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アメリカの小売店に情報発信するための方法とポイント

アメリカの小売店は地域数店舗と全米数千店舗に大きく分かれています。異なる州に数店舗ずつ展開するは運営上の困難さがあるため中規模小売店企業は非常に少ない状況です。気持ちとしては数百店舗の中規模小売店を狙いたいところですが…
そのため、数年後に巨大小売店への展開を目指すというのが、日本企業のアメリカ展開のゴールとなることでしょう。しかし、日本の商品をアメリカの巨大小売店に展開し成功するためには、効果的な戦略が必要です。このブログでは、アメリカ展開を考える方向けに、成功するためのポイントと戦略を紹介します。

自社ECサイトの充実

アメリカ小売店を目指すなら、まずはアメリカ人向けの自社ECサイトの構築と充実が小売店展開への近道となります。アメリカ市場にて自力で集客できる企業に見せなければ、小売店のバイヤーに自社商品を検討してもらうこともできません。また、バイヤーが決めるのではなくその上のマーチャンダイザーが各地域にどれだけ商品を仕入れるかを決定します。もしバイヤーがマーチャンダイザーに自社商品を説明してくれる機会があったとしても、時間は数分しかないことでしょう。この数分で「目新しい」「高機能」だけで説得するには困難です。どれだけ利益が出るのかの説得が必要です。どれだけのアメリカ市民が自社商品を認知しているかにかかっています。

なぜECサイトの充実が必要なのか、それはどれだけ自社ECサイトに集客できているかを示す数値となります。自然検索でどれだけECサイトに流入しているかは簡単に調べられてしまいます。またどれだけ伸びているかも簡単に調べられます。

あるヘアケアブランドの自然検索流入数の推移

例えば上の画面は、このブランドがどれだけ自然検索を増やしているかがわかります。では上の画面のブランドと全く同じ分野の商品で巨大小売店に置かれているブランドの数値を調べてみました。この分野では最も棚を多くとっているブランドです。

巨大小売店で最も棚をとっている同様ブランドの自然検索流入者数の推移

新規ブランドは伸びており、既存のブランドは一度大きく落ちましたがある程度で落ち着いています。こんな時は売り込みのチャンスです。

どうやって売り込むのか

どうやって商品を売り込むのか?バイヤーとアポを取り商談という方法は厳しいものがあります。バイヤーから「毎日多くの商品情報が集まり処理をするのが大変な中、なぜ一商品に多くの時間を費やさないといけないのか。」と思われてしまいます。我々も長年アメリカで商品展開をしてますが、バイヤーと顔を合わせて商談というのはありません。最終的には一度も会ったことがない担当者とメールだけで取引を開始というのが通例です。
簡単な売り込み方法としては、アメリカにはRangeMeというサービスがあります。タイミングをみて自社商品を検討してもらうようにアピールするツールです。

RangeMe画面

これを使えば自社の商品を小売店に見てもらう機会が得られます。年に一度だけ送信できるので、タイミングを合わせて提案すると良いでしょう。準備不足で送信してしまうとダメなイメージを与えてしまうかもしれませんので、送信のタイミングが重要です。

RangeMeの実体験談

ある商品をRangeMeで巨大小売店に商品を提案しました。商品は全く同じでブランドイメージも同じという何も変わっていない状況なのに、1回目は反応すらない状況でも、2回目は反応がありました。2回目で変わったことといえば、先に述べました自然検索数の増加です。ECサイトの販売数は相手は調べられないですが、検索流入数は調べることができます。

バイヤーが個人で商品を判断するというイメージがあるかもしれませんが、毎日多くの商品情報が届く中で、見るか見ないかの判断にはある程度の基準があるのでしょう。人の能力を超えたAIが最初の判断をしているかもしれません。
そんな中でECサイトの自然検索流入数の増加は、ECサイトという専門店舗に集客できているかという判断材料になります。
自力でどこまで集客できるブランドや商品なのか。それはアメリカ市民の認知拡大が期待できる商品なのかという指標の一つになります。

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