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音楽

好きなバンドが新譜を出した。他のバンドとコラボしたEPだった。
個人的にはそのコラボに胸を打たれるような相乗効果を感じず、「コラボなしでの新譜が聴きたかった…」と思わなくもなかったが、バンド活動をしている現在の身からすると、彼らがその音源を作るに至った情熱や苦労がその新譜に詰まっているのだから、これはファンのわがまますぎるなと反省する。

ところでその流れで、そのバンドが過去にコラボしていたミュージシャン・ヒダカトオル(日高央)さんのバンド「BEAT CRUSADERS」を思い起こす。(このビークルとのコラボ、非常に格好よくて絶品であった)わたしは大学のバンドサークルに入って初めてこの”ビークル”を知り、楽曲をコピーして演奏したこともあったのだけど、当時自分はこのバンドをシンプルな構成の王道ロックバンドとして捉え、深くハマらないまでも一通りの楽曲を視聴した。
そんなビークルは2010年に解散。あれからもう14年もの月日が経っているが、相変わらずなんとなく自分のそばにある音楽である気がするのは不思議だ。で、せっかくだからとわたしは例のEPを視聴したあとに、久しぶりにビークルの音楽を聴いてみることにした。

変な例え方だけど、満員電車でずっと立ちっぱなしだったわたしのために、シートの一席が残されていたような、嬉しさと安心感を覚えるような、そんな音楽だった。さらっと歌っているけれど耳に残るグッドメロディ、このメロディがあるから楽器隊はシンプルで良くて、でもその陰には気持ちよくダイナミクスがつく構成があって…といったことを、今さらながら気づく。なんだかバンドの理想形みたいだ。わたしは始終衝撃を受け、どんどん次の曲を聴きたい、とスピーカーに釘付けになってしまった。

わたしも、「このメロディが良いんだよね」と言われるような曲を作ってみたい。自分が音楽でやってみたいことが、まだまだあるかもしれない。細く長くでも良いから、”一本芯を通すこと”を忘れずに、これからも音楽を続けていきたいと思った。

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