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精神病患者の目の前には幽霊や悪魔が現実として現れる

幽霊や悪魔の存在 

ボクは、ステロイド鬱の時に幻視・幻聴・幻嗅を経験したらしい。らしいと言うのは、鬱では幻覚を見ないとのことだった。そして、脳のMRIも撮影したが脳腫瘍などの症状はなかった。

だから、医師はボクを統合失調症の疑いがあると診断した。

ボクの症状は、5月24日15時に大地震が起こるというものと誰かに見張られているという妄想だった。

ボクは生まれて初めて自分が集団ストーカーを受けているという感覚を持った。

そしてその感覚は、幽霊や悪魔がいるかのように、極めてリアルな現実としてボクの前で振る舞った。

奇妙な体験

ボクは、5月4日からステロイドの大量服用による鬱の症状を起こし、5月25日にかけて奇妙な体験をした。

ハエのように飛び交うホコリをみた。そして、医師と面談中のカーテン越しに3匹のハエに似たホコリがドローンのように編隊飛行していた。

ボクの家の玄関は赤外線センサーがついており、何かが横切るとセンサーが反応して照明がつく。でも、何も通っていないのに照明が点灯したのを何度もみた。

ボクの家の洗濯物は、ボクと息子の洗濯物と、妻の洗濯物で分けて干す。でも、どんなに正しく干しても、しばらく経つとぐしゃぐしゃの状態になった。

ボクの家の天井を這うような音が聞こえた。そして、ベランダに出る窓のロックを叩くようなコツコツという音を6回聞いた。そして、機械的なブーンという音や何かが這うような音を何度も聞いた。

ボクが座ったり、寝ている時に、人が通った残り香のように、オイルと金属が混ざったような匂いがした。その匂いを嗅ぐとボクは激しい喘息発作に襲われた。

ボクだけインターネットでの不具合が多くなった。例えば、病院の予約サイトが電話予約した1時間後を約束の時間に指定したり、ボクだけ携帯電話がつながりにくくなったりした。

ボクは、この6点から誰かに監視されているという考えを組み立てた。今思えば、ボクがガスライティングと思ってたものは、妄想、幻視、幻聴、幻嗅だった。

ガスライティング(英: gaslighting)は心理的虐待の一種であり、被害者に些細な嫌がらせを行ったり、わざと誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気、もしくは自身の認識を疑うよう仕向ける手法[1]。例としては、嫌がらせの事実を加害者側が否定してみせるという単純なものから、被害者を当惑させるために奇妙なハプニングを起こして見せるといったものまである。

精神病患者なりの解釈

ボクは、突飛な考えはするが、いかなる現象も物理学で説明がつくと考えている。そして、霊力や魔力といったものを信じていない。もし、ボクが霊力や魔力を信じていたなら、この奇妙な現象を幽霊や悪魔の類だと思っただろう。

ここの6点のボクが認識した事実と、誰かに見られているという感覚から、現代の科学でできうることは何かを考えた。そして、ステルス迷彩を着た兵士1名とホコリ型ドローンが家に潜伏しているんじゃないかと妄想した。今となっては笑い話だけど、当時のボクは真剣だった。

なるほど、警備用の盾に使えば対峙する側はどこを狙えば良いのかわからなくなりますし、肉眼に限らず近紫外、近赤外、短波赤外線スペクトル、熱スペクトルで見てもかなり隠れられています。それに少し湾曲させると、真後ろにあるヘルメットも完全に見えなくなってしまいましたね。逆光とはいえ外からの光を反射しているにも関わらず、です。

一般公開しているレベルがここまでなら、軍事用はもっと技術レベルが進んでいると考えた。公表されている最新の研究でもっとも進んでいるのはメタマテリアルを利用した包んだものを透明にする研究だ。

富山大学とはこだて未来大学、英セント・アンドルーズ大学の3人の研究者は「左手系メタマテリアル」を使って周波数限定ながら電磁波による完全な透過効果が得られる物体の作成に成功し、理論上は可視光線域での実現が行なえるとした[3]。

アシンメトリックマテリアルまで行くと眉唾物だが、透明マントの実現は近いとされていて、ボクはもう実用化したと妄想した。

メタマテリアルといえば広義にはさまざまな加工技術で通常の物質・素材にはみられない特性を持った人工素材、特に負の屈折率をもち「透明マント」や肉眼でもみえないステルス技術の実現につながると期待されている素材のこと。DARPAの説明する「アシンメトリックマテリアル」または「一方通行素材」は可視光線に対して非対称(シールドの内側からは外がみえるけれど相手にこちらはみえない)だけでなく、なんと弾道兵器や破片・爆風といった実体のある物質に対しても一方通行になるという代物。

一方、ドローン技術は、2015年の商用化されている時点のもので2.2cm×2.2cmが最小と言われている。それでは、2021年現在の技術レベルだとどれくらいのサイズだろうか。

そのサイズ、わずか2.2cm×2.2cm!重さはたったの7グラム!驚異的にスリムなミニドローン「SKEYE Pico Drone」がとにかく凄いんです。
めちゃくちゃ"オモチャ感"が漂う見た目もキュートで興奮しますが、注目するべきはその機能。想像以上にハイスペックです。

2021年のドローン研究のニュースは見当たらなかった。一番近いものだと、2019年には昆虫型ドローンがハーバード大学で作成されたという記事だ。そして、ボクは、軍事利用のために化学物質を散布するハエ型ドローンが完成していると妄想した。

ハーバード大学の研究チームが作製したのは、約2センチの薄い羽根を4枚搭載する小型ドローン「RoboBee-X-Wing」。昆虫のように2対の羽根を羽ばたかせることで揚力を発生させる。60ミリグラムの太陽光発電パネルを機体上部に搭載し、光を浴びることで飛行に必要な電力を得られる。

ボクを監視する理由がわからなかったけど(恥ずかしい話、天才だと妄想していた…)、最先端のナノロボットの技術はアメリカ軍しか持っていないし、ボクの喘息を悪化させる目的でハエ型のドローンや透明マントを着た米軍兵士が衣類などに化学物質を散布しているのだろうと妄想した。

それが60年後、“体内に入って治療”が実現しようとしている。2019年3月、米国ペンシルバニア大学電子工学部のマーク・ミスキン教授を中心とするチームが70ミクロン(0.07mm)のマイクロロボットを発表した。皮下注射針で体内に入れる十分なサイズである(日本人の平均的な髪の毛の太さは0.08mmといわれている)。

ステロイド鬱が落ち着いて考え直すと、アメリカ軍がボクを監視する理由がない。
それに、本気でボクを監視するなら、尾行もしなくちゃいけないし、バックアップ体制も必要だから小隊30名くらいが最低路線だ。そんな人的リソースを割くほどアメリカ軍も暇じゃない。

ただ、残念なことに、5月24日15時に起きなかった大地震の妄想は、ボクの中で消化しきれずに妄想が心の中でまだ燻っている。日時を間違ったんじゃないかって。

そして、いまだにボクは、微かにオイルと金属が合わさった匂いがするときがある。

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