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「6秒間」EQ(心の知能指数)の効用

HR Essay-2020-003

「6秒間」

大学の後期課程の講座では、キャリア開発やチームビルディングに焦点を絞る。中心主題は、EQ(Emotional Intelligence)という感情能力に重点をおく。人間の持つ感情を、可変的、開発可能な能力として捉え、自分の感情を知り、それをうまく使い使いこなしていく(マネジメント)、さらにその感情を他の人たちの為に捧げていくことの大切さを学ぶプログラムである。

この基本的な感情能力をベースに置きながら、キャリアをどう展開したらいいのか、チームや家族をどう形成し、どのようにファシリテートすべきか、継続的なモチベーションを持ってもらうためにどのように立ち居ふるまうかについて、実践的なエクササイズを繰り返しながら、自分自身を幾度となくレビューしていく。感情の能力、感受性を磨き上げるには、自分自身に対する誠実な振り返りを繰り返すことしかない。

グループ活動を通じたリーダーシップのレビューも多面的に行う。開発過程のプログラムであるが、企業人事での30年間の経験と、転職市場でリアル雇用の現場の6年間の時間で得た、経験をフル活用していきたい。また組織構築要素として、「Leadership」 と「Followership」の2つの主機能と「司令官型 (Commander)」 、「参謀型 (Bureaucrat)」、「親方型 (Master)」、「奉仕型 (Servant)」のリーダーシップのスタイルとEQを組み合わせて学ぶ。

人間が本能的に行動を起こす前に自分の思考回路を通じて、合理的な判断機能を使うために必要な処理時間は6秒間といわれている。それ以前は、直観的な本能で反応するのだと。感情を能力として位置づけ、有効に活用するために、自分の思考サイクルの中に情報を回してから行動することにより反応の仕方に相違がでる。6秒間は意外に長く感じられるが、相手にとっても感情を安定化させる時間的猶予を与えることができる。二人のコミュニケーションの間では、合算12秒分の猶予を得られる。この穏やかな「間(ま)」が良質な人間関係を創出する

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