見出し画像

自分で自分を楽しませる方法とは?

私はドイツに留学し始めてから、自分と向き合い、自分について考え続けている。そこで、日本人の大きな課題を1つ見つけた。

それは、日本人の多くは、自分という1人の人間へ深い理解が全然できていないんじゃないかということ。

私は大学でリーダーシップ育成科目を注力して学んでいて、その授業形態からしても、他の大学生よりも自己分析、他者分析をしてきた自信があった。だから、自分について知っていると思っていた。それは、自分の性格や強み、弱み、趣味などについてである。例えば、毎日違う服を着たいと思うほど服好きであることや、友達と長電話する、ランチに行く、温泉に行くことなどが私の趣味であった。

ただ、ドイツに来てみて、”モノ”以外での自分の"スキ”がわからなかった。大学4年間モチベーションが下がることはなく、自分でも考えられないほどすべてに対してモチベーションが非常に高かった。なのに、ドイツに来てモチベーションのあげ方、保ち方がわからなくなった。

なぜなら、ドイツでは、ジーパンにTシャツ、パーカーやシャツといったシンプルな服が多く、ファッションにお金をかける人も少ない。また、ご飯に関しても冷食と呼ばれ、3食冷たいご飯で、基本的にパンにチーズやハムなどをのせて食べる。お惣菜や買ってそのまま食べれるものもほぼ売っていなくて、どんなに疲れていても自分で作って食べる必要がある。円安の影響もあり、レストランが高かったり、レストランの種類も少ない。日曜日はショッピングセンターやスーパーなどが閉まっている。毎日シャワーのみの生活。11月から2月まではお日様が出る日は月に数えられるほどで、曇りか雨の毎日。

つまり、日本で当たり前だったことはもちろん、好きだったことや趣味であったことができない環境になった。

そこで、ドイツ人にフリータイムで何をしているの?と聞くと、散歩や読書、サイクリング、芝生で寝る、友達とカフェに行くと回答した。友達と散歩をするのが楽しいといった。

この回答を聞き、最初はこの考え方が全然理解できなかった。例えば、日曜日にお店がやっていなくて、散歩をしているだけで、どうして充実感や幸せを感じられるんだろう。と。

そしてある時ふと私は気が付いた。

日本で暮らしていると、”モノ”で自分のモチベーションを上げやすい。いや、むしろ自分を含めほとんどの人がそうであると。かつ、外的要因に左右されていることが多い。

具体的には、多様なファッション系統があったり、新作商品が定期的に発売されたりする。つまり、「あれがほしいから頑張ろう。」や「今日は頑張ったからご褒美にこれを買おう」といったように、知らず知らずの間に服であれ、食であれ、何かしらの”モノ”で自分を満たしている。

それが突然できなくなった時、
自分のことを自分でどうやったら楽しませられるだろう?
モチベーションを上げられるだろう?

毎日曇りや雨で暗い日が数か月続いたとき、
あなたはどうなり、何を感じるだろう?
どうしたら、外出したい、洗濯を干したいなどと思い、
自らが自然と動きだすだろう?

衣食住の基盤が日本よりも整っていないと言われる国の人の方が、
幸福度が高いのは、笑顔が多いのはどうしてだろう?

あなたはすぐに回答できますか?

私は、全くそれが分からなかった。

しかし、ドイツで生活を続けていく中で、芝生で寝っ転がりながら塗り絵をしたり、散歩に行ったり、友達とピクニックをしたり、近所の人とカードゲームをしたり、ストレッチをする時間に充実感を感じるようになった。自分の好きをもっと知るために一人旅にも出るようになった。そしてこれらの多くは、幼い頃に好きだったことと繋がっているなと思った。

以前は、散歩している時間はもったいない。などと思っていた。でも、今は散歩をすることで、見える景色や聞こえる人々の声、街の音、触れる空気や香りなどが広がった。それによって、考えることも感じることも変わった。



「モノ消費」「コト消費」どちらがいいとか悪いとかではない。
どちらもよい。
そういうことではなくて、日本人は、日常の中で、
自分をもっともっと楽しませる方法や
幸せだなと感じることを知る必要がある。

何か1つ好きなことがなくなったから、できなくなったから、
当たり前のことがなくなったから、
お金があまりないから
その瞬間や人生楽しめないなんてもったいない。
いつ何が変わって、何がなくなるかわからない。

仕事のスキルや知識以外の自分のことで
自分の引き出しを増やしていくべきである。

それに時間を割くべきである。私はそう思う。



日本食は世界で一番おいしいと思うし、日本の街やトイレなどは綺麗。何でも手に入って、快適で困ることはほとんどない。新作や種類が豊富で、どんどん新しいものが手に入って、楽しみが自然と訪れる。だけど大切なのは快適さでも、次々と何かが生まれることでもない。その分、人が働いているのが現実。そうではなくて、もっと人の奥底を深くを知っていこう。

そしたら、きっと幸福度も、仕事へのやりがいも、生きがいも、教育方法も、何もかもが変わっていく。この日本のすばらしさを、世界に誇れる美しさと唯一無二の文化、伝統をこれから何十年後も残していくためには、まずは日本人が変わらないと。

私は残りの留学期間で、ドイツ人の幸せへの考え方をもっと吸収していきたい。そして、自分、友人、家族、仕事、すべてを大切に、そして一人でも多くの人が毎日小さなことに幸せを感じられる世の中を創りたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?