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卒業式のとき、わたしはいつも孤独だ。



大学のゼミを卒業したとき
会社で学生インターンを送り出すとき



気づく。



あぁわたし、真正面向いて送れる言葉を持ってない




伝えたいことも何かわからないし、
一人一人の顔も入ってこない


また「役割」に、徹しすぎていたんだな と。



誰と会話してたんだろう
わたしは今、何の言葉を交わしているのだろう

この笑顔は、この話題は、この喉から出てくる音声は、誰が今、話しているのだろう

こんなにも不器用で、喉元に詰まっているのに
こんなにも目を合わせるのが怖くて、正面に立つのを恐れているのに

だけど仲間になりたいと、本当は思っているんだと
影で隠れながら、どうかスポットが当たりませんように、と身をこらして、周りの空気の揺れ方と、同じように肩で空気を揺らすわたしが、仲間に入れないかな、と裏側でひっそりと思ってる

家に帰れば真顔のわたし
人と離れれば真顔のわたし

毎朝ビルの中に入った瞬間、組織という役割に入るから、
その役割に相応しい視野と、コミュニケーションを取るだけ。

テンションのズレが起きてたら、それを調整するだけ 傷つかないように、言葉に焦らないように、薄い膜一つ張って、両手でコントロールできるだけのわたしを操縦している




いま、わたしが伝えたいことは?
そんなこと、考えたことがなくて




いま、わたしが話したいことは?
そういうのも、わからなくて



ただ、話せばおもしろいネタができた
今日雑談で話せるネタができた
相手はこういう体できているから、こんなテンションで接したら、良いかもしれない
って。



ずっと。


ずっとわたしだけ、スポーツをしている

バスケをしにきたのだから、人と仲良くなるための時間では、ないだろう?と思ってる
練習中にふざけてても、結果は残さないといけない 監督が評価を下す、だからここに存在したいなら、最低限その評価をもらうだけの働きをしよう
この組織に足りないことを、補う働きをしよう そうすれば、この組織は良く循環する それはわたしにとっておもしろいことだ


ただ、そのシステムとして、自分を置いていた
ただ、組織が良い方向に向かうように、自然にそう、動いていた

人を、組織として見ていた

ただ目の前の人とお話ししようと思った時、何も出てこない。

なにも、出てこない。


なにも、出てこない。



3時間くらい、語らないと。
30分くらい、言葉を紡ぐ時間、もらわないと。
そのくらい、喉元で凝り固まって、"友だち
"って。"素直"って。なに。
ただのわたしが、相手と仲良くなる方法なんて、わからないよ。

わたしの言葉、カムヒア。

わたしの言葉、たくさん奥底に黒く溜まった固いものが、少し解けるように。


そうこの孤独な時間のなかで
わたしは未来を想像して、過去の人と過ごした時間を想像して、思った


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