見出し画像

「建設業界とITプロジェクトは似ている」元Fintech企画責任者が語るMCデータプラスの可能性 ―「グリーンサイト」ビジネスオーナー兼プロダクトマネージャー・親泊貴広さん ―

親泊貴広:
建設クラウド事業本部 事業・プロダクト戦略部 グリーンサイトビジネスオーナー兼プロダクトマネージャー
大手電気メーカーのエンジニアとしてキャリアを開始した後、モバイルコンテンツ事業会社にて音楽配信やFintech事業のサービス企画責任者などを歴任。
2021年7月入社直後よりグリーンサイトのビジネスオーナーとして活動中。在宅勤務時には夕食作りを担当する家庭的な一面も。

タテもヨコも経験。自分のキャリアがきっと生かせる

――まずこれまでのキャリアから聞かせてください。

大学院を修了して、最初に大手電機メーカーに入社しました。IT領域の研究職だったので自身でもプログラムを書いたりしながら、コンテンツ配信のプラットフォームやビデオ会議・ファイル共有の仕組みなどの研究開発をやっていました。
30歳でコンシューマー向けビジネスをやりたいと思い、モバイル向けのコンテンツ配信を行う企業へ転職しました。音楽が好きだったこともあり、当時流行っていた着うた配信サイト等を作っていましたね。音楽配信のバックエンドの仕組みは結構大掛かりなのですが、そこで大規模なリニューアルプロジェクトを任せてもらい、その後は、開発だけではなく、サービス企画や事業サイドにコンバートしていきました。
ある時、会社で新しくFintech(フィンテック)事業を立ち上げることになったのですが、サービス企画の責任者として立ち上げに参加させてもらいました。その流れでeKYC(オンライン本人確認手続き)やDX関連の事業にも携わってきました。
そして、これまでのキャリアを活かして、自分の成果がさらに直接事業に繋がる環境に身を置きたいと思い、MCデータプラスに転職しました。

toCの領域は、ここ10年でGAFAなど巨大企業が席巻したり、無料が当たり前になってきたサービスもあったり、ビジネスが難しくなってきたと思うんですね。本当に純粋なtoCでの収益機会がある市場が少なくなってきたというか……そういう意味でも、30歳の時とは逆になるのですが、今度はtoBがビジネスチャンスに溢れていて面白そうだと思っていました。特にVertical SaaSの領域はいろんな可能性あるぞ、と考えていました。

――今までとはまったく違う業界、ということは気にならなかったですか?

これまで、エンタテインメントから金融まで業種的にもいろいろ経験していますし、toCも toBもやってきています。また、職種的にもエンジニアスタートでプロダクトマネージャーまで広く経験しています。
業種的にも職種的にも、タテにもヨコにも経験しているので、きっと生かせるだろうと考えて、あまり気にしませんでした。

幅広い自分のスキルや経験に対して、当社からウェルカムな雰囲気も感じましたし、事業が伸びている会社でいろいろできそうだな、と期待感もあったので飛び込んでみました。

Fintechの経験が建設業界にも生きた

――入社されてみて、ギャップはなかったですか?

もともと建設業界だからといって構えてはいませんでしたし、入社してからキャッチアップもできたので、当初からのギャップもなく、業界の違いもまったく問題なかったです。

今思えば、Fintechをやっていた経験が生きたのかもしれません。
金融業界も、法規制やら銀行の文化やらいろいろなことがあって、そういった難しさは建設業界にも通じるものがあると思いました。金融では、toBはもちろんのこと、金融庁や経産省の動向を追いながら銀行と会話したりしていました。そこが国土交通省やゼネコン等に置き換わった、というような印象です。メガバンクと地銀があるように、ゼネコンにもいわゆるスーパーゼネコンの存在など、同じような業界構造があると感じましたね。

覚えなければならないことは多くありますが、逆に言えば覚えればいいだけなので、やることはさほど変わらないとも思っています。

カオスであるがゆえに、やればやるほど成果が出る

――ビジネス領域全体を見るビジネスオーナーに加え、特定のプロダクトを直接見ていたり、プロジェクトマネージャーも兼任されています。いくつもの役割を担っていることについてはどう思われますか?

必要なことをやっていったら、仕事が増えてしまった感じです(笑)。人が足りなくて、やれることが多い会社なので。
でも私には合っていますし、成果にも直結するので非常に楽しいです。
カオスだからこそ、整えていく仕事が多くて楽しいですよね。ポイントを見つけて正していったり、抜け落ちそうになっているプロジェクトを拾いにいったり。

カオスがゆえにやれることがたくさんあって、成果を出しやすいと思います。やればやるほど事業は伸びるし、やればやるほど組織は整う。
もし市場も組織も成熟していたら、成果も出しづらく、組織的な改革をしても大きくは変わらないと思うんですよ。
しかし、当社はその対極にあると感じています。いわゆる建設DXという今最もHOTな市場なんだけれど組織は未熟。なので、いろいろな仕事が落ちていて、取れば取るほど成果に直結します。

そして、社内ではそうやって前向きに仕事をすることや、それが少しの成果でも、褒め讃える文化があるのも素晴らしい点だと思います。

▲Slackにて成果を褒め讃える文化

「成熟していない」のに「伸びている」会社の面白味

事業が伸びていて、組織が未成熟な会社は珍しいと思います。
三菱商事の子会社なのに、ものすごく良い感じのベンチャー企業っぽくもありますよね。
事業があまり伸びていないと、組織や業務の改善をしたり、あるいは事業計画の見直しをしたり、といったことに時間を割かれてしまいがちじゃないですか。事業が伸び悩んでいるのに組織は成熟しきっているみたいな。

当社は真逆ですね。事業がどんどん伸びていき、その仕事がたくさんある一方で、組織が置いてけぼりを食っている状態です。
つまり、組織を整えれば整えるほど、さらに事業は伸びる。まだまだ伸びしろがあるということです。そういうところも、当社の素晴らしい点だなと思っています。

MCデータプラスの強みと課題

――当社の強みはどのあたりだと感じていますか?

