見出し画像

登山と感情の読解力(感情リテラシー)

HR Essay-2020-002

登山と感情の読解力(感情リテラシー)

北アルプスの蝶ヶ岳(標高2,677m)は、常念山脈の南側に位置する。日記を振り返ると昨年の今頃、三俣の登山口から登った記録があった。「霧雨、合羽を着こんで登り始める。しばらく、霧の樹林帯を登り続けたが、中腹までいくと、次第に霧の中から抜け出すことができ、ちょうど雲海の上、つまり、雲ひとつない空間に出た。」・・・

大学での後期授業の2講座の内の一つは、IQ(知能指数)の反対側に対峙するEQ(Emotional Intelligence Quotient:感情指数)をベースにおき、リーダーシップやチームビルディングについて学ぶものである。EQを8つに分解した感情のコンピテンシー(能力)について、自らの行動パターンをレビューしながら自分のものにしていくプログラムとしている。その最初に学ぶ感情コンピテンシーが、「感情リテラシー( Enhance Emotional Literacy) という自分自身の感情について、単純な感情状態から複雑なものまで、正確に認識し、解釈する感情の能力である。

仕事において、実務スキルを場面、場面で適切に活用するために、自分の感情の状態をコントロールにしていくかは大切な要件である。その為に第一に自分の感情が、その時どのような状態になっているかを、冷静に、正確に、客観的に把握することが求められる。自分の感情が管理下に置かれないまま、まさに雲の中にあり、状況がわからないような状態で、立ち居ふるまうことの危うさを避けるための能力である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?