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薬屋のホンネ 〜続3・咳止めって効くの、、、?

前回、アストミンっていう、風邪ひいた時に出る咳止めについて、添付文書を調べてみたところ、

どの「量」をどの「頻度」でどの「期間(回数)」

飲んだら効くのか、分からなかった。

風邪ひいて咳き込んでる患者さんは、
「すぐ咳を治したい」、
「今夜咳き込んで眠れないかも」な心配を減らしたい、
わけで、、、

つまり、咳止めに「すぐ」効いて欲しいんですよね。

だから、カロナール(熱冷ましだけど)みたいに「1発飲んだら○分後に効果が現れて、△時間続く」な説得力が欲しいんですよね。

とりあえず添付文書だけじゃ不十分だから、インタビューフォームを検証してみることにした。

ちなみに、このアストミンはシロップ剤、散剤(粉薬)、錠剤ごとに添付文書が分かれるけど、インタビューフォームは剤形関係なく統一されていた。

それによると、、、

①アストミンはメジコンっていう咳止めと比べて、
②どっちもだいたい普通くらいの量を飲んで、アストミンはメジコンより効くっぽいから、「アストミンは効く」とみなしてる、
③ただし効果の判定は7日後

つまりこれって、
「メジコンが咳止めとして効く」
を前提にしてますよね。

あと、もうひとつ(今回はこっちが大事)。
効果の判定が7日後ってのが気になります。
どんな薬も、早く効く方が良いわけで、例えば「60分後に効く」って胸を張って言えるんなら、きちんとその検証結果を記載するわけですよ。
カロナール(熱冷ましですが)なんかはインタビューフォームにばっちり書いてあります(添付文書には記載なし)。

「風邪ひいて咳が出る →すぐ咳を止めたい →だから咳止めを飲む」
は、気持ちは分かるんですが、
アストミンに関しては、「すぐ」には咳を止めてくれないようです。
以前検証したアスベリンは、そもそもヒトのデータすらなかったですが汗)

今回アストミンと比べられてたメジコンについても、調べてみた方がいいのかなと思ってきました。

とりあえず、今回参考にしたデータを載せておきます。
ちなみに、ジメモルファンリン酸塩がアストミン、デキストロメトルファンがメジコンのことで、どちらも製剤中に含まれてる有効成分の名称です。

Ⅴ.治療に関する項目
5.臨床成績
(4)検証的試験
1)有効性検証試験〔アストミン錠 10mg、アストミン散 10%〕
咳嗽を伴う慢性呼吸器疾患患者 178 例に対して、デキストロメトルファンの 20mg 錠、30mg 錠を対照薬として二重盲検比較試験を行った。ジメモルファンリン酸塩は 20mg 錠を用いて、各薬剤とも 1 日 3 回、7 日間投与し両薬剤の有用性を比較検討した。有効又は著効と判定されたものは、ジメモルファンリン酸塩投与群では 49.2%(30/61)、デキストロメトルファン 20mg 投与群で 37.7%(20/53)、30mg 投与群では 40.6%(26/64)であった。
(中略)
以上の結果より、本剤の有用性が認められた。

アストミンのインタビューフォームより

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