火傷をセルフ治療①【アーユルヴェーダ】【湿潤療法】
※この記事は、火傷が治っていく過程を画像付きで説明しています。
そのため、火傷患部や患部であるおばさんの太ももの画像などが含まれますので無理だと感じる方はこれ以上見ないことをお勧めします。
生まれて初めて大きな火傷をした
2023年4月12日深夜、もう0時を回ってたと思う。
少し冷えてきたので、もう一杯お茶を飲もうとお湯をわかして、すでにあるルイボスティーのティーバッグが入ったカップにお湯を継ぎ湯。
テーブルにおいて、眼前のYouTubeを流しているTVを見ながら着席した数秒後…
あっつ!!!
と思ってみたら、カップが倒れていて中のお湯がテーブルに1割、床に1割、残り8割が自分の右太ももにかかっていた。
すぐ立ち上がって、履いてたスエットパンツと皮膚を放したものの、少しパニクって、えっと何からするんだっけ?となった。
まずは流水で流す
かかった場所の皮膚が熱くてヒリヒリしてるので、これは間違いなく火傷した!冷やさないと!!となったけど、いつもの指や腕なら水道でできるけど、太もも…?どうしたら?って一瞬なった。
「あ、そうか!シャワー!!」
と数秒で気づき、すぐにスウェットをその場に脱ぎ捨ててバスタオルをとってくると、ユニットバスの湯船に片足突っ込んで水をじゃあじゃあかけた。
水かけながら、患部をちぇっくすると赤くてヒリヒリしている。
そこまで深くはなさそうだけど、範囲が手のひら大ぐらいあって広い。
くそーやらかしたなーって後悔しつつ、さてどうするか、と言う今後について思考をめぐらす。
流水で冷やす時間は、割といろんな説がある。
今回あとから調べてみたけど、30分と言うところもあれば、5分と言うところもあった。
私的には、水が足全体にかかって全身が冷えすぎるのも不快だったので、おそらく5分~10分ぐらいだった気がする。
これぐらいの火傷だと、水をかけている間はヒリヒリ感がなくなるが、流水をやめると途端に灼熱感が戻ってくる。
何度か水を止めて、まだ熱いから続ける…と言うことを繰り返したけど、最終的には足の冷えが気になった時点で患部の灼熱感はあるまま、流水を終了した。
アーユルヴェーダ智慧を元にセルフ治療を試みる
私が10年以上学んできたインドの伝統医学アーユルヴェーダでは、治療は症状が出てから出来るだけ早く対処することが早く回復するために重要とされている。
つまり、のちのち病院に行くとしても今、何もしない、と言う選択はない。
今、出来るだけのことをして必要なら病院に行く、大丈夫そうならセルフで治療する、そう考えた。
火傷治療に使うもの
アーユルヴェーダでは、火傷には冷性のオイルが有効と考えている。
冷性を持つオイルとは、具体的には「ギー」か「ココナッツオイル」である。
ギーとは、バターのたんぱく質や水分を取り除いた純粋なオイル分だけでのもの。
冷性を持つため、アーユルヴェーダでは火のエネルギーが原因であるものの治療にはギーをよく使用する。
有名なのは、目のケアである「ネートラタルパナ(ネトラバスティ)」。
また、内服でも使う。
今回も、まずはギーを塗ることにした。
なぜなら、ココナッツオイルが固まっていてすぐに使えなかったからだ。
ココナッツオイルは、22度前後で液体化する。
それ以下の温度は、冷えて白く固まっているのである。
この夜は、春とは言え20度を超えるほどではないので固まっており、使うには湯煎する必要があった。
なので、まずはペースト状で体温で溶けるギーを小皿にとって、指で患部にのせていった。
そして、上からラップをかけた。
実は最初、ラップをせずに濡れた床を掃除したり、お湯を沸かしたりとしていたら、ギーが上半身の服についてしまうという大失敗をしてしまった。
患部の保護のためにも、最初からラップをしてください。
その時に撮った一枚目の画像がこれ。
ラップの上から撮ったもの。
とにかくヒリヒリ感が強いので、ラップの上から保冷剤を当て始めたので、ラップの下でギーが少し固まってる感。
肉眼では、けっこう赤くなってるようにも感じたけれど、今見るとそうでもないのが不思議。
ココナッツオイルに切り替える
ここで、ココナッツオイルに切り替える。
ギーでもいいのだが、急ぎ調理用の瓶からとったので衛生的に怪しいのと、多少バターっぽい(乳臭い)匂いがある。
うちで使用している、ココナッツオイルは自然な方法でココナッツ臭を取り除いたものなので無臭なのが良いなと。
