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ぼくはかつて、メルボルンのクラフトビールについて雑誌を作ろうとしたことがある。

そう、ぼくはかつて雑誌を作ろうとしたことがあるのです。
正式に言えば、電子書籍だ。

2018年に、クラフトビール醸造所(現Nomcraft Brewing)をスタートするにあたり、醸造修行をする必要があった。急ぎで。


ぼくは修行場所をなぜか日本を離れ、南半球にあるメルボルンを選んだ。


理由は、オーストラリアで修行をした方が面白い結果になると思ったから。(修行期間が半年以上あるんだから、国内を選びますよね、普通。)

まあでもカフェで世界一のメルボルンが、最近はクラフトビールでアツくなっているのは聞いていたし。
あと、もう一つ大きな理由には、Joelというぼくの親友がメルボルンに住んでいるということ。(実際メルボルン滞在中はJoel宅にて、JoelとフィアンセLucy、それと愛犬Okiと一緒に暮らすことになる)

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(Joel family / Melbourne)


当時、クラフトビールについて知識の乏しかったぼくは、メルボルン滞在中に3つのことをとことん学び続けることに決めた。


1)醸造研修をする。
2)ホームブリューイングをする。
3)とにかくたくさんクラフトビールを飲む。


1)醸造研修をする。
これはメルボルンにきて必須項目だった。いつも通り「行けばなんとかなる」と、特にあてもなく飛んできたため、結果大変苦労した。最初の2週間で20社くらいのドアを叩き、ようやく2社から許可を得ることができた。週数回は醸造所に行って、ビールの作り方はもちろん、殺菌知識、実験、ケグ詰にボトル詰、とにかく吸収できることは全てした。

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( 醸造研修 / Melbourne)


2)ホームブリューイングをする。
オーストラリアではホームブリューイングは合法だ。本当にたくさん醸造したと思う。初めは家庭用7Lの鍋とガスコンロで醸造した。だいたい週2回は醸造したと思う。1回目は本当にマズいビールができて捨てた。2回目は、想像以上に黒くなったが美味しかったのを覚えている。

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( 醸造のゼロイチを手伝ってくれたバイブル / Joel宅 )


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( 醸造記録 / Joel宅 )


3)とにかくたくさんクラフトビールを飲む。
Joelと一緒に週末平日問わず醸造所をめぐっては、たくさんのビールを飲んだ。 雑誌のアイデアが浮かんだのもこのときだった。

「せっかくこれから数ヶ月かけてブリュワリー巡るんだから、メルボルンのクラフトビールに特化した雑誌みたいなの、作ってみるよ。」

特に深く考えずに、"なんかできそうだからやってみよう"
そのくらいの安易な気持ちでスタートした。

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( よく飲みにきたビアバー / carwyn cellars )


当時持っていたのは、決して良品とは言えないCanonの安いカメラと、安い単焦点レンズ一つ。

時間を見つけては、カメラ片手に醸造所を訪問し、自分で撮影し、自分でインタビューして、自分でビールを飲んで、自分で編集し、「メルボルンのクラフトビール雑誌を電子書籍として出そう」こう意気込んでいたわけだった。

全ての作業を自分一人でこなすのは思いの外大変な作業で、「よく何も見通しせずにスタートしたな」と今更ながら当時の無責任な思いつきに感心する。



さて、なんとか180ページ分くらいの文章と写真を準備できた頃、当時使っていた古いmacbook airが、電子書籍編集ソフト アドビIndesignを拒否し始めた。

動かない。保存できない。

そして、とうとうぼくは雑誌の制作を諦めてしまったのだった。
泣く泣く、完成には至らず今に及ぶのだが、

いや、なんと、

最近知ったこのnote。この超個人特化型プラットフォームnoteには、なんとマガジン機能があるのではないか。

そこで、HDに眠っていた当時の文章や写真を探し出し、1年越しに具現化することに成功(というか現在進行中)。



ということで、1年前の情報だが、メルボルンのクラフトビール醸造所についてつらつらと連載マガジンを書かせていただきます。

肝心のマガジンのネーミングだが、「世界のクラフトビール  ✳︎メルボルン編」と当時はメモ書きしてあったが、おもしろくないタイトルだ。それも、次に〇〇編とまだやる気だったか。

一年前のぼくの意見は却下し、悩みに悩んだ末これに決定。


「 ✳︎another pint メルボルン/クラフトビール 」


パクって、ない。

序章部分随分と長くなったが、メルボルンのクラフトビールについて記したnoteマガジン「another pint」本日より不定期連載スタートします。

※尚、撮影・テイスティング・インタビュー・編集と全て自分でやっているため、だいぶ個人的な見解が垣間見られるが、そこはご愛嬌ということで。
※素人です。

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( 当時のホームブリュワリー名 / Joel宅 )

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