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第二子の出産記録②

出産当日

帝王切開なので「産む」という感じはないが、新しい命をこの世の中に送り出す日。

朝から絶食。唯一水分は手術の数時間前まで飲んで良い、ということなので、今まで控えていた甘い乳酸菌系ドリンクを飲みまくる。

手術は12時過ぎから始まった。
さすがに二回目になると、肝も据わってきて、はい、どうぞ切ってください、的な感じになる。

ただ、帝王切開って、真っ裸で、手術台に両手両足はりつけにされた体勢になるのが、なんだか辱めを受けている感じ。。。

手術台にあおむけになると、上の照明の淵が銀色になっていて、自分のお腹が切られているのが若干見えてしまった…。
うお、グロイ。

赤ちゃんは逆子だったのでおしりから引っ張り出す。
頭がつかえて、なかなか出せない様子、先生が私のあばら骨あたりをグイっと抑えて引っ張り出す。押す力が強くて吐くかと思った。

エイッ、と引っこ抜くと、よくある元気な「オンギャー!!!」が聞こえてきた。

元気な男の子が生まれた。

まだ両生類の感じ。

その瞬間、涙腺が崩壊。別に自分で頑張って出したわけではないのに、涙があふれ出てきた。赤ちゃんは元気によく泣いていた。

きっと、誕生の瞬間は何度体験しても、感動するのだと思う。


元気に生まれてきてくれてありがとう。


赤ちゃんは体をきれいにしてもらった後、私の横に連れてこられ、
写真やビデオを撮ってもらった。

それまでは泣いていたのに、私のもとに来たら泣き止んだ。
「ママがわかるんだね」と助産師さん。
「ウー」と赤ちゃんが返事した。 

生まれたての赤ちゃんは、本当に赤いし、
骨と皮だけののがりがりのサルみたい。お世辞にもかわいいとは言えない(個人的な感想)。

だけれど、約10か月お腹の中にいた子に初めて会った瞬間は、何とも言えない感情に包まれて、愛を感じた。

感動の傍ら、先生は私のお腹を縫合していく。
それと共にだんだんお腹の痛みが増していく。
そう、子宮収縮が始まった。これが本当に痛いんだよなぁ~。

それから赤ちゃんは新生児室へ、私は入院部屋へ。
そこからしばらく、麻酔が効いている下半身は動かないし、子宮は痛いし、
声を上げて唸るほどもがきまくった。

家族との対面

病院が夫に出産の無事を知らせたので、夕方夫と娘が面会に来てくれた。

娘はベッドに寝て動けない私を見て、心配そうな顔をしていたが、
すぐににっこりして、私に会えたことを喜んだ。

そして赤ちゃんを見た娘は興味津々で、
「あかちゃん、かわいい」「いいこ、いいこしたい」
とすでにお姉さんになっていた。

弟に興味深々。

2才3か月なので、赤ちゃん返りしたり、やきもち焼いたりするかな、と心配していたが、
赤ちゃんが私のお腹の中にいることを理解していて、
自分はお姉ちゃんになることを理解していたことを知った。
そして、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていたことも知った。

ありがとう、いろいろ我慢させちゃったよね。
つわりの時は全然相手にしてあげられなかったし、最後の方は抱っこもしてあげられなかったし。

夫は、生まれての赤ちゃんを抱っこして、感動していた。
娘が生まれたときは、コロナ禍で、病院に入ることさえ許されなかったため、
生後7日目でようやく対面を果たした。

今回、息子は生まれて数時間で対面ができた。
夫と赤ちゃんをすぐに合わせてあげられて本当に良かった。

感動をよそに、私のお腹の痛みが増す。
その日は唸りながら寝れない夜を過ごした。
そしてお腹がすいてきて、食べ物のことしか考えられない夜を過ごした。


つづく


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