仕事と人間力
父は、「仕事ができる男」として、職場では評判なのだとか。
上司からは、「カミソリの刃の様な男」と呼ばれています。
(一体、何が凄いんじゃい?)
学生時代は、父から勉強を教わったため、塾は不要でした。
しかし、勉強ができることと、仕事ができることとは別。
転職を機に、父にインタビューを開始。
「お父さん、仕事ができるって、どういうことやねん?」
私の問いに直接的な回答を避ける父でしたが、次の様な発言が…。
「ただ言われた事をやる様な仕事とか、答えがある様な仕事をしている内は、まだ本当の実力は試されておらんと!」
「その人自身の本当の力が発揮されるのは、管理職になってからたい!」
「部下が前例の無い様な事柄について、しょっちゅう質問に来るから、それに答えてやらんといかんと!」
「それに、この人間には、どんな風に物を言えば動いてくれるかについても考えなな!」
「ほんで、皆、資料とやらをやたら持ちたがるけど、お父さんは、そんな物は殆んど持っておらんと!」
「仕事に必要な知識は、全て頭に叩き込む位のプロ意識は持たんと!」
「だから、お父さんの荷物は、段ボールひとつしかなか!」
(なるほど…)
「男おしん」と呼ばれる程、苦労して育った父。
特に、普通の人達が苦手とする変人の扱いには非常に長けています。
この能力は、母に対しても、大いに発揮されています(笑)。
キャラクターの濃い人達が、次々と父のファンに…。
結局、大概の場合において、仕事と人間関係はセット。
この点が、一番難しい…。
とぼけた顔をして、何でも涼しげにやり遂げてしまう父。
ある日、ふた回り以上年上の友人に、「あんな人(父)に追い付くのはムリだから、そんな努力は止めた!」と言ってみたところ、「諦めてはダメだ!」と叱られて、撃沈(笑)。
人間力とやらは、なかなかすぐには身に付かないのでした…。
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