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「チームづくりに必要なこと、油断なく感情を読み取ること」

HR Essay-2020-005

「チームづくりに必要なこと、油断なく感情を読み取ること」

大学の後期講座のひとつに、EQ(心の知能指数)とチームビルディング(良質なチーム構築)の要素を組み合わせた講座がある。どのようなチームが最も理想的な組織であるのかという観点で理解を深める。一般的に良いチームには、メンバー間の良質なコミュニケーションと主体的な相互信頼関係が求められると同時に、組織自体のパフォーマンスの絶対量と効率性も不可欠である。個人が所属する組織が社会に対してなんらかの価値を提供しているかということを実感し、効率的な組織運営を通じてメンバーが、自分自身の成長と将来の可能性に関してポジティブな充実感をもつことによって帰属組織への誇りにつながる。

組織人事的に困難なことは、このチームの良好な雰囲気と組織パフォーマンスの良否は、局面によっては相対してしまうことがある。良い組織と評価される観点として内部コンフリクトが少なく、良好な人間関係にだけ焦点がいきがちだが、一方で、内部コミュニケーションが表面的にとどまり、本質的な議論が十分行われず、大切な事実認識や意識の相違を看過してしまうことがある。こうした場合は、健全で適切なコミュニケーションができていないことにより課題認識や対応策が遅れ、外部からの衝撃に対して、組織としての耐久性を維持できず、チームが崩壊する危険性がある。

本当に良質なチームは現実に起こっていることを率直に受け止め、組織のメンバーがそれぞれ認識している微細な変化や情報を見逃さずに共有し、適切な対処が迅速にできるかにかかっている。これを怠ると組織を構成する優れたメンバーの離脱を伴う深刻な事態を招くことになる。こうした事態を避けるために、極めて鋭い感受性を持ちメンバーがどのような気持ちでその組織に所属しているのかということを読み取る力が必要になる。

組織に対する読解力の巧みさは、組織の大小に限らず共通して求められる。もっとも感受性の実践すべき対象は家庭なのだが、手を抜いてしまいがちである。その怠慢のしっぺ返しは深刻化し、広範囲に転移しやすいため、最新の注意が必要である。冬タイヤでないと運転が怖いという妻のつぶやきには、感情の読海力を研ぎ澄ませ、敏感に迅速に反応すべきである。

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