見出し画像

牧師夫人の徒然なるままに(七七八) 「ほふられた小羊こそは」 (黙示録5・12)

 講壇の上で、礼拝賛美をする度に、会堂の後方に掛けられている三匹の羊の絵を見ています。真ん中の一匹はちょっと小首をかしげています。その姿は愛らしく、その瞳は穏やかで、見る者の心をのどかにします。
 この絵は教会員の渡邉照夫さんがお描きになりました。初めてこの羊の絵を見た時、そのかわいさにうっとりと見とれました。描かれたものだと知りつつも、思わず話しかけずにはいられませんでした。
 ある日、主の十字架の贖いの曲を歌いながら、その絵を見つめた瞬間、深い真理に導かれたような気がしました。主がこのかわいい穏やかな生き物を屠ってお捧げ出来るかと心に問いかけているように思えたのです。私にはできませんと即答しました。既に心の友のように親しんできている羊です。たとえ、絵の中の存在であっても、穏やかな慰めの周波を送り続けてくれている私の宝物です。
 では、もし、私の愛犬リーバイを今すぐ捧げよと命令されたらどうでしょうか?出来ません。これほど愛しているものを屠って捧げるなんて絶対にできません。 
 そんな問いかけの中、私は教えていただきました。ただありがたいと思って受け止めてきた主イエスさまの十字架の贖いが、どれほどの深い痛みと悲しみの上に成就されたのかを重ねて教えていただきました。

安食道子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?