ベンチャーと大事業、どちらのエッセンスも入った中間的なポジションのところがいいですね。ベンチャーっぽい雰囲気と、ちょうどいい人数感と。それでいて三菱商事のグループ会社という隠れた安心感があるというか。
スーパーゼネコンとの繋がりなども、もともとは三菱商事というところも大きいと思いますし。

それでいて、三菱商事の介入を感じることはほとんどなく、事業は当事者に任せてもらっている感があります。とても仕事がしやすい環境にあると思っています。

――では課題はどこだと思われますか?

人が集まれば集まるほど伸びる会社なので、一緒に働く仲間がもっと必要です。
次に、きっと人が集まりはじめると、大きくなることによって組織的な課題が出てくると思っていて、その整備が課題だと思います。体制や役割の整備が必要になってきますから。
また、現在は外注に依存しているところがあるので、もっと内製化しないといけないとも思います。建設DXという市場において生き残っていくためには、内製化して、自分たちの手でプロダクトサービスを成長させていく必要があります。
それから、グリーンサイトは、いわば今までは勝手に伸びてくれたプロダクトなので、これからはマーケティング機能を強化していかなくてはいけません。
きちんとお客様と市場を見て、プロダクトビジョンを定めて、サービスをグロースしていく。内製化の話にも通じますが、体制を整えるだけではなくて、市場に向き合うところを強化していかないといけないと思います。

プロダクトとしての面白さ

――グリーンサイトなど、統括されているプロダクトの面白さはどんなところですか?

当社のホームページでも公開していますが、やはり圧倒的なアセットがあることが強みであって、面白い要因だとも思います。
会社としてはまだ若いですが、三菱商事時代から含めると事業としては実は20年以上もやっているんです。
その中で成熟してきたグリーンサイトを中心に、圧倒的な量の建設業界の企業情報、就労者情報などを保持していますし、建設業界のデジタルツインの情報として正しく維持管理していく運用も備えている。

私自身、前職ではデータ分析に基づくデジタルマーケティングをしていた経験もあるので、この強みをすごく感じる。
今般聞こえてくる「情報銀行」のような構想や、Fintechの文脈では決済データを集約して「スーパーアプリ」化していく構想など、いずれもデータを集めた先のビジョンは立派なんですが、情報を集めるところがとても苦労する。言い換えれば、その情報が集まる仕組みを構築できたプレーヤーが勝つんです。
この観点では、MCデータプラスは仕組みがすでにあって、情報がある。この先のビジョンを描いて、それを作っていくだけで良いんです、素晴らしい未来が待っていると信じています。

また、自分たちでビジョンを描くだけでなく、建設DXが盛り上がっている今般では、ゼネコン各社も素晴らしいビジョンをもたれています。
ゼネコンの方々と話したり、ときにはシステムを連携したりしながら、建設業界全体に貢献する素晴らしい仕組みを、一緒になって作っていくことができる、このような状況にワクワクしています。

建設業界の現場管理とIT管理は似た概念

――なかには建設業界にハードルを感じる方もいるそうですが、何かメッセージはありますか?

グリーンサイトなど、当社のサービスを見てもらうとわかると思うんですが、普通のWEBアプリケーションなんです。
違いといえば、建設業界というVertical SaaS(業界特化型SaaS)の側面はあって、そのWebアプリケーションの中で扱うコンテンツが業界特有のものだったり、扱い方のルールがあるだけです。コンテンツやルールさえ覚えてしまえば、作り方は一緒なんですね。

また、IT業界の人に言いたいのは、建設現場の管理は、ITプロジェクトの管理と似ているということです。
計画を立てて、WBSを作り、予実管理をして、実績からコストを出して、品質管理をして、単体テストをして、結合テストをやって、サービスリリースする――。
抽象化して見ると、建設現場でやっていることは、これとよく似た工程だと思うんです。例えば、ゼネコンの方や現場監督がプロジェクトマネージャーだとすると、最初に作成する労務安全書類がプロジェクト計画書の一部、と考えられるのではないでしょうか。

そう考えると、特にIT業界やITに慣れている人は、取っつきやすいと思いますよ。

「なくてはならない存在」を目指して

――今後の目標を聞かせてください。

事業も組織もどんどん整備していき、そこで費やすパワーを市場と向き合うパワーに変えていって、建設DX業界のトップランナーとして確固たる地位を築きたいですね。
建設業界になくてはならない存在になることが目標です。

自分自身も、会社にとってなくてはならない存在になりたいですね。
せっかく業種、職種と幅広く経験してきているので、それをもっと会社に還元していきたいと思っています。

***

聞き手・文責:fukaya

*MCデータプラスでは、社長や担当者と対談していただける企業様を募集しています(対談の様子はnoteで公開を予定)。
DX推進、SaaS企業など、建設業以外でもお待ちしております*
ml.info-press@mcdata.co.jp

*MCデータプラスでは一緒に働く仲間を募集しています*


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?