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読書感想 伴走する者の葛藤

人間ドックが1つ精密検査を受けるよう指示があったので、近所の大きな病院へやってきた。

当たり前だが、お年寄りいっぱいいるなー。

ちゃんと受診できるお年寄りは、ちゃんと自分の身体をケアできてるのかな。問題は、何らかの事情(金銭面、社会面、病気に関する考え方など)で病院に来ていないお年寄りなのかな。問題は表立った部分ではなくて、見えていないところにあるもんなんだろうな。

さて、今日も読書感想をまとめる。最近のインプットは、本当に読書からばっかりだな。インプットを楽しみたい。

「最高のコーチは、教えない。 吉井理人著」である。
まだ1章までしか読んでいないのだが、感じたところをまとめてみたい。

結論から。社会的勢力(立場)が、コーチと選手にはあるから、コーチは「教えなきゃ」という使命感と「考えさせたい」と待ちの時間の葛藤が生まれやすい

吉井さんは、メジャーリーグ、ニューヨークメッツでも投手として投げていた、ゴリゴリの元野球選手。そんな吉井さんは、選手時代の巡り合ったコーチとさまざまな人間関係を経験して、ときには衝突することもあったそうだ。

プロ3年目に、試合に勝ち、自分が勝利投手になって勝利に酔いしれていたところに、

「今日は勝てて良かったが、お前のピッチングは良くなかったぞ」

ピッチングコーチに叱られたそうだ。10.20分と説教が続き、堪忍袋の尾が切れ、反発の口答えをしてしまい、大喧嘩に。

そこから学んだのは、

「上から力ずく」のコミュニケーションがモチベーションを奪う

ということだそうだ。

選手はことさら、教えてもらうことを嫌がる場面が多い。とはいえ、教えてもらいたい場面もあるから難しい。

コーチと選手には「社会的勢力」の違いがある。

その空気感は、指導の場面では如実に現れる。

「このコーチは私にどんなことを言ってくれるのだろう」
と、コーチと選手の間に生まれる無言の圧を感じる。

「このコーチはちゃんと指導をしてくれるのだろうか」
と、コーチと周囲(保護者や同僚・上司)に生まれる無言の圧を感じる。

その無言の圧に耐えて、『「考えさせる」時間を設ける』いわゆる、伴走するという判断をするのは、なかなか難しいとも感じている。
どうしても先導する判断をしてしまいがちである。

その理由は、上記のような「社会的勢力」の違いがあり、選手や周囲と作り出す空気感で、「教えなくちゃ」という使命感に駆られるからである。

要するに、選手は、誰かに自分の能力アップを委ねる、待ちの姿勢があり、周囲は誰かを評価したがる傾向がある、そういう空気感があることを理解しておく必要がある。

それでも、「伴走するんだ」「考えさせることに徹するんだ」とやり切るには、思いだけではやり切れない、押し切れない、周りの空気感に巻き込まれてしまうだろう。

やり切るためには、何が必要か。

それは、「伴走する」メリットを自分の言葉で持っておくこと。つまり、コーチングの学習をしておくことである。

「考えさせる」ことが大事らしいよ、「教えない」指導が大事らしいよ、くらいでは、周りの空気感に巻き込まれてしまう。

指導の場面を経ていく中で、自分のコーチングの軸がブレそうになるときがきっと来る。葛藤の場面はきっと来る。

そのときに、ちゃんと自分の言葉で「伴走する」メリットを言えるようにしておきたい。自分が大事だと思う指導方法を学習し、アップデートを加えていきたい。

今日の通院で、デイサービスに通っているだろうおばあちゃんに寄り添う職員の方を見かけた。コミュニケーションを通して、おばあちゃんの希望を最大化できるように尽力しているようだった。その様子を見て、選手への指導もこうありたいなと。

とりあえず、受診の結果は、「異常所見無し」でした。
良かった〜。

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