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故郷へ錦を飾る【吉良式発想法&視点】

どうもどうも、吉良です。

7月も下旬となり、これから夏休みやお盆休みで故郷に帰る方も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルスの影響で長く故郷に帰れず、恋しく感じたり故郷に思いをはせたりしている方も多いかもしれません。

僕も故郷を大切にしています。
なぜなら、故郷を大切に思い努力し、錦を飾ろうとすることはいつか自分自身を成長させてくれるからです。

マンガデザイナーズラボでは僕の故郷である大分県豊後大野市の歴史を「マンガデザイン(R)」を使って、紙芝居・絵本で表現する機会を得ました。いつか自分の故郷大分に恩返しがしたい、という強い気持ちを持って取り組んだ結果、地元の大分合同新聞でも大きく取り上げられる作品を制作することができました。

また、客員教授をしている大阪芸術大学では「教養演習」という様々な学科の学生が交流できるような講義をおこなっています。その講義を4年間受講してくれた卒業生が、赤坂ACTシアターに立つ姿を観劇してきました。この後、彼女が4年間学んだ大阪の地での公演も予定されています。

今回は、この2点を振り返りながら「故郷」について書いていきたいと思います。

【1】郷土愛の醸成と啓蒙
  『いぬかいれきしものがたり』

川湊犬飼_紙芝居_表紙

(川湊犬飼町の紙芝居・絵本『いぬかいれきしものがたり』)

まず、郷土の紙芝居と絵本について。大分県緒方町には、父の実家である吉良酒造があり、その近くには大野川が流れています。その川沿いの豊後大野市在住のいとこ、宇野克彦氏(通称グリちゃん・僕のサッカーの師であり、2017年5月5日に大野川で流された子どもを救助した当時75歳の医者)から依頼されたことがきっかけで初めて故郷大分の仕事をする機会を得ました。

2019年10月、ワールドカップラグビーのイングランドvsオーストラリアの試合を観戦した後の食事の席でグリちゃんから次のように言われました。

生まれ育った町「犬飼」。「この「犬飼」という地にどのような歴史があり、どうしてこのような町名になったのか。この歴史・由来を今の若い人々はなかなか知らない。振り返る機会もあまりない。子どもたちにこそ興味と郷土愛を持ってもらい、未来に紡いでほしい」という想いを託された訳です。

その想いを受けてマンガデザイナーズラボでは紙芝居と絵本を制作、豊後大野市の小学校や図書館などの施設に配布されました。
これが好評をいただき、地元大分の新聞社、大分合同新聞社でも大きく紙面を割いて掲載されました。そのうえ絵本の増刷まで決まりました。

郷土愛をこれからの世代にもつないでいく、そのお手伝いをすることで初めて故郷大分に小さな恩返しをすることができ、とてもやりがいのある仕事になりました。

【2】成長した姿で凱旋する
  ミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~

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この舞台に出演する高橋伶奈さん(キャスト一覧の右下)は、舞台芸術学科に所属し、先述した僕の「教養演習」の講義を4年受講していた学生のひとりです。
本来であればこの講義は1年間の講義を受講し、テストや提出物をこなして一定の点数を取れば単位をもらえるもので、単位のことだけを考えればその後受講する必要がありません。

それにも拘わらず彼女は、学科の講義やその他稽古の合間を縫って翌年の僕の講義にも参加してくれました。翌年も、そのまた翌年にも。

この「教養演習」は、総合芸術大学であるはずの大阪芸術大学の学生たちが学科やコースなどで分けられ、自分が所属する学科の生徒としか交流ができていないのを目の当たりにしたことをきっかけに、普段では交流しないであろう学科・コース同士での交流や考え方の共有ができる講義としておこなっています。

この僕の想いに正面から向き合いつつ、絶対に休まない、休む時は必ず連絡するとてもしっかりした学生でした。当時の夢はいつか劇団四季の舞台に立つこと。そのために努力し続ける姿は、卒業してからも気になっていました。

しかし、2020年、新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を奮い、何をしていいかわからない状況が続いていました。

その間も「舞台に立つ」目標に向けてたゆまぬ努力を続けていました。先が見えないこの1年間、場所を東京に移すなど試行錯誤をしながら。

そしてついに2021年7月から「舞台」に立つ願いが叶いました。
それも、音楽にいきものがかりの水野良樹さん、出演に同じ大阪芸術大学出身の古田新太さんや尾上右近さん、ともさかりえさん、六角精児さんなどと豪華な面々が立ち並ぶ舞台です。

大学卒業後はじめての舞台がこのような大きな舞台。
客席から観た教え子の姿はキラキラと華やぎ、何より「舞台に立つこと」を心の底から楽しんでいるようでした。

その公演も先日東京公演が終わり、次は2021年7月30日(金)から大阪のオリックス劇場にて公演予定です。かつて彼女が4年間努力し続けた大阪の地で、大きな舞台に立って成長した姿を披露する。これも「故郷へ錦を飾る」ひとつの形と言えるのではないでしょうか。

【3】故郷へ錦を飾る

マンガデザイナーズラボにも様々な地域出身のデザイナーが在籍しており、故郷の絵はその出身デザイナーに描かせています。なぜなら故郷の両親や親戚、友人たちに喜んでもらうことが親孝行につながり、それも故郷へ錦を飾ることと考えているからです。

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(大阪出身のデザイナーが大阪メトロ様のビジュアルを制作)

近年、郷土愛を持つ人が少なくなった、と言われています。
僕が機会をいただいた紙芝居・絵本での郷土愛の醸成や啓蒙、大阪の舞台に帰ってきた彼女のように、郷土愛を持ち「故郷へ錦を飾る」ことはとても素晴らしいことであり、自分を奮い立たせる成長の機会だと思います。

このコロナ禍で今年も帰省は難しい皆さんも、テレビ電話やネットの普及で、離れながらも故郷と触れ合えるチャンスを創り出すことができます。

今こそ故郷の家族・友人達と連絡をとったり、地元のお祭りが今どういう状況にあるのか、出身校は今どうなっているのかを確認してみたり、そしていつか「故郷へ錦を飾る」こと、何か故郷にできることはないか思い描いてみる期間にしてみてはいかがでしょうか。

最後に、大阪芸術大学のマンガデザイン論の講義の中で学生が描いた「自分の故郷をPRする」ことをテーマにした課題より、作品を紹介します。
自分の故郷をこのように表現して魅力を見直すのもとても良いですね。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 上原 龍平さんの授業課題作品)

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