お湯を沸かしてボウルに入れ、そこに上の容器ごと湯煎して溶かしたオイルを、紙コップにとって使用。
私はアーユルヴェーダで推奨される「オイルうがい」と言うのを定期的にやっているため、オイルを入れるための紙コップを常備している。
その度に洗って水や洗剤を使うよりも、少量の紙に吸収させて廃棄する方が自分的にも楽なので。
でも、この時に紙コップがなくても、小皿に少し出しても使えるし、要は元の容器(瓶など)に直接手を突っ込まなければ良いと思う。
容器にココナッツオイルを少量出し、指で患部にたらして、それを指でポンポンと塗り広げる。
表皮は、すでに水ぶくれになりそうな薄皮感があるので、こすらないでのせるような感じ。
この上からラップして、さらに保冷剤をのせてラップ。
灼熱感がすごいので、冷やすのは必須と考えた。
冷やすとココナッツオイルも固まってしまうから効果が落ちるか?とも考えたけれど、灼熱感をおさえるのが優先だろう。
しばらくこれで様子を見るも、なかなかヒリヒリ感がおさまらず、このまま寝ていいのか迷ってしまう。
そこで、もう一つ加えてみることにした。
ターメリックで抗炎症効果を加える
カレーにも使うし、肝臓の薬としても有名なウコン、それがターメリック。
アーユルヴェーダでは、これを外用薬としても使う。
抗菌、抗炎症効果に優れているので、切り傷などに振りかけて消毒剤のように使ったりするのである。
しかも、肌に良いとされるので肌を綺麗にするオイルに入っていたり、顔パックにも使ったりする。
当然ながら黄色く着色はするが、洗えば落ちるし、表皮だけなのでターンオーバーが正常なら、普通は気にならない。
と言うわけで、ココナッツオイルの上からターメリックをぱらぱらとふりかけ、オイルとあいまってペースト状になった状態にしてみた。
気休めかもしれないが、さっきよりマシになった気がして、この上から新しい保冷剤をラップでさらに固定して、何とか眠りについた。
2日目【4月13日】
朝起きたら、ちゃんとラップはついたままになっていてオイル漏れはなかった。そして、抗炎症剤が効いたのか、ヒリヒリ感も収まっている。
ただ、保冷剤が今まで見たことないぐらいに、熱くなっててた!
熱を吸ってくれてありがとう。
そして、ラップをはがして患部のチェック。
ターメリックの粉を落とすのに、患部のふき取りは怖いので、やっぱりお風呂場でシャワーで流す。
お湯は怖いので水を使用したが、水で沁みるとか痛いとかはなかった。
病院に行くかどうかを判断する
昨日より、患部がハッキリと赤味を帯びて一部、水ぶくれになっていた。
でも、すでに水ぶくれがつぶれたような部分も。
皮膚が白くなっていたり黒くなっていたりしたら、火傷の深度が深いと考えられるので、病院に行くべきと考えていたが、赤くて水ぶくれがあるのであれば、自己治癒できるのではないかと判断した。
※火傷の深度や範囲によって自己判断で出来ることは変わる。
分からなければ、ちゃんと病院で診てもらうこと。
この水ぶくれは軽いやけどの時と違って、水ぶくれの中の滲出液が流れ出ては、また水が溜まって、を繰り返すんだろうなと予想。
幸い、痛みはほぼない。
ただ、太ももは筋肉が大きいせいか、ラップをしていてもかなりずれてくることが夜~朝の状態で分かった。
この日はほぼ在宅だったので、患部にココナッツオイルとターメリックを塗って、その上に1枚ラップをかぶせた後、包帯のようにその上下をさらにラップで巻いて固定する、と言う方法で、とりあえずなんとかなった。
夜、何度目かの水膨れが大きく膨らんでいる。
深度が深かったと思われる、左の方の水膨れが大きいし、何度も繰り返してる気がする。
3日目【4月14日】
この日は出かけなければならなかったのだけど、立って動いたときにどれぐらいラップ巻が耐えられるのか分からない。でも、包帯的なものもないので、出来る対処だけすることに。
まずはターメリックを塗ったらラップがずれたり取れたりしたら服についてしまうので、塗るのはココナッツオイルだけにした。
そして昨日と同じように患部に1枚ラップをかぶせた後、包帯のようにその上下をさらにラップで巻いて固定して出かけてみた。
(ラップは横幅の短いものを使用/うちは業務用の薄いやつなので巻きやすかった)
緊急事態!歩きながらラップが落下する
が、出かけて30分後。
包帯代わりに巻いたラップがずれ、トイレで数回直したりしてごまかしていたものの、1時間後には歩いている最中にズボンの中を移動し、ラップ全部が足首まで落下してきた!
