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思い出の味に思う事

私の住んでいた家の近くに「かな泉」といううどん屋さんがありました。当時は、そんなに凄いお店とは知りませんでした。

大阪に引越してからも、当時梅田の大丸百貨店にあった「かな泉」へよく行きました。

プールの帰り、父と2人で初めて大阪のかな泉へ。

四国よりも値段が高く、つい父にこう聞いてしまいました。

「お父さん、お金あるの?」

相席で目の前に座っていた老夫婦が、悲しそうに私たち親子を見つめてきました。よほど、生活に困っている様に見えたのでしょう。

後から知ったのですが、かな泉の創業者は「うどんを芸術にまで高めた男」としてその名を知られた泉川氏。

それからしばらく後に、物産展に来ていたうどん屋さんから聞きました。

「かな泉、倒産したんだよ。」

ショックでした。

「私たちうどん業界の人達は、うどんの価値を高めてくれたかな泉に感謝しています。」

倒産の理由を教えてもらいました。

会社経営って難しい。

もっと何とかならなかったのかしら。

地元の方々に愛されていた会社やお店が潰れていく。そんな光景をよく目にしてきました。

多くの会社やお店、そこで働く方々が輝けるような仕事がしたい。

それが私の子供のころからの夢でした。


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