見出し画像

妊婦さんを運ぶ、陣痛タクシーとは?

GWは、どこかにお出掛けする予定はありますか?どこに行っても混んでいる分、移動のスムーズさが1日の命運をにぎりますよね…!

さて、今回の【勝手に分析!Good CX】は「陣痛タクシー」について分析していきます。


妊婦さん専用タクシーを利用する

みなさんは「陣痛タクシー」を知っていますか?
妊婦さんが事前に家や産院などの情報を登録しておき、陣痛が来た時に産院まで送ってもらうサービスです。24時間利用可能で、情報を事前登録しておくため、当日は行き先をつげる必要もなし。車内は完全防水で、汚しても費用請求なし、という妊婦さんの強い味方です。

マタニティマイタクシーHP


弊社メンバーの彼女は、はじめての出産を控えており、このサービスを知って、Webサイトで事前登録をすることにしました。基本情報に加え、「お迎え先の住所」「出産予定の病院」をスムーズに登録しました。この時点では、あえて家族にシェアしなければ、登録した自分しか当日のタクシーの電話番号は知らない状態です。

嬉しいサプライズ!

すると後日、タクシー会社から自宅に郵送で、
【陣痛時の専用ダイヤル】が添えられた紙のカードが届いたそうです。
彼女曰く、「緊急時、自分のスマホから連絡できなくても、この紙で家族に共有しておいたら使えるよ、という心遣いですよね...。」
その細やかな配慮に感動した、とのことでした。

後日届いた専用ダイヤルの紙のカード


単なる移動手段から、CXを意識した役割に

では、この体験をCX(顧客体験)の観点で考えてみましょう。
まずは、顧客の感情を想像して体験を振り返ってみます。多くの妊婦さんは、出産の準備を整えていても常に ”たった独りの不安” を抱えています。
「もし急に産気づいたらどうしよう」、「一人で大丈夫かな」など心細くなる方が多く、前もって準備しておいても、予定通りにいかないと一時的に混乱してしまうというペインを抱えています。

そんな中、この陣痛タクシーサービスは、既存のオペレーションシステムを使いながら、出産の不安を抱えている妊婦さんが ”一人ではない安心感” を提供しています。つまり、迅速に目的地まで送り届ける単なる移動手段としてのタクシーではなく、人と人とが出会う温もりのある場としての役割が感じられます。妊婦さんを一人にさせないための丁寧なCXの設計が、家族にも伝えやすい紙のカードに表れているのではないでしょうか。

マタニティタクシーのドライバー研修の様子
認定NPO法人はままつ子育てネットワーク ぴっぴ ブログより)

また、全ての乗務員さんの方が助産師さんからの研修を受講し、車内に緊急対応マニュアルを常備しているそうです。こんなに行き届いたサービスなら、家族にとっても病院側にとっても安心できますよね。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

(執筆者:デザインリサーチャー 今川そのか)


私たちが所属する会社はこちら→株式会社mct