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読書感想 デジタル端末と教育効果

とうとう我が家でも、エアコンによる暖房をつけてしまった。
午前中に本を読んでいて、あまりにも手先が冷たくなりすぎて、それをきっかけにして我が体が、
「もう寒いよ、暖房つけようよ」
と叫んだのだ。(我が体って何やねん)

手先が冷たくなるときって、「本を読んでいるとき」「パソコンをパチパチとキーボード入力しているとき」「コーヒーを飲んで1時間程度経過したとき」じゃないですか?
これって私だけですか?

さて、今日も読書感想をしていく。「学校がウソくさい〜新時代の教育改造ルール〜 藤原和博著」である。

私はよく言われる意識高い系の動画を見ることがある。
Newspicksとかニュースピックスとかにゅーすぴっくすとか。

そこによく登場する藤原和博さん。民間出身で中学校長を6年間、高校長を3年間務めた。有名なのが、「10000時間、一つの作業(スポーツやプログラミングなどの技術)に時間を投下すれば、プロと呼べるほどのレベルに到達する」と言ったことで藤原さんの名は広がった。
正確に言うと、これは藤原さんの調査ではなくて、フロリダ州立大学のエリクソン博士が考案した「一万時間の法則」らしいです。ググったら出てきました。

その著者である藤原さん。革命家でも有名ですが、ちゃんと数字を使って説明する場面が多くあるので、説得力が増される。エビデンスまでは言えないが、自分が経験してきたこと(1次情報)を数値化できている。私も見習いたい。(どの口が言っとんねん)

感想の結論から。
「パワーワード(センテンス)は1人歩きする傾向にある。そのパワーワードに紐付く情報を少なくとも2つは入れていこう。判断はそこから。」

何を言っているのか。

このような情報が私の耳に飛び込んできた。
「デジタル端末の使用は学力を下げる」

え?マジ?今我が子もめちゃくちゃデジタル端末を使いまくってるんだけど。
学力を下げちゃうの?

多くの人は、この「デジタル端末の使用は学力を下げる」というパワーワード(センテンス)が心に残る。そして、その情報だけを使って誰かと雑談するのだ。
「デジタル端末って学力を下げるらしいよ〜」
「え〜まじ〜じゃあ我が家も使用の制限を厳しくしようかな〜」
というように。

これは、情報が1人歩きしている状態。
これだけでは浅い理解だし、もう少し深ぼっていくと理解も深まる。
理解が深まるということは、この情報が自分にとって必要な情報か不必要な情報かを判断する材料が揃う。

「包丁って手を切ってしまう危ない道具らしいよ〜」
「え〜まじ〜じゃあ我が家も使用の制限を厳しくしようかな〜」

おいおい、原始人か。思考が原始人じゃないか。(原始人をバカにするな!)

いやいや包丁は魚を捌くにも果物の皮を剥くのにも、袋を開けるにも使える便利な道具だよ。
料理をするときにケガをしてしまう人は全国で何人いるの?人が死んでしまう事案は何件あるの?

こういった「包丁が危ない」というパワーワードに紐付く情報を2つくらいは仕入れておこう。
できるだけベクトルが逆な情報を。

なぜ2つなのか。
1つだと偏った見方になりがちで2つあれば、比較することができるから。
3つ、4つと増やした方が信ぴょう性は増されるが、3つ以上だと若干調べるのも面倒になるから。調べすぎて、大事な自分の時間を費やしすぎたら本末転倒だからだ。

では、「デジタル端末の使用は学力を下げる」というパワーワードについて。

①OECDの調査から

写真のように、一定の傾向は見られそうだ。右から下がりになっているのは、「タブレット端末を使えば使うほど学力(数学・読解力)が下がっていく」ということ。
それは、日本だけでなく、世界的に言える傾向だということ。

②著書から引用

 生の授業の方がオンライン動画より優れていると決めつける輩もいるが、それは間違いだ。もちろんナマの迫力が勝る場合もある。一対一の個別指導が最強で、少人数教育を金科玉条のごとく信奉する教育関係者もいる。がしかし、東進ハイスクールの林修先生が大量の生徒を動画で相手にする東進衛星予備校で教えているのをどう説明するのだろうか。スタディサプリの“英語教育界の革命児”関正生先生も同様だ。
 もっと言えば、オンライン教育を主な手段とするスタンフォード・オンラインハイスクール(世界30ヵ国から900人を集める中高一貫校/2006年開校)が全米トップの進学校になっていることや、大学についてもミネルバ大学(全授業をオンラインで行ない、都市を移動しながら全寮制の大学/2014年開校)の隆盛は説明できないだろう。

学校がウソくさい 新時代の教育改造ルール 藤原和博著

ここからは、私の現時点での考え。
「オンライン動画授業の可能性は高いと考える。なぜなら、世界でもノウハウが蓄積されていることやWi-Fi環境が整備されてきているという時代背景もプラスに働くと考えるからである。」

「デジタル端末の使用は学力を下げる」は、上記のOECDの調査結果も関係していると思う。しかし、調査は2015年の話。今は8年も進んで、2023年である。
しかもコロナ禍を経て、オンラインも十分に浸透してきている。

コロナ禍が終わり、学校行事を元に戻そうとする動きをよく見る。
しかし、元に戻そうとする動きは、デジタルに舵を切った現代からアナログに戻そうという動きではない。
もちろん紙に書く良さも絶対にあるし、むしろ私自身もペンを使いながらの方が考えをまとめやすいとも思っている。最高なのは、お風呂場での子ども用のクレヨン(簡単に落ちる)を使って、風呂場の壁に考えを書いていくこと。

要は、デジタルもアナログも適材適所ということ。

絶対にやりたくないのは「デジタル端末の使用は学力を下げる」というパワーワードに引っ張られてしまって、子どもに制限をかけること。

具合が悪くて学校を休んだ我が家の子どもが、読書感想文をタブレットを使ってパチパチと打ってまとめている。そんな子どもを誇りに思う。親バカである。
てか具合悪くないの?

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