ラップの塊を素早く回収しつつ、早く対応しないとー!!と焦る。
服と擦れてすごく痛い!と言うことはないのだけれど、表面が乾いてきているのか、肌がひきつれるような感じがしてきた。
幸い、すでに目的地付近だったのと、その近くにドラッグストアがあったため、何か固定できるテープみたいなものを!!と入店。
探してみると、これを見つけた。
幅太めで、紙素材だからオイル漏れにも良いかも…と購入。
目的地(カフェ&ギャラリー)で注文などを済ませた後に、トイレに行き、回収したラップの内側の部分だけを再利用して、買ってきたテープで固定。
これで、家までは何とかなるだろう。
ただ、しばらく患部が服と擦れていたため、一部、表面に再生されていた薄皮が裂けてしまっていた。
夜にはバイトもあり忙しくバタバタと動いて、ちゃんと患部を見れたのはシャワーのあと。
しかし疲れきっていて、画像を撮るのも忘れていた。
湿潤療法とは
ここで改めて、ラップを巻いてやる「湿潤療法」と言うものをまとめておきたい。以下のクリニックの説明が分かりやすかったので引用させていただく。
湿潤療法のポイントは
水道水でよく洗う
消毒をしない
キズを乾かさない(かさぶたを作らない)
特に3つ目、「乾かさない」が大事。
上記のクリニックのサイトにはこうある。
つまり、表皮は滲出液の中で細胞が増殖・移動し再生されるため、乾いてかさぶたになってしまうと、その活動の妨げになるという。
4日目【4月15日】
本日は、カラダいたわり堂での施術日だったけど予約はなかったのであまり動かなくてすむのが幸い。
また、昨日差し迫って見つけた「粘着包帯」が、かなり良かった。
服で多少はめくれてしまうけれど、完全にはがれることはない。
また、この頃から大量に患部から出始めた、滲出液の漏れも受け止めてくれていた。
気になる大量の滲出液と臭い
この頃になると水膨れが大きくなって自然に破れて、中の液体が出る、というのがラップの中で繰り返されている感じ。
中の液体もかなり量があるので、常にビショビショで湿っている状態。
「湿潤療法」は患部を乾燥させないことによって回復させる方法だから、当初、患部が濡れていることは問題ないと考えていた。
でも、ちょっと湿りすぎていて、患部でない部分の肌まで赤くなり、かぶれたようにも見えたり、患部とは離れたところに「白ニキビ」風の吹き出物が発生したりと、なんかちょっと良くない気がしてきたのである。
そして、ちょっと臭うのも気になるのだ。
例えると、足の臭いとか、へその中みたいな臭い。
浸出液が多すぎるからかなあ?
