『コロナ禍の学会』 第120回日本皮膚科学会総会 〜Dr苅谷編〜
2021年6月に第120回日本皮膚科学会総会が開催されました。
昨年は、コロナ禍がはじまり、学会としては初の完全Web開催でした。
そして今年は横浜市のパシフィコ横浜を会場としながら、Web配信も行ういわゆるハイブリット開催という形式で行われました。
診療科というものは複数あるわけですが、内科や外科、小児科などの科を問わずに、○○科学会総会といわれるものは、各科における最大規模の学会であることがほとんどです。
これは皮膚科にも当てはまり、日本皮膚科学会総会は国内で行われる皮膚科の学会としては最大のもので、参加者は数千人に及びます。開催期間も4日間と最長です。
学会の目的は、診療に携わる医師の知識のアップデートや若手医師への教育というものが主たるものです。
これはあくまでも個人的な意見ですが、さらに学会にはもう一つの大きな目的があります。
それは、普段なかなか会うことのできない全国にいる仲間たちと会える場だということです。
わたしは、新潟大学皮膚科で皮膚科医としてさまざまな経験を積ませていただきました。15年ほど新潟の地で診療に携わってきたわけですが、5年前に実家のある横浜市に戻り仕事をしておりました。新潟を離れて仕事をしていた自分が、長年慣れ親しんだ新潟大学の同僚と会うことのできる場が、まさに学会会場であったわけです。コロナ禍が始まる前の2年前、皮膚科学会総会は名古屋で開催されました。当時、まだ新潟大学皮膚科に勤務していた藤本先生と久しぶりに会うことができ、学会の空き時間にひつまぶしを食べに行ったり、夜にお酒を飲みに行ったのは、いまでも忘れられない思い出です。
総会のような規模の大きな学会は、会場が東京や大阪などの大都市になることが多いため、コロナ禍がはじまってからは、地方から学会を開催している会場に向かうことは極めて難しい状況です。
今回の学会も、わたしはWeb配信やオンデマンド配信でさまざな先生がたのご講演を拝聴いたしました。新潟大学皮膚科の複数の先生方もご講演をされていましたし、当クリニックとつながりの深い弘前大学皮膚科の中野創先生もご講演をされておりました。
パソコンの画面を通して、先生方のお顔を拝見しておりますと、学会本来の目的である知識のアップデートをさせていただいたのはもちろんですが、みなさまとまた会える日がくることを願う気持ちが強くなってしまったというのが実情です。
コロナ禍があけ、学会会場でみんなでワイワイしながら会うことのできる日々が戻ってくることを願うばかりです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?