海外で交通事故〜回顧録1〜

・・・
その日はすこし離れた街に仕事の面接の予定があった。5時間くらいかかるところで、二人で運転を交代しなが行こう、そして用事が済んだらせっかく遠くまで来たし泊まりで道中観光して帰ろう、と話していて、楽しい小旅行になるはずだった。

・・・
食料調達とガソリンを満タンにして、始めは彼の運転で車を走らせる。
私は助手席で、今いる街に来る時に通った道で懐かしいな、前は運転していて気づかなかったけどこんか景色なんだ、とか思いながら車窓の景色を眺めていた。

・・・
そして長いドライブはだんだん会話が減っていくのでだんだん眠くなる。
でもニュージーランドの道路は速度と進路の緩急が大変だから、運転頑張ってる彼のために寝れないな、と思いながら、うとうと、、、。
やっぱり眠い。
彼は寝て良いと言っていたし、寝ちゃおうか、

彼に疲れる前に起こしてねと言い残して、
私は寝た。

・・・
急ハンドルがあって目を覚ます。
大丈夫かと聞くと平気というので、なんだ、カーブ曲がり切らなかっただけかなって思ってまた寝る。

もう一度あって目を覚ます。深めの眠りのあとだったのでぼやけた頭で大丈夫？と聞くとごめんというので、そっかと言ってもうちょっとちゃんと寝たいと思って寝る。

・・・
今度は大きな衝撃。
アトラクションみたいに視界が回転してる。
何が何だかわからなくて自分は叫んでる。　
え？なになに？何なの？これ？

・・・
1回転半して車は止まっただろうか。

呆然としてしまっていた。
車のガラスは大破し車体は横に傾いたままだ。

周囲の人たちが集まってきて大事なんだと自覚する。
彼は傾いた車内で立って窓から顔を出して助けに来た人に話してる。

でも私はそれどころではない。
なんで？なんで？彼の腕から血がこぼれてる。
私の車が壊れている。事故じゃん。何だこの状況。
目の前の景色がとても信じられない。
受け入れられない。

・・・
怪我はないか動けるかと聞かれて、お腹がとても痛いことに気づく。ただの腹痛のような痛み、自分、お腹痛かったっけ？
そしてとにかく車から出るように促され、メガネを探して水とパスポートとケータイが入った鞄を持って、彼に腕を引きずられながらバックドアから脱出した。
ああ、人が集まってる。

・・・
彼と私は別々の人の肩を借りて路上の安全な場所まで移動する。
その時自分の車のむごさに声にならない声が出た。苦労して買った車、初めて持った自分の車、気に入っていたし色んな所へ旅して思入れがあった。
こんな状態じゃ、もう走れない。

そんな思いを察してか、肩を抱いてくれているお姉さんは、ただの車、大丈夫、問題ないよ、と言ってくれる。

そうだモノの心配なんかより命があってが先だ。気付かされた。

・・・
そうして路端に二人で座り込む。
私たちは放心状態。どこから来たの？名前は？
簡単な質問にも言葉がつかえる。

助けにきてくれた人の中で、警察がくるまで親身に支えてくれた人が3人もいた。
その人達と改めて軽くあいさつ。
警察も救急も呼んだからあとは待つだけだ、今は待つだけだ、大丈夫、と言って肩をさすって何度も励ましてくれた。水や日除けを用意してくれたり、通りすぎる車の応対や交通整備をしてくれたり、とにかく手を尽くしてくれた。

そうした親身な対応のおかげで、少しずつショックが少し和らいでいくのがわかった。

・・・
いくらか時間が過ぎて、やっと彼の顔をちゃんとみて話せるようになる。何が起こったの？

・・・
少し寝てしまってこんなことになった、私の車をごめん、違う車を買って返すから、本当にごめん。警察にはあなたは何も話さなくていい、寝ていたのだから、すべて僕の責任だと。

・・・
ああ、私は彼になんてひどいことをさせてしまったのかと、自分はのんきに寝ていて、彼は最近私より睡眠をちゃんと取れていなかっただろうに、頑張って運転してくれて、事故当時には一人にしてこんな目にあわせてしまったと。

・・・
お互いごめんと何度も言いながら待っていると、警察と救急が到着する。

私は起き上がるのが辛いので、私は救急、彼は警察に分かれて対応をうける。

初めて担架で救急車に乗った。痛みのレベルを0-10レベルでどうか聞かれるけど、辛めの腹痛のようでよくわからない。診てもらうとシートベルトの跡にかけて痛みがあるから、衝撃で強く打ったのだろうと。そしてヘリコプターで家の近くの病院まで運ばれることになった。

・・・
リアルコード・ブルーみたいだ、ヘリコプター乗るって、ニュージーランドの救急すごい、
そんなこと思いながら言われるがままヘリの中へ。

なんて経験をしてるんだ、自分が？と信じられない気持ちと事故ショックとここまでの後悔を巡らせながら、ヘリの天井を眺めてただ泣きそうになっていた。

英語翻訳
... On that day, there was a job interview scheduled in a town a bit far away. It was about a 5-hour drive, and we planned to take turns driving. After finishing the business, since we came all the way, we talked about staying overnight, doing some sightseeing on the way back, and turning it into a enjoyable short trip.

... After stocking up on food and filling up the gas tank, he starts driving the car. I'm in the passenger seat, reminiscing about the road we took when coming to this town. I didn't notice it while driving, but the scenery is nostalgic. I gaze out of the car window, thinking about it.

... As the long drive progresses, the conversation gradually decreases, and I start to feel sleepy. However, New Zealand roads have challenging variations in speed and direction, so I decide not to sleep for his sake. I doze off... It turns out I'm still sleepy. He said it's okay for me to sleep, so maybe I should.

I ask him to wake me up before he gets tired, and with that reminder, I fall asleep.

... I wake up to a sudden turn of the steering wheel. I ask if everything is okay, and he says it's fine. I think it was just a curve he didn't navigate properly and go back to sleep.

I wake up again. It was after a deep sleep, so with a groggy head, I ask if everything is okay. He apologizes. I say, "Okay," but I want to sleep a bit more, so I do.

... This time, there's a significant impact. The scenery is spinning like an attraction. I don't understand what's happening and find myself screaming. What? What's happening? What is this?

...I took a short nap, and it led to this. I'm sorry for my car; I'll buy a different one to replace it. I'm truly sorry. You don't have to say anything to the police; since you were asleep, it's all my responsibility.

...Oh, what have I done to him? I was casually sleeping, and he, who probably hadn't been getting enough sleep lately compared to me, was driving diligently. I ended up putting him through this alone during the accident.

...While apologizing to each other repeatedly, we wait, and the police and ambulance arrive.

As it's difficult for me to get up, I go with the ambulance, and he deals with the police.

I rode in an ambulance for the first time. They asked about the pain level on a scale of 0-10, but it's like a severe stomach ache, and I can't quite understand. When examined, there's pain along the seatbelt mark, likely from a strong impact. Then, I ended up being transported to a hospital near home by helicopter.

...It's like a real Code Blue, riding in a helicopter. New Zealand's emergency response is amazing. While thinking that, I enter the helicopter as instructed.

Experiencing something like this, what am I doing to myself? I couldn't believe it, feeling a mix of disbelief, shock from the accident, and regret up to this point, I just stared at the ceiling of the helicopter, on the verge of tears.