とはいえ、浸出液を抑えるためにガーゼ的なものは使いたくない。
それだとガーゼが傷口について乾いてしまうから、ガーゼを変えるのも痛いだろうし、湿潤療法でなくなってしまう。
うーむ。ラップで抑えるしかないんだよなあ…と思いつつ、翌日もイベントで朝早いので、いったん対策は保留。
見た目的には痛そうに見えるが、たまに動きによってチリチリとした感覚はあるが、痛くて歩けないというようなことはない。
また、シャワーを(直接は当てないけれど)当てても沁みたりもしない。
5日目【4月16日】
朝起きて、ラップの取り換え。
粘着包帯にかなり浸出液(ターメリック色混じり)が吸収されていた。
やはりかなりの浸出液が出てるよう。
そして、臭いもけっこう強い。
実は、足の臭いとかへその臭いみたいなのは、体液で雑菌が発生すると発生する。
体液自体に臭いはないのだが、そこで雑菌が繁殖するから臭うのだ。
若干気になるものの、朝8時半には家を出なければならないので、とりあえず漏れない対策を優先。
患部にラップをし、四方を粘着包帯で固定。
粘着包帯の液漏れを防ぐために、その上からさらにラップを2重に。
これで、イベント中もなんとか問題なく乗り切った。
湿潤療法の問題!雑菌の繁殖は良くない
しかし、夜帰って来てみると、あまり状態が良くない気がした。
粘着包帯が滲出液でびしょびしょになっているし、常時濡れているためか、火傷していない肌の部分までが赤くかぶれているようにも見えた。
朝、気になっていた臭いも強い。
臭いが強いと言うことは雑菌が多いと言うことだ。
雑菌があるままにしておくのは良いとは言えない。
でも、湿潤療法を続けるならどうする?と思って調べてみた。
体感も含めて理解したのは、患部が湿っている状態を保ち、滲出液が表皮にとどまっている状態自体は問題ないが、そこで雑菌が大量に発生するような状態はよろしくない、ということ。
雑菌の繁殖を抑えるには「患部をこまめに清浄する」ことがベストかなと考え、明日からは洗浄とラップの交換を夜と朝だけでなく、午後にも一回いれて日に3回行うことにした。
6日目【4月17日】
朝起きて、ラップの取り換え。
ターメリック色がだいぶ落ちてきた。
水膨れがしぼむと、その表面が薄皮のように保護膜的なものになっている。
右側の火傷の深度が浅そうな軽傷部分は、水膨れもすでに収まっているように見える。
ただ、やはり浸出液でびしょびしょになりすぎて、一部、変に真っ白になってたり、患部以外の周りの皮膚も赤みが強くなってたり、悪化?と思えるような箇所がある。
この日から、オイルの塗り替え+ラップ取り換えを日に三回。
朝起きた時
午後3時ぐらい
夜寝る前、とした。
粘着包帯が固定と浸出液漏れの役割を果たす
ラップを取り替えるときは、患部周囲の滲出液をふき取り、患部は多めの水で濡らしたティッシュでおさえるように拭くようにした。
そうすると夜ごろには、昨日ほど浸出液の臭いがきつくなくなってきた!これは効果あり。
また、この粘着包帯と言うのが、本当に良い選択で、幅広で太ももの動きでも取れずらく、患部からの水分や塗ったオイルの漏れも防いでくれる。
この頃、ラップを取り換えるたびに、粘着包帯がびしょっとするぐらい濡れているので、まだかなりが出ている模様。
と言うか、こんなに濡れてしまうのに、滲出液今まで日中取り替えないでいたのは良くなかったなと反省。それは雑菌も繁殖するわ。
私ぐらいに火傷の範囲が広い場合は、滲出液の量によって清浄やラップの交換タイミングを考えたほうが良さそう。
肌を乾燥させないことは大事だけれど、濡れた状態を放置し過ぎて雑菌が増えるのはNG。
雑菌の増殖を感じたら、こまめな清浄を心がけてください。
私の場合、雑菌繁殖がけっこうあったけど、もしかするとターメリック(抗菌作用有)が皮膚に残っていたおかげで、あまり悪い方にいかずにすんだのかもしれない。
雑菌繁殖の弊害
雑菌繁殖のせいか、白ニキビ風の吹き出物が患部の近くなどにいくつかできてたのをつぶしたり(痛くない)したのだが、それが「とびひ」したのか、右わき腹に似たような吹き出物がまとまって発生。
患部を触ったら、ちゃんと手洗いするようにしよう…
②へ続く…
サポート、めちゃくちゃ励みになります! 気に入ったら、お気持ちお待ちしてます♡