デザインを依頼するときの「形容詞」の注意点
紙面デザインやカバーデザインの依頼をする際の重要なことの1つとして、「思っていることを相手にしっかり伝える」ということがある。
経験上、「伝える」という点で曖昧になりがちなのが「形容詞」に関することである。
例えば、
・かっこいいデザイン
・わかりやすいデザイン
・やさしそうなデザイン
などは、「方向性」はわかるが、もう少し説明がないと、どのように/どの程度などかがわからない。
しかし、依頼に慣れていない人や苦手な人、深く考えられていない人は、このような依頼をしがちである。
「かっこいい」や「わかりやすい」だけでは、依頼する側・される側 双方のイメージしているデザインが異なる可能性が高く、結果として、「そういうデザインじゃないんだけど、、、」というデザインが出来上がってしまうことがある。
重要なことは、
・依頼する側とされる側が同じイメージをもてるような依頼をすること
・依頼される側が、どのようにすべきかイメージできるような依頼をすること
である。
上手な依頼の仕方として、大まかに以下のことが考えられる。
・「このような感じにしたい」というサンプルがあれば、そのサンプルをつけて依頼をする。サンプルの修正点を追加すると、なお良い
・サンプルがない場合は、言葉で補足する。色や形のイメージなどデザインの参考になる言葉や、「全体的にはやさしい感じだけどシンプルすぎず。研修医向けだけど40歳台男性医師でもとっつきやすいぐらいのやさしさ。柔らかさを出すために四角だけにならずに少し丸みを使う」など具体的に方向性を示す
・依頼される側にお任せする場合は、「企画の意図と踏まえて、あとはあなたのセンスのかっこいいで」などでも良い
・一方的に話さないで、不明点など聞き取りながら打ち合わせを行う
ただし、紙面デザインよりもデザイン性が必要なカバーデザインは、あまり具体的な説明はせずに、形容詞(方向性)+αの情報でよい場合もあるので、デザイナーと相談のうえ、必要な情報を伝える。
また、最初に出てきたラフ案が、思っていたより良くないこともあるが、その時には、「依頼をした自分の依頼の仕方が良くなかった」と思って、どうすれば良かったのか振り返り、次に活かす方が良い。相手のせいにしないこと。
とにかく重要なのは、依頼される側がイメージしやすいような依頼をすることになる。