と、揃いでこれ持ってくれませんか?」
心臓が高鳴っている。こめかみの血管が脈打っているのがわかる。
これ、ペアリングにしようと思ったんですけど、小田桐のことだから絶対中堂さんの指輪のサイズを事前に調べるとかできないと思ってネックレスにしたとかまさかそんな。
指輪の方がスマートですけどね。
泣いちゃった中堂
「泣かないでください」
小田桐に請われて、中堂は自分が泣いていることを知った。
「ひ、酷い。私がどれだけ苦しいか知らないでそんな、そんな」
「ごめんなさい」
「小田桐くん、これ」
「あげます。俺の気持ちです。中堂さんが好きです」
返す言葉がなかった。中堂は立ち上がると、小田桐の胸倉を掴んで立たせた。うろたえる彼を、ソファまで引きずって放り出す。
「中堂さん」
その上に、覆い被さった。
「小田桐くんの馬鹿……こんなベタベタなことしやがって……」
「お気に召さなかったらごめんなさい」
「それは心配しないでください」
首にかじりつく。
「中堂さん」
「もう、本当に馬鹿です。さっさと出て行ってれば、私なんかに捕まらなくて良かったのに」
それを聞いて、小田桐の腕が中堂の背中に回った。はっきりとした言葉を使えない、中堂の気持ちを汲んだのだ。
「しょうがないじゃないですか、もう、捕まっちゃったものは」
「うるさい、言い訳するな」
八つ当たりの声に覇気がない。甘く崩れている。
「小田桐くんが変なことするから、ずっと苦しいんです」
心臓がずっと早い。
「中堂さん、顔見せて」
「嫌」
色んな感情を一気に自覚してしまって泣いちゃう中堂。
密かに思い入れてたパトロンに捨てられた挙げ句、若いのあてがわれちゃったりして散々だったし仕方ないね。
中堂の方が体格が良いので、小田桐くんをソファまで引きずって行くのはたやすいのです。
小田桐は、自分が首を動かしてようやく届く耳殻に軽く口づけた。中堂が驚いて顔を上げると、その唇を塞いだ。
「こういうのは、全部中堂さんに教えてもらったので……」
「しししし、仕返しとか子供ですか!」
「中堂さんから見たら子供ですよね」
「うるせぇ、人の揚げ足ばっかり取りやがって!」
「ね、俺、お腹空きました。そろそろご飯しましょう?」
「明日は」
「休み取ってあります。ごめんなさい、わざとカレンダーに書いてませんでした」
「最低……」
小田桐に肩を叩かれて、中堂はずるずるとソファから降りた。
普段敬語キャラがこう言うときに口調を荒げたりするの好きなんですけど中堂さん割と取り繕う系のキャラだから見栄えが良いですね(見栄えとは)。
当然この後めちゃくちゃほにゃららします。
起承転結書いてみて
これ、書けるのか?
というのが正直な感想です。ガハハ!
とは言え最後の泣いちゃう中堂さん書いてたら割と可愛くなってしまったので中堂のために書ききってしまいたい気はします。
投稿するとしたらフジョッシーかムーンライトノベルズ、あるいは全年齢に調整してカクヨムって感じですのでもしお目にとまりましたらお願いします。
ここまでお付き合いくださってありがとうございました!
これはとても真面目な話ですが生活費と実績になります。